チャオ・ダル・マーレ  CIAO dal MARE    (旧キッチン・マーレ)

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二度目の鎌倉の夏・コロナの夏

2021-08-22 | 鎌倉便り

今年の夏も、鎌倉の海水浴場は閉鎖、つまり海の家やライフガードはなかった。江ノ島、逗子、葉山はオープンしたものの、神奈川県も何度目かの緊急事態宣言発令で各海岸もお盆前には早々に閉鎖となってしまった。オリンピックの盛り上がりは一体何だったの?って感じで、長雨や例年より早くに次々とやってくる台風や線状降雨帯により、全国的に降り続く雨、雨、雨。。。

日本はコロナに加えての洪水で、弱り目に祟り目・・だ。

8月初旬、台風前の真っ赤な夕焼け。

ガブロは7月に1歳になり、背丈は12歳のマックスと同じぐらい大きくなりました。

台風接近時は、サーファーには絶好の波。これでも、材木座では大きめな波↑。

チャリで海岸に来るサーファーたちは、こうやって駐輪してる。

昨年よりもコロナ感染者がグッと急増中の2021年の夏。行き場のない人たちで海は結構賑わっているけれど、荒れた日も多くて、結局あっという間に短い夏も終わり、何だか悲しいな〜。

でも、明日は初めてのSUPを葉山でするので、ちょっと楽しみ。

最近フラ仲間たちがSUPにハマりはじめていて、数時間SUPをしてからフラレッスンに参加すると、踊る時に身体がすごく軽くていいんだよね〜、という強者たち!

私が通っている材木座テラスのフラ&ヨガスタジオGypseaでは、会員だと月に2回無料でSUPやサーフボードがレンタルできる特典がある。SUPをやり始めたフラ・シスターズのみんなも実はそれほど若くない、っていうのにも励まされ、いよいよ私も挑戦することにした!

何ヶ月ぶりかのブログなんで話は前後するが、今年は紫陽花の季節も例年より早く、あっという間に終わってしまった。鶴岡八幡宮の手水舎(ちょうずや)ではその期間紫陽花の花を浮かべる、と聞いて行ってみたら、参拝客が密にならないようにか、ちょっと控え目の、でも質素ながら涼やかな趣のある花手水。

どこかに遠出もできず、相変わらずの近場散策。長谷から極楽寺に向かって極楽坂を登った。

坂の途中に、成就院というとても見晴らしの良い小さなお寺があり、由比ヶ浜、材木座、逗子、三浦半島まで見渡せた。

唯一残っていた蓮の花。

坂のてっぺんが、極楽寺エリア。

駅名にもなっている極楽寺は、昔はお助け寺だったそうだ。もともと深沢(現・鎌倉市西部)にあった念仏系の寺院を北条重時(鎌倉幕府二代執権、北条義時の三男)が当時「地獄谷」と呼ばれていた現在地に移したという。極楽寺という名前は、現実には死骸が遺棄されたり、行き場を失った者たちが集まったりする「地獄」ともいうべき場所になっていたためだとか。

極楽寺の山門は茅葺き屋根↑

境内は、鎌倉の寺社によく見られるあまり手を入れない山寺の風情でなかなか良い。

そして極楽寺エリアは、キョンキョンと中井貴一が出演したTVドラマ「最後から2番目の恋」の舞台になった所。私は中井貴一の弟役だった坂口憲二のファンだったから、大好きなドラマだった。そして、鎌倉に対する恋が芽生えた時でもあったかな。でもドラマの中ではかなり長谷エリアがミックスされていて、現実の極楽寺エリアとはかなり違います。

↑長谷と極楽寺の間にあるトンネルをくぐる江ノ電。

我が家のそばを流れる滑川(なめりがわ)には、鷺や鴨がいる。ある日、川面を見ながら海岸橋を歩いて渡っていたら、川辺の家の人がパンをちぎってカモに与えている様子だった。目を上げてその家を見たら、茂みのてっぺんで憩っているカモが一羽いるじゃん!なんか常連さんのようでした。半ペット、のどかだな〜

