朝夕の涼しさを感じるにつけ、なんとも暑い、長い夏を耐えていた事かと実感します。
夏の終わりは根っから主婦のわたくしには、うっかり出来ない秋の始まりでもあります。
暑さにかまけて怠ったことの汚れが随所に目立ちます。
カーテン・シーツ・カバー・クロス等は、今から洗い始めるのが、年末を楽して過ごす秘訣です。
夏枯れの庭も手入れを待っています。
裏庭には冬野菜の種まきが始まります。
夫は着々と肥料を仕入れ、その準備に余念がありません。どうやら今週末に土壌作りを始める気配です。
私も何かを始めないと・・・と、周りを見渡して、ふと目に付いたものがありました。

何がきっかけだったのか思い出せないのですが、2005年頃から、休日は喫茶店のモーニング巡りを始め、2年半を掛けて100軒のお店を巡った事があります。
メニューをスケッチし、感想も書き込んで、門外不出の一冊のノートを作り上げました。
その過程でこのサイフォンを手に入れ、友人、知人、親族を招いて我が家でもモーニングの真似事をして楽しみました。
記録好きのわたくしが、そのときの様子を、お出したメニュー、テーブルに飾ったお花までイラストにして残しているのには、我ながら驚きます。
*キッチン あおばで* これも門外不出のノートになりました。

亡母への介添えが始まって以来、プッツリとこの事が途絶え、サイフォンも戸棚の淋しい飾り物になりました。
あの頃、夫の名前のイニシャルを取って、“J マスター”と呼ばれた男前が、秋を前に思案する、わたくしの目にチラチラと浮かんで参りました。
もう一度復活させてはどうだろう・・・
一夜明けて今朝のウォーキング時、夫に話掛けてみました。
「あなた。もう一度マスターやってみません?」
「?」
「もう一度豆から引いてみましょうよ」
何もかも面倒くさくなって来て、今はお気に入りの二軒の喫茶店を交互に、休日のモーニングを楽しむ程度ですが、秋の訪れと共に、*キッチン あおば*を開いてみたい気がしています。
「考えとくよ」
どんな答えが貰えるのか分かりませんが、J マスターを復活させるのはわたくしの気構えひとつなのかも知れません。
面倒くさい事をなにかと避けようとするのは、典型的な老いの始まりです。
「マスターの奥さん。あなたの頑張り次第よ」

目をやった庭の葉先に蝶チョが止まり、そう言って、羽根を振ったのは私への応援?
イッチョウ?やってみるか!
突然やって来た、秋に乗り遅れた蝶チョが、J マスターのエプロンの色に見えなくもない・・・


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