フォートナム&メイソンFortnum & Mason を紅茶専門店だと思っている日本人が多い。でも実は各種食料品、キッチン/ダイニング用品、香水、男性専科と、扱っている商品は少ないが列記とした百貨店なのだ。バッキンガム宮殿の執事だったフォートナム氏とメイソン氏が、引退した後、1707年に食料雑貨店として創業、王室御用達の店としては老舗中の老舗だ。
ピカデリーにある店はショー・ウィンドウだけでなく建物のデコレーションも数か月おきに変わり、毎回楽しませてくれる。ドアマンや男性専科の階の店員などは燕尾服を着ていて、入口の一つには背広にネクタイ姿のジェントルマンな靴磨きがいたりする。
店内のデコレーションも本当に奇麗で、いつも目の保養をさせてもらっている。小さな店だがレストランやアイスクリーム・パーラーなど5店もあり、お腹の空き具合と時間帯で色々と選べる。もちろんここのアフタヌーン・ティーは週末は予約がなくては入れない。
一階は主力の紅茶やジャム、ビスケット、デザート類。でもコーヒーももちろん売っている。地階には肉、魚コーナーもあり、高そうに見えるけれど意外とそれほどでもない。ソーセージを二本買って、2ポンド(約300円)もしなくて申し訳なかったこともある。そしてこれが美味しかったんだ。試食や試飲もよくしていて、先日はシャンパンを何種類も味見させてもらった。父の日に合わせたとかで、前回はサントリーの日本人営業マンが山崎ウィスキーを売っていたから、ついつい世間話をしてしまった。山崎は高級ウィスキーとして、スコッチの国でも評判良いそうだ。
スモーク・サーモンがアートに見える。種類も色々あり、左の鮮やかな赤色のものはビーツで着色している。左にあるのはウナギのスモーク。
イギリスには、新築の建物や家はあんまりない。ほとんどの建物や家は築数百年、内部を改装に改装を重ねて使っている。中には老朽化してカビ臭くて勘弁してよ、っていうものもあったりするが、時代の重みをものともせずに古ぼけてしまっていない、現代に通じる美しいものがたくさんある。フォートナム&メイソンのこの階段もその一つだ。
足場を組んだ工事中の建物を市内ではどんなによく目にすることか。天候のよい今の季節は特に多くて、銀座のような目抜き通りでもこの通り。でもこっちじゃ、これもアートにしちゃうんだな。
そしてまた、古い倉庫群を取り壊してビルを新築する建築ラッシュでもあるロンドン。犬も歩けば足場かクレーンにあたる、ってぐらいに多い。
ロンドンタクシーが黒色だったのは昔のこと?今じゃ側面の広告だけでなく、車体全部がキャンパスになっている可愛いタクシーがたくさん走っている。国が衰退してもアートは健在なイギリス。そして特にロンドンは、とっても目を楽しませてくれる。ここじゃ、シャネルのタクシーもあり、だよ。