↓アップしてみた。

7月は、二女と私の誕生月。二人の合同バースデー・ランチに、鎌倉で予約が取れないフレンチ・レストラン、サラマンジェ・ド・ヨシノに7月末に伺い、バースデーを祝った。

市役所近くにある隠れ家のような一軒家の横を歩くたびに、肉をローストしているすごくいい匂いがいつも漂っていて、溜息(唾液?)が出るのだった。念願かなって予約が取れたある日。

地産地消、野菜は鎌倉や三浦半島産のもの、魚介類は佐島漁港(横須賀市)のものを使っている。

すっごいボリュームだよ、と友人に聞いてはいたが、ここまでとは思わなかった。一品の量が、標準的なフレンチの2〜3倍はあった。最後は、食べきれなくてフレンチでドギーバッグに入れてもらう、という初体験だったが、とっても美味しかった!

残念ながらアルコールを提供してもらえない期間だったが、ノンアルコールのワインやカクテルも充実していたのは◎。でも、ワインが飲めていたらもう少し食も進んだかも〜、とも思った。

アルコール抜きは酒好きの私にはきつい!だから、今はほとんど外食していません。。

違う日、私のバースデー・ランチに友人が葉山に連れて行ってくれ、ランチの後、逗子の披露山(ひろうやま)をドライブした。ここは高級別荘&住宅地で、ユーミンも別荘を持っていたそう。小山の頂上には猿と鳥のいる小さな動物園もあり、展望台も。そこに、双眼鏡や望遠レンズカメラを覗いている怪しげな中年男性たちがちらほら。聞いてみたら、オリンピックのセーリング競技を観戦していたのでした。

どれがどこの国のヨットなんだか全く見えないけれど、観戦できて何となくラッキー!って感じだった。(写真左奥が葉山↓)

鎌倉の夏は、湿気もすごい。わざわざクーラーの効いていない階段で寝ては、へばっているガブロ。

そして、昨年は初鎌倉で人生、じゃなくて犬生初の熱中症になって点滴を受けたマックスも、今年は室温調節バッチリで、ニッコリです。

では皆さん、残り少ない夏を、引き続き健康にお過ごしくださいね!

 


大磯、茅ヶ崎散策、そして江ノ島の魚料理

2021-05-30 | 鎌倉便り

2021年5/26の皆既月食。曇り空の中、犬の散歩中に材木座海岸に昇ってきたスーパームーン↑。天候が悪く、関東ではほとんど見えなかったのにラッキーだった。

そして数時間後、由比ヶ浜海岸を散歩中の友人が送ってくれた写真↓。

関東では梅雨入りはまだだが、悪名高い鎌倉の湿気の季節はもうやってきている。そして街のシンボルともいえる紫陽花の花も咲き始めた。美しい紫陽花の写真は次回のお楽しみとして、今回の非常事態宣言並びにマンボウ(蔓延防止措置)が発令される直前、薔薇が咲き誇っていた時期に近隣に遊びに行った話題を少し。

(吉田茂邸のバラ園↑  2021年4月末日)

還暦を迎える友人の誕生日のお祝いに大磯プリンスホテルまでランチをしに行った。大磯は、鎌倉から湘南の海岸線を西に走り、江ノ島のある藤沢市、茅ヶ崎市を越えた所。湘南の境界線はなかなか曖昧で、相模湾沿岸のことだが、そのエリアは昔よりも広がっているそうだ。「〇〇は湘南じゃないよ」と時々嫌そうに地元民が言うのを耳にする。「関西人を一緒くたにしないで〜」と神戸や大阪、京都の人間が思うようなものだろう。

大磯には明治時代、伊藤博文など歴代8人の総理大臣が別荘や住居を構えていたことから、「政界の奥座敷」呼ばれていたそうだ。

ランチ前に吉田茂邸↑を散策。2009年に放火全焼した母屋などは復元したものだが、小山一つほどの広大な敷地には日本庭園や薔薇園がある。晩年の吉田茂は、富士山と海を愛でながら、たくさんの愛犬に囲まれたこのお屋敷で最後まで政界のドンとして過ごしていたようだ。

↑二階の部屋からは相模湾と富士山の美しい眺望。吉田茂お気に入りの景色だったそう。

 

