
あちらこちらの家庭から、帰省の声が聞こえたお盆の情景も去り、いよいよ夏子の誕生日(クスクス)の近づくある日「○ちゃん、良く頑張ってくれたね。何も言わずに僕にお祝いをさせてくれる?」
そう言って、Jの行きたい所へ連れて行かれました。
普通は妻の意向や好みを聞くものと思われますが、Jに限ってそれはありません。
「僕は幸せだった。後十年だね。仲良くしようね」そう言って涙ぐむJの演説を聞きながら、この天賦の才はどこから生まれてくるのだろう?万年謎の解けない不思議を思いながら静かに終わるのを待っていました。
「○ちゃん、真剣に聞いていないね?いつまで経っても僕の愛は君に届かないけれど、いつか必ず君に幸せだったと言ってもらうように僕も頑張るからね。お嬢さん、これもう一本お願い!」
Jはお店の人にビールの空瓶を差し出しました。
今日は私のお祝いのはずだったのですが、案の定Jの慰労会になりました。
久し振りに研修をしましょうと言う事になり、播州鉄道を敷いた豪農(西脇)藤井家保存宅を訪れました。
今は在阪会社所有「コヤノ美術館」として、公開されているようです。


ここでは明治大正昭和初期の建物が一度に見られると説明書きに記載されています。
徳川家光の書なる書き物を見ましたが、残念ながら(クスクス)判読出来ません。


唐津焼物、黒柿などの高級素材を使った普請の数々ですが、値打ちが分かりません。


明治のシャワー、自家水道、昭和の初めの電球等を見て歩きました。
もっと面白い物がありますよ、と言われて、館長さんの案内で屋根裏に上がりましたが、暑い!
急な階段から酔っ払いのJが落ちないかそればかりを心配していました。
「奥さん、もっと面白い物がありますよ」そう言われて蔵に連れて行かれましたが、ここも暑い!
「奥さん、遠慮なさらずに、もっと面白い物がありますよ」
「館長さん、もう結構です。随分貴重な物を拝見し、まことにありがとうございました」
喉がカラカラで、死にそうでした(笑)
ねずみ小屋とおぼしき家に帰れば、文明の利器ですぐさま涼を取る事が出来ます。
シャワーも付いています(笑)
Jさん、私はこの小さな家でいいわ。
後十年、何とか頑張りましょう。
幸せだったとお礼がてらきっと言うから楽しみにしいて(笑)
来年の事は分からなくなって来ました。
何とか日常が送れるように、また玄関に現れるHに出会えるように、わたくしは節目の夏の新たな一歩を、まもなく踏み出そうとしています。

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