一昨日は近畿のある書店グループの会合&新年会にいくつかの知り合いの出版社の人たちと参加した。前半はもはや「崖っぷち」と言われる零細書店の現状を押し戻すために今、何ができるかそのための知恵を出し合おうという話し合いだった。
「公費購入の売上が多くを占め、個人購入が前年比7割に落ち込んでいる」
「月々の家賃の支払いがたいへんだ。取次にも支払いを待ってもらっている」
「ここんとこ、店売でのお客さんが数人という日も珍しくはなくなった」
「店売を止めて外販に絞っていこうかと検討している」
「店売りを止めて外売だけで成り立たせている書店もあるので、それも一つの決断だ」
「お店を引き継ぐことになるが、読み聞かせと子どもの本屋という特徴をどう広げていけばいいのか、先が見えない」
「ネットを使った販売サイトを立ち上げていきたいが、すすめるためには出版社の協力が不可欠だ」
「コンビニが本や雑誌、コミックを売るようになり街の本屋が潰れていった。しかしそのコンビニの販売も今は急落している。平均すると1店舗の1日の本と雑誌の売上は1万5千円ぐらいにしかない。今では客寄せと防犯のために置いているぐらいの役割しかない。コンビニが本の販売を止めて、それが街の書店に戻って来ればいいのだが」
「本以外の商品を販売するなど、兼業でやりくりし始めている書店も増えている」
「堅実に売れる本は授業に役立つ、教育現場で使われる、学校図書館で子どもに読ませる本など公費で購入される本が中心で、他のテーマは難しくなっている」
「とにかく図書館の利用者が急増している。東京のある公立図書館の貸出予約数ベストテンを見ると、第1位の本には500人以上の予約がついている。またベストテンのうち3点は文庫本だ。文庫本さえも購入できないという状況が人が増えている」
「運動や活動の後退、読者層の高齢化などもある」
「書店で1年間で1冊以上売れる本は60%。あとの40%は1冊も売れないのが現状」
…etc
それぞれの置かれている状況が話され、さまざまに意見や提案やアドバイスも飛び交ったが、全体として事態はとても厳しい。では出版社としては何ができるのか…。購買層の経済的事情、出版をめぐる環境変化、さらに消費増税などいくつもの壁をどう乗り越えていけばいいのか…。この1~2年が大きな節目になるかもしれない。