実は昨年神戸から引っ越してきて早々、大磯プリンスホテルにスパ&ランチ・プランがあると知り、娘と行く計画を立てていた。ところが、第一回非常事態宣言のあおりで宿泊客以外は使用できなくなってしまったので、今回は念願の初大磯プリンスホテルだった。

長野県出身の還暦バースデーガールの友人が言うには、80年代は芸能人の水泳大会といえば大磯プリンスホテルのロングビーチからのテレビ中継で、地方の人間にとっては憧れのホテル、ってイメージだったそうだ。当時ニューヨークに住んでいた私は、そんなこととは露知らず、てっきり「ロングビーチ」は砂浜だと思っていた。どっこい、複合プールエリアの名前だった。

自粛ムードで閑散としたダイニングルーム、セミビュッフェのデザートはイチゴづくし。おしゃべりに夢中になって、メインの写真は撮り忘れてた〜

後日、この友人と茅ヶ崎散策をした。茅ヶ崎は、防砂のために作られた広大な松林の海岸線で知られている↑。鎌倉と神戸を往復する時に車でこの海の見えない海岸線の国道を走ったことはあるが、ゆっくりと街を散策するのは初めてだった。

デビュー当時からサザンオールスターズのファンだった私にとって、彼らの歌の中に登場する茅ヶ崎や江ノ島、鎌倉の地名は、いつの間にか妄想の中で「素敵な場所」になっていたところが多分にある。鎌倉の建長寺を散策していた時に、正門横にある鎌倉学園が茅ヶ崎出身の桑田くん(私の中ではずっと「くん」)の出身校だよ、と連れに教えられて、えっ、こんな仏教系の高校に通ってたの??と変な驚きがあった。

明治時代から有名人の別荘や保養所があった茅ヶ崎の海水浴場は、土地柄古くから開かれていたそうだが、サザンにあやかって名称を1999年に「サザンビーチちがさき」と改名して以来、観光客が押し寄せるようになったそうだ。

黒砂で有名な海岸で、この日も強風の中黒砂が舞い、歩行がとても困難だった。我が家の前にある材木座海岸の比じゃなかった。写真右奥が、サザンの歌に出てきて一躍有名になった烏帽子岩↓。

この日は雲がかかって裾野しか見えなかったが、右に富士山が見える↓。

そして、私の好きなサザンの歌に「ラチエン通りのシスター」というのがあるのだが、本当にラチエン通りがあったので感激してしまった。開高健記念館(生前住んでいた家)に行く道すがら、偶然抜け出たのがラチエン通り。ラチエンは、昔この通り沿いに別荘を建てたドイツの貿易商の名前だそうだ。桑田くんの中学時代の初恋の相手がこの通り近くに住んでいたのだとか。

湘南の海沿いに建つ住宅街はたいがいマリンスポーツを趣味とする家主の意向が反映されてサーフボードやカヤック置き場があり、外付けシャワーがついていて、海と空、太陽に向かって開放的な洋風木造建築が多い。鎌倉より西に行けば行くほど、土地の値段も安いのだろう、鎌倉よりもずっと大きな家が多く近代的な大きな学校や図書館、体育館等充実した文教施設が整い、多分子育てするにはとても良いのかな、と思った。

人さまの家だけでなく庭を見ながら歩くのも、湘南散策の楽しみだ。こちらの庭は薔薇が一杯で素敵!手入れが大変なのに凄い。

さて、最後は江ノ電の線路沿い、江ノ島駅前にある美味しい魚料理専門居酒屋の話。カウンター8席しかない「吉良(きら)の店」はいつも満席。何ヶ月も前から調整して、友人6人で貸し切ることがやっとできた。

店主の吉良さんは江ノ島の片瀬漁港(片瀬川も、サザンの歌に出てくるから昔から私は知ってたんだよね)でも魚を捌いている。友人のM子の家のすぐそばにある吉良の店がとっても美味しいことは引っ越してすぐから彼女に聞いていたのに、ずっと行けずじまいだった。たまたま今お世話になっている逗子の整骨院のドクター(サーファー兼釣り人でもある)も大好きな店で、共通の仲間たちと行く計画を経てたのはなんと昨年末のこと!やっとこさのみんなの意気込みは凄いものだった。

↑先付けの子揚げは黒ムツ。

↑この日の刺身は黒鯛、太刀魚、ハマチ、メジマグロ、青あじ、ヒラメの昆布締め。

↑初めて目にし、食べた「ながらみの塩茹で」。生息地は房総半島から九州南部らしいが、関西では食べないよね??

