あさましきもの・・・太宰治・・・こんな話を聞いた・・・そうだ・・・
・・・たばこ屋の娘で、小さく、愛くるしいのがいた。男は、この娘のために、飲酒をやめようと決心した。娘は、男のその決意を聞き、
「うれしい」
と呟(つぶや)いて、うつむいた。うれしそうであった。
「僕の意志の強さを信じて呉れるね?」
男の声も真剣であった。娘はだまって、こっくり首肯(うなず)いた。信じた様子であった。
男の意志は強くなかった。その翌々日、すでに飲酒を為した。日暮れて、男は蹌踉(そうろう)、たばこ屋の店さきに立った。
「すみません」
と小声で言って、ぴょこんと頭をさげた。真実わるい、と思っていた。娘は、笑っていた。
「こんどこそ、飲まないからね」
「なにさ」
娘は、無心に笑っていた。
「かんにんして、ね」
「だめよ、お酒飲みの真似なんかして」
男の酔いは一時にさめた。
「ありがとう。もう飲まない」
「たんと、たんと、からかいなさい」
「おや、僕は、僕は、ほんとうに飲んでいるのだよ」
あらためて娘の瞳(ひとみ)を凝視した。
「だって」
娘は、濁りなき笑顔で応じた。
「誓ったのだもの。飲むわけないわ。ここではお芝居およしなさいね」
てんから疑って呉(く)れなかった。
男は、キネマ俳優であった。岡田時彦さんである。先年なくなったが、じみな人であった。あんな、せつなかったこと、ございませんでした、としんみり述懐して、行儀よく紅茶を一口すすった。
・・・「あさましきもの」、これって、ヒトの弱さ?・・・・
あさましい(浅ましい)
品性が卑しい・さもしい・下劣だ・見苦しく情けない・嘆かわしい・・・古文は「驚くばかりだ・意外だ・死ぬ・亡くなる・意外なことになる・あきれるほどひどい・見苦しい。みっともない」
・・・現代語の「あさましい」のもとになる語。現代語では悪い意味にしか使わないが、古語では良い意味にも悪い意味にも驚きあきれたときに使う・・・
・・・困った・・・こまったん、なぁ~、この説明・・・ならば、「あさましい政治屋達」って・・・素晴らしくも立派な・・・ですか・・・「蛙作(差)真(魔)詞意」・・・
ーーーーー
枕草子
(一〇二段)・・・百二段・壱百弐段
1+0+2=3=三=参
1×0×2=0=零
あさま
しき
もの
ーー↓
指櫛・・・「挿櫛(さしぐし)」のコト
「手櫛(てぐし)」
クシを使わずに手で頭髪を整えること
「挿し櫛」
女性が髪の飾りとして挿す櫛
象牙・「鼈甲(べっこう)」などで
作るのは江戸時代以後
ーー↓
指・・・・・さす・ゆび・シ
喩備・湯美・油火・由尾
指=扌(手)+旨(ヒ日)
櫛
みがく・・・磨く・研く・視学
ほどに、・・補度爾
物に・・・・「モノ・者(ハ)」爾(似)
さへて・・・作重出・差得氐(弖)
冴えて→冫(氷)+牙(きば・ガ)
↓
くっきりと澄む・はっきりと
「冱」=冫(氷)+互→互換・相互
ゴ・さえる
氷のように澄みわたる
凍る・凍える・こごえる
源字は「冱」で、「冴」誤字による俗字
「冱」が基本字
「冴(コ・ゴ・さえ・さえる
こおる・ひえる)
氷が硬く凍て付く・凍えるように冷たい
さえる(サユ)・氷のように澄みわたる
コ・ゴ・さえ・さえる
こおる・ひえる
櫛(くし)とは氷の氷柱(つらら)に似る
氷=凍=こおり=郡・桑折・小折
ーー↓
折れ
たる。
ーー↓
車の・・・句留真之
うち
かへされ・・・反され・変えされ・化得差例
たる。・・・・他留
さる・・・・・作留
おほの・・・・太・於補之・大野
かなる・・・・仮名留・金留・可成
物は、
ところ
せく・・・・・施句
久しく・・・・比差詞(史)句
など・・・・・等・名度
や
あらん・・・・阿蘭・和蘭・亜覧・蛙覧
と・・・・・・徒・賭・渡・図
こそ
思ひ
しか。・・・・史可・史家・詞花
ーー↓
ただ
夢の
心地
して
あさましう
あや・・・・文・綾・彩・彪・阿家
なし。
ーー↓
人の
ために
恥しき
事、
つつみ
も
なく、
兒も
大人も
いひ
たる。
ーー↓
かならず
來
なんと
思ふ
人を
待ち
明して、
曉がたに、
唯
いささか
忘れて
寐入り
たるに、
烏の
いと
近く
かう
と
鳴くに、
うち
見
あげ
たれ
ば、
晝に
なり
たる
いと
あさまし。
ーー↓
てうばみ・・・てう→ちょう
ーーーー↓
古代の税制の一つ
穀物以外の絹・糸・綿などの
物品を納めるもの
音楽の調子
音律=「でう」
「盤渉(ばんしき)てう」
「黄鐘(わうじき)てう」
「調食(てうばみ・重食)」
てうばみの意味
↓
双六(すごろく)の一
二つのさいころを振って
同じ目を出す遊び
目がそろうのが「調」
そろわないのが「半」
博打・賭け事・ダイス
ーー↓ーーーーー↓?
