安倍政権の生活保護費削減予算に対して怒りの声が広がっている。が、残念なことにその怒りは少数派だ。まだまだ多くの人には自分には関係ないことと思われているようだ。政府やマスコミが宣伝する芸能人を利用した生活保護バッシングや「本当に困った人たちのためのもの」論などに何の疑いも抱いていないのだろうか。
生活保護の歴史は抑圧され続けた歴史だった。利用者は「特別な弱者」「親族からのつまはじき者」などのレッテルを貼られ、それが逆に「自分は生活保護と関係ない」と信じて耐え続ける貧困者を大量に生み出してきた(後藤道夫氏『しんぶん赤旗』2013年1月29日)。
近年、利用者は増え続けているが、それでも利用への抑圧は強く、生活保護水準以下所得の世帯のうち利用しているのは15%程度に過ぎない。だが今の日本の貧困状況は、いつまでも政府が、生活保護利用者とそうでない人たちの反目を操りながら、その利用を抑圧し続けることをもはや許すわけにはいかなくなっているようだ。もはや限界点に近づきつつあるという印象を抱いているのだがいかがなものだろうか。その時こそ、日本の社会保障は大きく変わっていくのかもしれない。
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