私が知らなかっただけなのかな〜 爪楊枝でほじって、お酒のつまみにいい。

↑自家製白子の燻製三種。黒鯛、太刀魚、そして何だっけな〜 一緒に行った連中に聞いても、誰も覚えてなかった。みんな酔っ払ってたからな。

ちなみにこの日は、江ノ島のある藤沢市はまだマンボウ都市に入っていなかったので、お酒は飲めたのでした。今は藤沢市も終日アルコール提供禁止になっている。。

↑↓ハコフグの味噌焼き。グチャグチャ混ぜ合わせて食べる。もちろんこれも私には初めての味。

釣り人には嫌われ捨てられるというハコフグも、ここでは美味しく調理してくれる。酒飲みが大好きな味!

↓地魚唐揚げと揚げ餅の煮おろし

そして本日の地魚3−4種類の「なめろう」↑。とっても美味でした。でももうこの前後から何の魚なんだか覚えていなくて。。

途中野菜料理や締めのご飯類も注文したものの、酒飲みのメンバーは酒のあてばかりを注文してしまい、結局、焼き物や煮物に行き着く前にお腹一杯で終わってしまった、というお粗末さまだった。

次回は是非続きを食べに行きたい、と思っているけど、このコロナ規制の延長・延長、一体いつまで続くんだか。この生活、いい加減飽きてきたよね。。

皆様、くれぐれもご自愛くださいね。


MANNA

2021-05-02 | 鎌倉便り

鎌倉に引っ越してきて1年が過ぎた。第一回非常事態宣言下だったので、どこもかも、寺社までが閉まっていた。散策ばかりしていた昨年のGW、まさか今年も同じ状況で過ごすなんて夢にも思わなかった。

コロナ感染者がアメリカで急増し始めた昨年2月、故郷のシアトルに長女が引っ越すのに合わせて私もシアトルとセドナに飛ぶ飛行機を購入済みだったのだが、行っても帰って来れなくなりそうで泣く泣く旅行をキャンセルした。チケット代は返ってこなかった〜 でもま、1年後には海外旅行にまた行けるようになっているだろうな、なんて思っていたのに、まだ見通しもつかないなんて。。。

そして今年のGWも、行き場のない観光客と車で鎌倉は大混雑している。毎日のように関西の友達が、「今日も混み混みの鎌倉が、小町通が、江ノ島がTVのニュースで映っていたよ!」と教えてくれる。そう、本当に大変な人出です。蔓延防止措置で飲食店は時短、終日アルコール提供禁止なのに、みんなどこ行くの〜?(厄介に思うのは酒飲みの私だけか?:笑)

次回は食べ物の話を書きます!と約束をしたのに、たいして外食にも行けずネタ不足。でも一番最初に紹介するのは、鎌倉で私が一番好きなレストラン「MANNAマンナ」とずっと決めていた。由比ヶ浜にあるこのお店には数ヶ月に一度はお邪魔しているので、今回は撮りだめていた写真を一挙公開します。

昨年の1月に家探しで鎌倉に来た時に友人が連れて行ってくれ、メニューの多さ、それが何もかもが美味しい、センスの良さ、そして極め付けは女性オーナーシェフが全く一人でオープンキッチンに立って調理をしている、ということに衝撃を受け、惚れ込んだレストラン。

イタリアに行ったこともないオーナーシェフの原さんが作るイタリア料理の数々。前菜は30種類近く、デザートだけでも25種類は下らないこの驚異のメニューをご覧あれ。

メニューはその時々の食材の入荷で毎日少しずつ変化するので、全部を制覇することなんてあり得ないんじゃないかと思う。原さんの料理はとても太っ腹で、二人分は十分ある大盛りなのだが、彼女のこだわりは「中華じゃないんだから絶対に大皿から分け合って食べて欲しくない」ってことで、頼めばキッチンで一人分ずつ取り分けてからサーブしてくれる。それも本当は嫌なんだだそうだけど(笑)。

