月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

おにふすべ

2015-10-01 20:29:06 | キノコ
くしくも富士山から帰る途中、オニフスベ発見の報が入った。今年はすでに一度見ているが、再び見られるとは!今度は別の場所に出てきたらしい。

前回と違い、今回はまだフレッシュな状態だそうだ。見に行きたい!しかし、これ以上休みがとれない……(/_;)
しかたない、最後の手段だ!
「昼休みダッシュ」
1時間の昼休憩をフルに生かし、ダッシュで目的地に直行、撮影して退却!という荒技だ。オニフスベポイントは職場からクルマで15分の場所……行けるハズ!

今回の発生地もまた川沿いの草地。オニフスベの胞子が川沿いの風に吹かれて流れ広がっていくさまが目に浮かぶようだ。しかし天候は雨!いやいや、真っ白なオニフスベのこと、明るすぎて色調がぶっとんでしまう直射日光よりもはるかにいい条件だ。レッツゴー!!

目的地に到着。傘をさして歩いて探索する。「とくに目印はないが、行けばわかる」みたいな話だったけど、ここってけっこう広い……どこよ??

誰もいない雨の野っぱらをさまようこと10分、白いカタマリが見えた!これだ!!


おお、素晴らしい、ふたつもある!一つは直径20センチのバレーボール大。もうひとつは小ぶりのハンドボール大。どちらも美しい状態で、まだ大きくなりそう。

雨がザンザカ降る中、カメラを濡らさないように撮影する。仕上がりを確認する余裕はない。ほぼ当てずっぽうに撮るだけ。アッ、時間!

残り20分しかない!間に合わねえ!慌てた私はショートカットで藪の中をつっきって退却した。


二日後。雨雲は三重を通過。青空のオニフスベを撮りたいという衝動が抑えられなくて、もう一度昼休みダッシュを仕掛けてみると、そこにはさらに巨大化したオニフスベが……ない!ない!! 2つとも!

誰かに採られた~(T_T)


これを採りたくなる気持ちはわかる!だが、食べるつもりならやめたまえ。オニフスベはとってもマズイからな!

失意のなか、それでもあきらめきれずウロウロしていると、ソフトボール大の味噌っかすオニフスベを見つけた。

「おまえは兄貴の分まで胞子を飛ばすんだぞ~」

歩道から見えないように念入りに草をかぶせて、その場を去った。