そうです、この「さ」です。「出さ入さ」がどうも気になってしかたがありません。広辞苑でもと思ったのですが何もありません。ネットではと、調べてみました。そこには、驚くべき、この「さ」についての記事が目に飛び込みます。この歌は「夫木和歌集」にある
“武士の 出さ入さに 枝折する とやとやとほりの むやむやの関”
の和歌に詠み込まれている「さ」だったのです。
と云うことは、梨一が「むやむやの関」の言葉の説明に使ったこの文は「和歌」だったのです。(まあ、梨一は「とやとやとほりの」の部分を「とやとやどりの」としていますが。)だとすればと、早速、この「さ」について、辞書をみます。すると、『接尾語で、動詞について「時」や「折」の意味を表す』と。・・・・「知らぬが仏」とは、まさに、この事だと、深く反省しております。
それにしても蓑笠庵は、なんって物知り博士でしょうかね。感心すること仕切りです。
なお、この「夫木集」は勅撰和歌集に漏れた和歌を集めた歌集で、我が町吉備津に伝わる和歌の中にも数首入っております。その一つを。もうすぐそんなん景色が現れます。
“麓まで 峯の嵐や さそうらん 紅葉散りくる 吉備の中山”