そして、オーダーし過ぎたり、彼女の意向に合わないオーダー構成だったりすると怒られ、訂正される。最初の頃はそれが怖くてビクビクしながらオーダーしていたのだが、何度も怒られ修羅場を乗り越え、今ではリラックスして(あうんの呼吸ではまだないが)オーダーできるようになった。とにかく、美味しいものを美味しく食べてほしい、食べ過ぎもダメ、っていう確固たるスタンスには、原さんの料理とお客さんに対する愛情を感じる。

では、先月4月中旬にお邪魔した時の写真から。

↓少しスモークした鰯のサラダ

↓旬の白アスパラのバターソースがけ、そして毎回注文するソーセージのグリル

↓タリアッテレ木の子のクリーム

↓仔羊のロースト

↓苺のケーキ

一人で作っているのでもちろん時間はかかるのだが、ここに来るお客さんはそんなこと百も承知のお得意さんばかり。東京や遠方の街から、中にはマンナに惚れて定年退職後に近くに引っ越してきたご夫婦までいるとか。みんなゆっくりと美味しい料理とワイン、原さんとのおしゃべりを愉しんでいる。私も、偶然とはいえ歩いて10分の所に住めている幸せをこの店に来るたびに感じている。

以下は、今まで食べた料理の中からいくつか。

↓パテやリエットもとても美味しい。

↓ポロネギのグラタン

↓短期間しか手に入らない、長野の香り高い舞茸を使った最高に美味しいパスタ。いつも食べれないのがとても残念。。

↓カジキマグロのオーブン焼き

↓苺のアスピック(煮凝り)

↓桃とルバーブのコンポート

焼きたてのケーキ類の数には圧倒される。毎回どれを食べようかとものすごく迷うのだけど、嬉しいことに焼き菓子はテイクアウトもさせてもらえるから、お土産にはまた違うものを選んで帰る。

前菜とパスタの両方を選べるお得なランチセットもあるのだけど、ついついプラスでアラカルトをもう一品、そしてデザートをつけて、と欲張ってしまうので困ったものだ。ちっともお得にならないよ・・・

看板もなく、短いエントランス路を進んだ先にあるモダンな建物の1階にあるマンナ。

隠れ家レストランのドアをいつもワクワクしながら開けるのも、鎌倉生活の大きな楽しみの一つになっている。マンナに感謝!


天変地異が続いた2月

2021-03-03 | 鎌倉便り

新ブログを開設しようと思いましたが、「料理教室で習った料理を再現する時に、今でもバックナンバーの写真やテキストを見てるから閉鎖しないで欲しい!」というご意見を多くの方からいただきました。そこで、普段全く自分のブログを読み返さない私も今回少し読み返してみたところ、忘れていた出来事がたくさんあって、へ〜そうだったっけ、なるほど〜と、この12年の軌跡がとても懐かしく、キッチン・マーレのブログが愛しくなってしまいました。

考えた末、新ブログ開設は取りやめ、今までのタイトルからキッチンを取り除いて、CIAO dal MARE チャオ・ダル・マーレ (伊語で『海辺からこんにちは』)とし、カテゴリーに「鎌倉便り」を追加して書き進めることに決めました。

神戸、明石、NY、シアトル、そして鎌倉、どの街でも海のそばで暮らしてきた私と'MARE'(伊語で「海」)とは切っても切れない関係なので、この言葉はキープしようと思います。では皆さん、これからも私の気ままなフォト・エッセイにお付き合い、ご愛読のほどよろしくお願い致します!

