アリゾナ州のセドナに友人が引っ越した。州北東部には広大にナバホ?インディアン居留地が広かっているのだが、そこで開かれるナバホ?ラグのオークションに行ってみたいから一緒にドライブ旅行しない?って誘われ、ホイホイと行ってきた。
セドナは安室奈美恵とロンブーのあつしがお忍び旅行に行って以来パワースポットとして日本でも有名になったが、赤土の岩山の美しさは圧巻、感激ものだ。写真じゃ全くその雄大さと美しさが伝わらないのだけど、まあご覧ください。
↑上はサンダーマウンテン、ディズニーランドの有名ジェットコースターはこの山がモデルなんだって。
Vortexヴォルテックスとは大地から放出される巨大エネルギーの渦巻きのこと。アメリカン?インディアンの聖地だったセドナには四大ヴォルテックス(岩山)があり、自己責任で上まで登ることができる。転落死した人も、下りれなくなってヘリコプターで救助された人もいるそうな。6月は1年で一番暑いらしく、朝8時を過ぎると気温は40℃近くになるので岩登りは早朝にしかできなかった。岩山の上で寝っころがっていると、小さいことなんかどうでもいいやって思えてくる。ヴォルテックスの真上に生えている木は、このように枝が大きく渦巻いている↑。
岩山に建てられた教会、chapel of holy cross 。ここはヴォルテックスではないが、感じる人はものすごいエネルギーを感じるそうだ。
ここからの展望も最高。セレブの別荘も丸見え。
↓街の中心地をセドナではダウンタウンではなく、アップタウンと呼ぶ。レストランではエアコン代わりに冷たい霧の水が吹く。
Navajo Nation ナバホ居留地(ナバホ国)はアリゾナ州北東部とユタ州、ニューメキシコ州にまたがった広大なエリアで、ニューメキシコとの州境にその首都、Window Rockウィンドー?ロックがある。そこに宿を取り、セドナから車で4時間砂漠を走り抜けた。延々と続くこのような荒野の景色↓。最初はワクワクしたが、退屈を通り越してそのうちに焦燥感。一人だったら耐えられないドライブだ。
ガソリンスタンドが唯一村で賑わってる所、というようなホピ族の居留地を通り抜け、ナバホ国の旗(左端)がはためくウィンドー?ロックに到着。セドナよりも気温は低いが、砂漠の乾燥した風がきつい。街の名前の由来になったのはこの窓岩、window rock。
ちょっと近場を回るだけでも毎日3~400キロ走った。アリゾナといえば北部のグランド?キャニオンが有名だが、他にもたくさんキャニオン、渓谷がある。数千年前の先住民族の住居跡や壁画が残っている Canyon de Chelly キャニオン?デ?シェイの中をインディアンのガイドと一緒にジープで回った。電気も水道も通っていないこの峡谷の中に土地を持つインディアンの中には、好んで家を建てて現在も住んでいる人もいる。
ホテルから50メートルほど東がもうニューメキシコ州。Gallupギャラップという街はホピ、ズーニー、ナバホなどの部族が宝石やクラフトを持ち寄った交易の街だったそうで、trading post という商店が今でもたくさん並んでいる。trading postは質屋の役目もあり、質流れの宝石も多く並ぶ。
こちらは普通の商店↓。カウボーイ?グッズだらけ。
シカゴからサンタモニカを結んだ幹線道路、ルート66が走っていた街ギャラップには、西部劇のロケ中にジョン?ウェイン、キャサリン?ヘップバーン、カーク?ダグラスなど多くの往年の映画俳優やクルーが滞在したEl Rancho Hotel エル?ランチョ?ホテルがある。古き良き時代のホテルのロビーは昔のまま。インディアンの装飾物であふれていてとても美しい。婦人トイレの横の壁は俳優達のプロマイド。
ウィンドー?ロックで泊まったホテル↓。
その隣のショッピングセンターの駐車場では毎日フリーマーケット、車のトランクで店を開くいわゆる boots sale ブーツセールをやっていた。といっても場内はスカスカ。風が強い日は出店数がますます減少。古着や日用品が多い中、ハンドメイドのアクセサリーを売る店の商品は、ギフトショップにはない個性的な品々ばかりで目移りする。アリゾナはトルコ石で有名。↓たくさん買わせてもらったこのインディアンのおじちゃんは、K-pop の Big Bangが大好きなんだって。こんな所でそんな名前を聞くなんてビックリ!
ナバホ?ラグ?オークションを目指して150キロ走るはずが目印がなんにもない道、迷ってプラス100キロのロス。疲れたな~。地元の小学校の体育館で月に一度開催されるオークションには、周辺のインディアン女性達が織ったラグを持ち込んでくる(↓後ろに並んでいる人達)。そして買うのはギャラリーを経営しているような白人達。アジア人なんてまず来ないんだろうな。とても珍しがられた。オークション前には作品を手に取って吟味できる。
今回の旅で美味しいものを食べるウェイトはゼロに近かった。アメリカの荒野でグルメなものにありつけるわけもなく、はなっから期待していなかった。そしてその通り、ハンバーガーとメキシコ料理の毎日だった。でもナバホ居留地でのホテルの朝食では食べたことないものをトライできたけれど。
↑右は fry breadフライ?ブレッド。中が空洞の揚げパン。これにハチミツや砂糖をかけて食べる。ラグ?オークション会場の外の屋台では、これにフランクフルトをはさんだホットドッグならぬ piggy in a blanket(毛布に入った豚ちゃん)を食べた。
↓ブルー?コーンのパンケーキ。これは美味しかった。トウモロコシや小麦粉が主食のインディアンの人々は、粉物を家でたくさん消費するのだろう、スーパーでは他のアメリカでは見たことのない形、でっかい布袋に入れられた小麦粉が並んでいた。
↓メキシコ料理のクレープのような皮、トルティーヤもここではものすごく分厚いものになっていた。それにハム、グリーン?チリ、パプリカを混ぜ入れて焼いたスクランブルエッグがはさんである。
↓オートミールと同様にコーンミールにも牛乳や砂糖をかけて食べる。
↑ウィンドー?ロックの地元のハンバーガー店。こんなに毎日粗食だったのになんでやせなかったんだろ。夕食は何食べてたっけ?ほとんどコーンチップスとサルサだったような気がする。要するに炭水化物の食べ過ぎと車の乗り過ぎってことか。
毎夕こんな景色を見ながら↓、夕食のことよりも無事にホテルに戻れるようひたすらドライブしていた。
↓こちらはセドナで食べたハンバーガー。ピクルスかと思ったら、グリーン?チリの細切りフライだった。初めて食べる味。
セドナではEl Portal という12部屋しかない古いホテルにも朝食を食べに行ったっけ。ここは米国の小さなホテル部門で賞をもらっているだけあって、雰囲気もよく、味も良かった。フレンチトーストと、メキシカンが漂うオムレツ。
↓セドナに戻る途中の砂漠の砂嵐。給油のために車外に出るのに勇気がいった。
そしてセドナ最後のサンセット。なんて緑の多い街かと、帰って来て感動した。人間って勝手なもんだね。
灼熱の太陽と乾燥した砂漠の風でお肌はボロボロ。帰国して、日本の程よい湿気がなんて嬉しかったことか。ナイトクリームを分厚く塗り、蒸しタオルで顔を押さえるといいよ!というUちゃんのアドバイスに従ってしばらく養生。なんとか元に戻った。
アメリカはでっかい!を痛感した旅。今までの旅とは趣が違って実に面白かった。ただ、砂漠とキャニオンは当分いいかな。