てうばみにどう取られたる
手乳母視にドウとられたる
出胡場視似同 採られ他留
ちょうばみにどう取られたる
帳 場見に如何とられたる
帖 葉
長 場・・・長丁場
宿場間の距離が長いこと=「長丁場」
長い時間の経過を要すること
ーーーー↓
に
どう
取られ
たる。
無下に
知らず、
見ず、
きかぬ
事を、
人の
さし
向ひて、
あらが・・・・あらがう=抗う・争う・諍う
あらそう・抵抗する・逆らう
はす
べく
も
なく
いひ
たる。
ーー↓
物
うち
こぼし
たるも
あさまし。
ーー↓
賭弓・・・・のり・・・・・海苔・糊
乗・載
朔・弼
憲→憲法
規
矩・則・法・紀
賭・・・かけ・ト
弓・・・ゆみ・キュウ
に
わななく・・・わななく(戦慄く)
恐怖・緊張・寒さなどのために
身体(からだ)がふるえる
体や手足が震える・震え動く
わななく・・・声や楽器の音などがふるえる
和名名句(鳴・啼・泣・泣・莫)
久しう
ありて
はづし
たる
矢の、
もて
離れて
こと・・・・・異
かたへ・・・・
行き
たる。
ーーーーー
・・・
・・・たばこ屋の娘で、小さく、愛くるしいのがいた。男は、この娘のために、飲酒をやめようと決心した。娘は、男のその決意を聞き、
「うれしい」
と呟(つぶや)いて、うつむいた。うれしそうであった。
「僕の意志の強さを信じて呉れるね?」
男の声も真剣であった。娘はだまって、こっくり首肯(うなず)いた。信じた様子であった。
男の意志は強くなかった。その翌々日、すでに飲酒を為した。日暮れて、男は蹌踉(そうろう)、たばこ屋の店さきに立った。
「すみません」
と小声で言って、ぴょこんと頭をさげた。真実わるい、と思っていた。娘は、笑っていた。
「こんどこそ、飲まないからね」
「なにさ」
娘は、無心に笑っていた。
「かんにんして、ね」
「だめよ、お酒飲みの真似なんかして」
男の酔いは一時にさめた。
「ありがとう。もう飲まない」
「たんと、たんと、からかいなさい」
「おや、僕は、僕は、ほんとうに飲んでいるのだよ」
あらためて娘の瞳(ひとみ)を凝視した。
「だって」
娘は、濁りなき笑顔で応じた。
「誓ったのだもの。飲むわけないわ。ここではお芝居およしなさいね」
てんから疑って呉(く)れなかった。
男は、キネマ俳優であった。岡田時彦さんである。先年なくなったが、じみな人であった。あんな、せつなかったこと、ございませんでした、としんみり述懐して、行儀よく紅茶を一口すすった。
・・・「あさましきもの」、これって、ヒトの弱さ?・・・・
あさましい(浅ましい)
品性が卑しい・さもしい・下劣だ・見苦しく情けない・嘆かわしい・・・古文は「驚くばかりだ・意外だ・死ぬ・亡くなる・意外なことになる・あきれるほどひどい・見苦しい。みっともない」
・・・現代語の「あさましい」のもとになる語。現代語では悪い意味にしか使わないが、古語では良い意味にも悪い意味にも驚きあきれたときに使う・・・
・・・困った・・・こまったん、なぁ~、この説明・・・ならば、「あさましい政治屋達」って・・・素晴らしくも立派な・・・ですか・・・「蛙作(差)真(魔)詞意」・・・
ーーーーー
枕草子
(一〇二段)・・・百二段・壱百弐段
1+0+2=3=三=参
1×0×2=0=零
あさま
しき
もの
ーー↓
指櫛・・・「挿櫛(さしぐし)」のコト
「手櫛(てぐし)」
クシを使わずに手で頭髪を整えること
「挿し櫛」
女性が髪の飾りとして挿す櫛