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あっという間に3月。やっと春らしくなってきた。

初めての鎌倉の冬はどうだったか?この辺りはあまり雪は降らない代わりに、冷たい強い風が本当によく吹く。もちろん朝夕はとても寒いのだが、面白いぐらいに毎日定時、午後3時を回ると気温がグッと下がるから、分かりやすい。

空気が澄んだ冬の夕日は真っ赤に輝き、富士山もよく見える。息を呑むほど美しいサンセットを拝めることを日々感謝。。ジモティーたちが口を揃えて、「冬の鎌倉が一番好き」という意味がやっと分かった。

材木座海岸からちょこっと見える富士山↓

2月は寒暖差が激しかっただけでなく、天変地異が起こりまくった月だった。

鎌倉に引っ越してきて、噂通りの関東の地震の多さに最初はびっくりした。が、慣れとは恐いもので、最近では小さな揺れには動じなくなってしまっている。でも2/13の夜、寝入りばなに襲った地震はとても長い揺れで、隣の家の犬は吠えまくり。我が家の犬2匹も怖がっていたので、仕方なく2階の寝室を解禁して一緒に寝た。東日本大震災からもう10年になるというのに、震度6の余震がいまだに起こるなんて、自然の脅威を感じた夜だった。

地震の2日後には、大雨、強風、波浪、洪水警報が出た。外出中に滝のような最高レベルの豪雨なってしまい、マンホールは溢れる雨水で蓋が外れんばかり。長靴と防水ジャケットを着ていたのだが、雨水がズボンの太腿に叩きつけられ、ぐっしょり。それが滴り落ちて靴下の先まで濡れる、という人生初のズブズブの濡れ鼠になって帰宅。

それが、なんで?ってぐらい急に雨が上がり太陽が出てきて、ちょっと私怒るよ、って思った。すると今度は空は晴れたまま、風がどんどんと強くなってきた。この強風が3日間続いたのだが、砂漠のような海岸からは、猛烈な勢いで砂が舞い上がる。

砂嵐の中では犬の散歩もままならず、外に出た途端彼らは嫌だ〜!と尻込みするから、海岸から離れた住宅街を歩く。

マスクのおかげで鼻と口、そして目は私はメガネをかけているから安全だが、耳の中、頭のてっぺんから靴の中まで砂だらけになってしまう。もちろん、家の中も窓やドアの隙間から黒い砂が入るは入る。そしてこの後サッシの掃除を怠ると、レールに砂が詰まって窓が開かなくなるのだ。

やっと風が止んだ後に見た海岸は、すっかり様相を変えていてビックリした。家の前にある材木座海岸には海岸沿いを走る国道134号線の下に6つのトンネルがあり、階段を降り、トンネルをくぐって海岸に出る。その先には防砂フェンスがあるのだが、それを超えてここまで↓砂が積もっていた。普段はトンネルの先は広い海岸と海が開けているのに、この積もった土の上にある濃い青い線が海!砂山は高さ3mぐらいにもなっていた。凄いな〜!

↓砂山を這い登って海岸へ。

↓この駐輪場には普段は全く砂がないのに、この有様。

↓そして、砂移動のためのシャベルカーが数日間海岸を走り回っていた。

家の前の道路にも砂が積もり、ご近所さんが交代で砂を掃き集め、バケツや袋に入れて海岸まで人力で捨てに行っていた。ご苦労様。。この砂嵐の掃除が嫌だから歳取ったら引っ越していく人が多いんだよ、と聞いた。

美しい自然に包まれ、愛でることができる幸せの裏には、自然との厳しい共存という永遠のテーマがあるんだな、と鎌倉に住み始めて少しずつ分かってきた今日この頃だ。昨夏は、丸一晩雷雨が続いた日があった。ものすごく近くで大音響の雷が鳴り続け、時々落ちたのが分かる超リアルライブで、自然に対する恐怖心と畏敬の念が入り混じる体験だった。

砂嵐がおさまった朝はとても気持ち良くて、海岸線を歩いて稲村ヶ崎温泉に行くことにした。

↑左の材木座海岸と右の由比ヶ浜の間には、滑り川(ぬめり川)が流れている。河口は毎日蛇行の具合が変わって形が変わるので、それも面白い。この川には、毎年夏の海水浴場の期間限定で橋がかかるそうだ。残念ながら昨夏はコロナで私はまだ見たことない。今年はかかればいいな。

