“仆”
こんな字見たことがありますか???さて何と読むのでしょうか。早速、辞書に御助けを願いします。・・・・・・・・ありました。
“タオレル”
「人がポックリとたおれる」という意味から出来上がった形成文字だそうです。
スサノヲの大室から持ち逃げしていた「天詔琴<アメノノリゴト>」が樹に触れて出た音がものすごかったために、寝ていたスサノヲは目を覚まし、立ち上がろうとするのですが、ご自分の髪の毛が綱にされて、天井のタルキに括りつけられております。それでも立ち上がられたのでしょうか、その力もものすごく、くくり付けられている髪の毛と一緒に、家の屋根ごと引き倒してしまわれたのです。それが
“引仆其室<ソノムロヤヲ ヒキタフシ タマヒキ>”
その時、ご自分の身が梁などの下敷きにならなかったのかなあ、と感心して読みましたが、それも、また、歴史ですから、「そのまま読めばいいのだ」と宣長先生に叱られそうな気分になっております。
それからスサノヲはタルキに結んであるご自分の髪の毛の一本1本を解きます。それに大変時間が掛かります。その間に、オホクニとスセリヒメは根の国(黄泉の国)の出口
”黄泉比良坂<ヨミノヒラサカ>”
を越えます。ここまで来るともう安心です。そこへ息咳き切ってスサノヲが追いかけて到着します。見れば二人は手に手を取ってすでにこの世に<ヨミガエ>っております。