黄泉比良坂から顕国に入ったオホクニに対してスサノヲは、
“呼謂<ヨバイテ ノリタマハク>”
大声を出して呼びかけます。
昨日の“遥望“もそうですが、この“呼謂”を見ても分かるように、何時もながら、本当に、古事記の作者は、たった漢字数字をものすごく上手に使って、その場の状況を読む者をして、あたかもその場にいるかのような臨場感を高めるための書き表し方を工夫しているのに驚かされますす。
“其汝持之生太刀生弓矢以而。汝庶兄弟者。追伏坂之御尾・・・・・・・・”
と。<ソノ イマシガモツ イクタチ イクユミヤ モチテ イマシガ アニオトドモヲバ サカノミヲニ オイフセ>です。
山の坂道、「尾」ですから長く伸びた坂道です。特定な場所を指すのではありません。何処でもいいから、その辺りの山にかかっている峠のような所に待ち伏せして、私の大室から持ち出した刀と弓で攻撃しろというのです。「先制攻撃をしろ」と
”呼謂<ヨバイテ ノリタマワク>”
するのです。