未だ寝台で休んでいた、それが「九華帳裏」です、楊貴妃は、仙女「雙成」から天子の使いの来訪を聞きます。
聞道漢家天子使 <聞くならく 漢家天子の使なりと>
「聞道<キクナラク>」と成っておりますが、どうでしょうか。「・・・使いと道<イウ>を聞く」でいいのでは???
九華帳裏夢魂驚 <九華の帳裏 夢魂驚>
「九華の帳」とは、多くの花模様を縫取りした帳です。夢魂とは死者の魂です
攬衣推枕起徘徊 <衣を攬り枕を推して起って徘徊し>
「攬<トリ>」です。どうしようかと迷い、その辺りを歩きまわります。それが「徘徊」です。
珠箔銀瓶迤邐開 <珠箔 銀屏 迤邐(いり)として開く>
「箔<ハク>」は簾です。「迤邐<イリ>」とは幾重にも連なっているさまです。沢山ある簾や屏風を一つずつ開いて。
雲髩半偏新睡覺 <雲髩<ウンビン>半ば偏<ミダ>れて新たに睡覺し
「雲髩<ウンビン>」は雲のように美しい髪が乱れています。 ようやく眼がさめたばかりで
花冠不整下堂來 <花冠は整はずして 堂を下り來る>
「花冠」は仙女が着けている花の冠です。「堂」とは高い建物
風吹仙袂飄飄舉 <風は仙袂を吹いて飄飄として舉がり>
堂より下りてくる楊貴妃の袂は風に吹かれて飄々と揺れ動きます。「飄々」はひらひらと左右に音もななくたなびき動くことです。
猶似霓裳羽衣舞 <猶ほ似たり霓裳羽衣の舞に>
「猶」は、ちょうど・・・のようだです。かっての日に舞った「霓裳羽衣」の舞のようです。
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