インドから一時帰国している神戸生まれのインド人の知り合いが、インドより暑い!とウンザリしていた今年の夏も、ようやく暑さの峠は過ぎたようす。先週の日曜日、気温37℃の京都に行った。この日以来気温は下がりはじめたから、たぶんこの夏最後の猛暑日だったと思う。地面からもあ〜と立ち上る熱気は凄かった。日曜だというのにそれほど混雑していなかったのは、海やショッピングモールをみんなは選んだからかな?お祭りでもないのに浴衣姿の人がやたらと目についた。タクシーの運転手さんが「浴衣の人多いでしょ。あれ全部中国人や韓国人の観光客ですよ」そうか。レンタル浴衣を着た外国人が京都を占拠していたのか。
八坂神社鳥居内にある料理屋中村楼の敷地内に、ランベリーL'Embellierというフレンチレストランが昨年できたそうで、バースデーランチを義姉が予約してくれた。↑写真の南門を出てすぐ左に、室町期創業、480年の歴史をもつ老舗中村楼がある。写真奥は鳥居だから、まさに住所通り「鳥居内」。
↓門をくぐって正面の建物が料亭。その左にある建物に入り迷路のような廊下を通っていくと、一番奥にランベリーがある。東京に本店があるそうだが、京都店もオープン半年でミシュラン1つ星を獲得した実力派のようで、ワクワク。
まずはアミューズとして有明海の海苔とコンテチーズのガレット↑と、稚鮎のフリット↓が登場。稚鮎は演出で使われた草花の中で溺れてるみたいでちょっとさびしい存在だったが、味は抜群。添えられた蓼酢とアボカドのディップがこれまたとても美味しかったのでパンにつけて食べたいから、と引かないで置いといてもらった。
↓海の幸と夏野菜の入った冷た〜いスイカのガスパチョは絶品で感激した。トマトのガズパチョよりはずっと甘いのだが、嫌味のない甘さ。そして海老や鱧が冷製ではなく、ちゃんと炙って熱い状態で載せてあったからとても柔らかく、その旨味を十分に味わえた。
↓淡路島産スズキのロティは雲丹のソースと。そして大麦と塩レモンのリゾットが下に。
’若様’と呼ばれる田舎鶏の炭火焼き。薄くスライスしたマッシュルームに、赤紫蘇のチュイールが上にのっているからチキンは見えないけれど、水茄子と青豆類のマリネが添えられて。ソースはクミンとコリアンダーの香るモロッコ風?
ここまでの料理を、ソムリエお任せの3種類のワイン、アルザスのピノ・グリ、ブルゴーニュのシャルドネ、ローヌのシラーと共にいただいた。シラーはも一つだったが、ピノ・グリとシャルドネは美味しくて大満足。
↓デザートは、3種の調理法のアメリカンチェリーをクレームブリュレとフランポワーズのソルベに合わせたもの。
↓そしてコーヒーと出てきた小菓子は、石庭を模してるのかな〜。左からフィナンシェ、和三盆のクグロフ、抹茶のわらび餅。
最後に口直しとして、↓紅芋の酢を蜂蜜と水で割った綺麗なピンク色のビネガードリンクと、小さなクッキーの入ったお土産まで登場。
サービスも味も文句なく、久しぶりに目にも舌にも美味しいフレンチ、和と洋をうまくからめた料理を食べたな〜という満足感でいっぱい。
食後は涼しくなる夕方まで美術館で過ごすことに。京都国立近代美術館の4階の窓からの眺めは、私のお気に入りの一つ。平安神宮の鳥居の向こうは、京都市美術館。
近代美術館では『北大路魯山人の美、和食の天才』というこの日の私達にぴったりの展覧会を開催していた。「器は料理の着物」と唱えた魯山人が自分の美食倶楽部のために作った陶器の数々を見、銀座久兵衛の寿司が握られて魯山人のまな板皿に載せられていく寿司カウンターの映像を天井から観る。
閉館時間まで粘った美術館を追い出されてからは、この日の目的の一つ、五条坂の陶器まつりへ。3年前に一度訪れたのだが、その時は日中の暑さでゲンナリだったので、今回はちゃんと日が沈んでから行くことにした。
清水寺下の五条通の両側、全長2キロぐらいの歩道に清水焼だけじゃなく全国の窯から作家さんが集まり、毎年この時期4日間にわたり市がたつ。若手の作家さんも多く、新人作陶家を見つけるいいチャンスでもあるね。
気がついたら午後9時をすっかりまわっていたので、大急ぎで河原町エリアに戻り、食べ物を求めて人通りの少ない木屋町の南側、高瀬川沿いの店に入った。これが当たりで、地元の人しか来ないような料理屋さんだった。ランチで1尾しか口にできなかった稚鮎のフライも山椒塩で思う存分!これで600円↓。
↓アボカドのぬか漬けなんて初めて。酒のあてにぴったりの一品。陶器まつりで目がこえたわけでもないが、素敵な器をたくさん使っていたこのお店。京都に行く楽しみが一つ増えた。
お腹も目もこえていい気分で京都をあとにしたのに、帰りの阪急電車は人身事故のために不通箇所があり、家に辿り着いたら午前1時。iphone の万歩計もビックリしただろうな〜、すごい距離を歩いていて、足にマメはできるは、疲労感は半端じゃなくてベッドに倒れこんでしまった。でも、とっても楽しい1日でした。