チャオ・ダル・マーレ  CIAO dal MARE    (旧キッチン・マーレ)

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hamburger であそぼう!

2011-09-16 | 料理教室顛末記

台風12号が去って秋らしくなったと思ったのも束の間、連日30℃を超える暑さで、料理教室メニューも一考しなきゃいけなくなった。一番のネックは、レッスン前日に買い込んだ食材をキープする場所がないこと。涼しければ野菜や果物は冷蔵庫に入れなくても大丈夫だけど、この暑さじゃ全部冷蔵庫行き。そんなスペース、うちの550Lの冷蔵庫にはないんだよな。そこで、少ない食材で火もあまり使わないメニューにしました。「ハンバーガー」と馬鹿にしてはいけませんよ~。日本人はまだハンバーガーを極めていないからね。私は別段ハンバーガーが好物ではないから子供と一緒の時以外は食べないけれど、今回は珍しいハンバーガーを2種類紹介してみんなの認識を新たにしてもらうことにしました。

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9月15日のメニュー:

  • 人参の冷スープ
  • 秋鮭のバーガー
  • ビーフ & ビール・バーガー
  • トウモロコシのサラダ
  • 梨と白ワインのゼリー

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2011_242人参の旬っていつなんだか考えてみたことありますか?コープの『ステーション』に料理コラムを持っている友人が今月号で人参料理を紹介していたので、先日会った時に「人参って秋野菜なの?」って聞いてみた。通年出回っているけれど、生産高一位の北海道では8~10月の秋人参が主流だそうです。実は彼女人参が大嫌いで、レシピを考えるのが苦痛でたまらなかった、とついでに教えてくれましたワ。知ってたら私がこのレシピあげたのにね~。めちゃくちゃ簡単なこの人参スープ、玉ねぎと野菜ブイヨンだけの完全なベジタリアン料理です。アクセントにミントの葉を散らしました。このスープ、色はきれいだし冷温どちらでも美味しいので重宝しますよ。

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2011_226_2北海道の秋鮭が出回っています。これを使ってバーガーを作ってみることにしました。英語でかまぼこ、さつま揚げといった練りものは fish cake といいます。蟹の身にパン粉や卵、色々なシーズニングを加えてハンバーグのように丸く焼いたものはcrab cake といい、シーフードレストランのメニューに必ずある一品です。蟹の代わりに缶詰サーモンや生鮭の身をたたいて同様に作ったら salmon cake 。これをバーガーのパティにしました。バジルをパティにもマヨネーズ・ソースにも加え、野菜にはアボカドとアルファアルファを使ってみました。おしゃれでヘルシーな創作バーガーの出来上がりです。

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2011_221もう1種類は、ビーフ&ビール・バーガー。あ、ビーフと詐称してたわ。日本だから合い挽きミンチを使ったのだけど、こちらはパティにもソースにもビールを加えたバーガー。もともとのレシピはエール Ale を使用しているので、今回も美味しくしようと「よなよなエール」を使いました。少々ビール談義をさせていただくと、日本でビールと呼ばれているものはピルスナーという下面発酵で醸造したもので、色も薄く、さっぱりとした清涼感溢れるスタイルのものです。エールは上面発酵したもので、複雑な香りと深いコクがあり、色は琥珀色だけれどフルーティーな味わいのあるビールです。イギリスではエールが主流ですが、日本の大手ビール会社では消費者受けしないと判断して作っていないですね。ま、和食に合うのはピルスナーだからね。

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ビール・バーガーのパティには他にフレッシュ・ローズマリーを加え、ソースにはクリームチーズ、ホワイト・チェダーチーズ、エール、ニンニクを混ぜました。で、トッピングはレタス、トマト、ピクルス、と定番でおさえて。どちらのバーガーも大人味、でも美味しいから子供もかぶりつくけどね。ところで、今回ハンバーガーを作ろうと決めてからすごく困ったのが、バンズ(ハンバーガー用のパン)を売っている店がなかったこと。日本のベーカリーではまず作っていない、ってこと初めて気づきました。結局スーパーでフジパンの袋入りしか手に入らなくて、参りました。私がハンバーガー屋をやる際には、どこかのベーカリーに作ってもらおう、と思った次第です。ハンバーガーも意外と奥が深くて遊び心をくすぐられませんでしたか?セルフで各自自分のバーガーを組み立ててもらいましたが、ちょっと楽しくなかった?