そうそう、神戸で車を処分して今は no car life。塩害ですぐに車は錆びるし、今のところ歩いてどこにでも行ける立地なんで。でも犬が増えたからもうじきいるかな〜。ま、獣医さんまでは徒歩6分ほどだからとりあえずなんとかサバイブしている。

↑稲村ヶ崎は海に突き出た岬で、潮の流れが激しく、難度の高いサーフィンスポットだそう。この稲村ヶ崎公園の前の海で伝説の「イナムラガサキ・サーフィンクラシック」が開催される。ポスターが刷られ街中に貼り巡らされても、ほぼ毎年天候不順でキャンセルになるそうだ。伝説というのは、幻の、ってことか。「今年は開催されるのかな〜??」がジモティーたちの合言葉のようだ。

鎌倉を舞台にした映画 『海街ダイアリー』は吉田秋生の漫画が原作だが、そのプロローグといえる彼女の作品『ラヴァーズ・キッス』(胸キュン青春物語)のハンサム主人公、訳あり高校生の「ともあき」が入水自殺を試みるのがこの稲村ヶ崎。実際この潮の中では死体はまず見つからないそうで、昔は自殺の名所でもあったみたい。

鎌倉の家を探す手伝いをしてくれた江ノ島在住の友人M子が漫画大好き少女?で、ここに住むならこの漫画を全部読みな、と引っ越してきてすぐに全巻貸してくれた。サザン大好きの私は、桑田さんの歌の中の稲村ヶ崎しか知らなかったのだけど、今ではここの波を見ると恐いな〜と身がすくむ。同じサーファーでも、稲村ヶ崎やこの先の七里ヶ浜の海に入る連中は真剣サーファー、材木座は中年のまったりサーファーだ、ということも知った。

稲村ヶ崎の岬の先は七里ヶ浜、そしてその向こうに見える灯台のある島が江ノ島。その右奥には富士山が見える。↑この日は雲に隠れ気味の富士山だったので、12月に同じスポットから撮った富士山もご覧ください↓

この公園沿いの県道を渡ったところに稲村ヶ崎温泉がある。とても小さな温泉で料金も1500円と高いのだけど、湯船から富士山も見え、私は観光客をあまり相手にしていないこのオフ感が好き(相手にしているのならゴメンなさい!)。泡風呂どころか、休憩所もマッサージチェアも何にもない、っていうのもなかなかだよね。

泉質は、殺菌効果の高い松の有機質成分を含む「モール泉」と呼ばれるもので、太古の時代この辺りは松林が広がっていたものが源泉となっているとか。ねっとりと肌にまとわりつく褐色の「黄金の湯」がとても気持ちが良い。

レストランの食事もたいしたことないのだけど(またまた、すみません!)、景色が良い。↓左に公園、右に江ノ島と富士山が見えるというわけで、湯上りに鎌倉ビールかギネスを飲みながらゆっくりと景色を堪能し、帰りは江ノ電に乗って稲村ヶ崎雨→極楽寺→長谷→由比ヶ浜→そして和田塚で下車して家まで10分歩いて帰る。

12月のある午後。突然の雪予報。でも雪ではなくひょうが降ってきた❄️ちょうどその時、由比ヶ浜を散歩していた友人が写メを撮って送ってくれた↓。なんて幻想的で美しいんだろ!この時も私は、稲村ヶ崎温泉に入っていた・・かな

2月下旬の連休中は、20℃を超える暑い日が数日続いた。緊急事態宣言発令中とは思えない観光客が押し寄せ、小町通りや由比ヶ浜へ向かう若宮大路は人通りが多く、道路は大渋滞。絶対数が少ない飲食店は、どこも一杯。暖かくなってきて、最近の土日はいつも旧市街は混んでいる。

そして、今夕のお散歩模様↑↓ 。

このトンネルの先には防砂フェンスが二つもあった。

階段を降りて海岸に出るトンネルは、こんな感じ↓。  

コロナ自粛で行くところもなく、今回は海岸沿いの話ばかりになってしまった〜

なんだかブラタモリみたいだな・・笑(大好きな番組!)

次回は頑張って食べ物の話でもしま〜す!