宣長の「古事記伝」読んで行きますと、「こんな字があった???」と訝るような文字によく出会います。
“詈”
もそうです。何と読みますが??<ノノシル>」と読むのだそうです。此の言葉は、比良坂から、顕国にいるオホクニに向かってスサノヲが言った言葉の激しさを説明するために宣長が使った言葉なのです。
「私はそちらまで行って、悔しくてなりませんが、あなたを拉ぎ、その刀や弓を取り戻すことはできません。だから、その刀と弓はあなたに差し上げます。」
と、さも悔しそうに、呼謂<ヨバイテ ノリタマハク>のです。其のスサノヲが発した一声の言葉が
”意禮<オレ>”
です。穏やかな言葉では決してありません。憎々しげに人をののしるような激しい言葉っだたのです。「もしもし亀よ、亀さんよ」の「もしもし」や禅寺の門口で禅僧がよく発する「ドーレ」などと同じ言葉の種類ではあるのですが。