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旬のトウモロコシ。そごうの地下で北海道のリリーファームの糖度の高い生食用のものを見つけたので、期待大でこれを使うことにしました。ハンバーガーやホットドッグには色んなピクルスを細かく刻んだレリッシュ relish という付け合わせがつきます。今回もトウモロコシを使ってcorn relish を作ろうと思ったのだけれど、酢漬けにして瓶詰めにしてこそ美味しいので、すぐ食べるならサラダだな、と変更しました。赤パプリカ、紫玉ねぎ、フレッシュ・バジルを加えて彩もきれいに。正解でしたね、このトウモロコシ。甘くて粒がプチプチしていて最高に美味でした。あと数日、連休中には出荷終了らしいので、機会があれば買ってみてください。

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バーガーに定番のフライドポテトは、一度茹でたものを冷凍してから揚げるのが旨さの秘訣。外はカラッ、中はホクホクに仕上がります。なんやかんや北海道産の食材だらけだった今回のお料理、もちろんメークインも北海道産でした。

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ここ何回かデザートにゼリーが続いてしまい、すみません。暑くて火を使いたくないし、冷たくてカロリーの少ないものは?って考えるとどうしてもこうなっちゃいます。超簡単なゼリーだけど、味の決め手は白ワインと生姜汁。幸水梨がまるで違う果物にように変身しましたね。

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今夏はいつまでも暑いのと、娘が長期間帰国中というのもあって、気分はいまだに夏休みで困ったもんです。今も娘の友人、イギリス人の青年 Jordie が居候中です。二人ともロンドンから Air China に乗ってきたのだけれど、どちらもえらい目にあった話をひとつ。娘は北京での乗り換えで2時間半の待ち時間の間に関空行き便の搭乗口の一番前の席で爆睡してしまい、目が覚めたら飛行機が離陸してしまってた、という失態をした。大した度胸だけれど、「目の前で寝てたのに全然起こしてくれないなんて信じられない~!」ってのが本人の言い分。「中国ならそれはありえるね」、と私。結局彼女は空港で一夜を明かして翌日便に乗れたのだが、もっとひどい目にあったのが Jordie。ロンドンで離陸が2時間遅れたから乗り換え便に間に合わず、航空会社払いでホテルには泊まらせてもらったものの、翌日指定された便に乗るために空港に着いてものの搭乗口までの通路が閉鎖していたとかで、結局離陸15分前にゲートに辿り着いたら女性スタッフがただただ首を振って乗せてくれなかった、と悲壮感あふれるメールを送ってきた。なんの説明もなくもう一泊ホテル待機させられ、よれよれになって2日遅れでやってきた。先月ウチに居候していたAlex も北京に寄ってきたけれど、みんな口を揃えて北京の空気の汚さ(黄砂でなくスモッグ。 Alex は咳が止まらず、Jordie は鼻血が出たらしい)、料理のまずさ、中国人の不親切さに辟易していた。常識がまかり通らない中国、恐いよねぇ。何かあった時のアフターケアがないだろうからあれだけ Air China なんかで帰ってくるな、って私はアドバイスしたのに。親の意見には耳を貸しましょうね。

ところで、来週火曜日、20日の「ちちんぷいぷい」(毎日放送)に Jordie が出るらしい。数日前一人で海遊館に行く途中、梅田でテレビカメラを抱えたクルーが自分を見ているのに気づき、直感でやばいと思いつかまらないように大慌てで柱の影に隠れたそうだ。でも、地図を開いたのが間違いだった~って。お笑い芸人、ロザンが道に迷っている外人を見つけては行先を聞いて教えてあげる「道案内しよッ!」ていうコーナーに適材適所だったわけだ。良かったらイケメンJordie 見て笑ってね。

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これを書いている間に、どんどんと空が暗くなって雨が降り出しました。今晩から豪雨という予報。大雨の被害者がこれ以上出ませんように。写真は数日前、神戸港を照らす2011年の仲秋の名月です。