「比翼の鳥」、「連理の枝」と、お互いに、「作」・「為」<ならん>と誓ったのです。此処までは、楊貴妃は誇らしげに、堂々と、地上から来た玄宗の使いの方士に、さも楽しそうに言葉を弾ませながら語りかけます。それからです、一呼吸も二呼吸も置いて、深いため息をつきながら、今まで地上の方をじっと見つめながら話していたのですが、何か急に、とげが突き刺さるかのよな厳しい表情に変わり、語意を高めて言います。目は、遠く、天の方に向き直って、
“天長地久有時盡”
<天は長<トコシ>へに 地は久しきも 時有りて尽く>、
“此恨綿綿無絶期”
<此の恨み綿々として 絶える期無からん>
「今、自分がいる天上でも、陛下の入らっしゃる地上も、永遠に滅びないものはあり得ないのです。何時かはきっとその終わりが来るのです。天地さへも決して永遠なものではありません」と。さらに続けて、なおも、楊貴妃は言い切ります。「しかしながら、私の心の奥底にまで占め尽している此の恨みは、例えこの天地が滅ぼうとも、決して絶えることはないでしょう」
と。
さて、此の楊貴妃のそれほどまでに心にある「恨み」とは一体何でしょうかね。また、白居易の「長恨歌」の「恨み」とは何でしょうか??。あなたなら、どうお答えになられますか。
まあ、普通ならこれで総てがエンドになるのですが、12月から約2カ月も続けて来ましたので、あまりにもこの物語をおしまいにするのが惜しいようにも思えますので、今月いぱいまで引き伸ばしたく思い、あちらこちらへと引っ張っていこうと思っております。それにしても、中国の歴史を見ますと、何時の時代であったとしても、中国人って素晴らしい能力の持ち主がいっぱいいたものですね。現代では、その名前が見当たりませんがどうなっているのでしょうか???私が知らないだけなのでしょうかね。