象牙・「鼈甲(べっこう)」などで
作るのは江戸時代以後
ーー↓
指・・・・・さす・ゆび・シ
喩備・湯美・油火・由尾
指=扌(手)+旨(ヒ日)
櫛
みがく・・・磨く・研く・視学
ほどに、・・補度爾
物に・・・・「モノ・者(ハ)」爾(似)
さへて・・・作重出・差得氐(弖)
冴えて→冫(氷)+牙(きば・ガ)
↓
くっきりと澄む・はっきりと
「冱」=冫(氷)+互→互換・相互
ゴ・さえる
氷のように澄みわたる
凍る・凍える・こごえる
源字は「冱」で、「冴」誤字による俗字
「冱」が基本字
「冴(コ・ゴ・さえ・さえる
こおる・ひえる)
氷が硬く凍て付く・凍えるように冷たい
さえる(サユ)・氷のように澄みわたる
コ・ゴ・さえ・さえる
こおる・ひえる
櫛(くし)とは氷の氷柱(つらら)に似る
氷=凍=こおり=郡・桑折・小折
ーー↓
折れ
たる。
ーー↓
車の・・・句留真之
うち
かへされ・・・反され・変えされ・化得差例
たる。・・・・他留
さる・・・・・作留
おほの・・・・太・於補之・大野
かなる・・・・仮名留・金留・可成
物は、
ところ
せく・・・・・施句
久しく・・・・比差詞(史)句
など・・・・・等・名度
や
あらん・・・・阿蘭・和蘭・亜覧・蛙覧
と・・・・・・徒・賭・渡・図
こそ
思ひ
しか。・・・・史可・史家・詞花
ーー↓
ただ
夢の
心地
して
あさましう
あや・・・・文・綾・彩・彪・阿家
なし。
ーー↓
人の
ために
恥しき
事、
つつみ
も
なく、
兒も
大人も
いひ
たる。
ーー↓
かならず
來
なんと
思ふ
人を
待ち
明して、
曉がたに、
唯
いささか
忘れて
寐入り
たるに、
烏の
いと
近く
かう
と
鳴くに、
うち
見
あげ
たれ
ば、
晝に
なり
たる
いと
あさまし。
ーー↓
てうばみ・・・てう→ちょう
ーーーー↓
古代の税制の一つ
穀物以外の絹・糸・綿などの
物品を納めるもの
音楽の調子
音律=「でう」
「盤渉(ばんしき)てう」
「黄鐘(わうじき)てう」
「調食(てうばみ・重食)」
てうばみの意味
↓
双六(すごろく)の一
二つのさいころを振って
同じ目を出す遊び
目がそろうのが「調」
そろわないのが「半」
博打・賭け事・ダイス
ーー↓ーーーーー↓?
てうばみにどう取られたる
手乳母視にドウとられたる
出胡場視似同 採られ他留
ちょうばみにどう取られたる
帳 場見に如何とられたる
帖 葉
長 場・・・長丁場
宿場間の距離が長いこと=「長丁場」
長い時間の経過を要すること
ーーーー↓
に
どう
取られ
たる。
無下に
知らず、
見ず、
きかぬ
事を、
人の
さし
向ひて、
あらが・・・・あらがう=抗う・争う・諍う
あらそう・抵抗する・逆らう
はす
べく
も
なく
いひ
たる。
ーー↓
物
うち
こぼし
たるも
あさまし。
ーー↓
賭弓・・・・のり・・・・・海苔・糊
乗・載
朔・弼
憲→憲法
規
矩・則・法・紀
賭・・・かけ・ト
弓・・・ゆみ・キュウ
に
わななく・・・わななく(戦慄く)
恐怖・緊張・寒さなどのために
身体(からだ)がふるえる
体や手足が震える・震え動く
わななく・・・声や楽器の音などがふるえる
和名名句(鳴・啼・泣・泣・莫)
久しう
ありて
はづし
たる
矢の、
もて
離れて
こと・・・・・異
かたへ・・・・
行き
たる。
ーーーーー
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