シラクーザで宿泊したホテルは、中心街のオルティージャから車で15分ほど走った畑が点々とある他はなんにもない所にあった。名前には spa hotel とついているイタリア人向けのリゾートホテル。英語は全く聞こえず、英語を話せるスタッフも数人だけ。
プールはあるけどスパが見当たらないからフロントで "Where is your spa?"って聞くと、"It's closed."という返事。点検か何かで今日は閉まってるってことかと思って、"When is it going to open?" "It closed in March." ハア~???つまり、ホテルの名前は偽りじゃん。名前でここを選んだ友人はかなり怒り心頭で、いつまでも「スパホテルなのにスパがない???さっさと名前変えれば!?」と毒づいていた。仕方がないからプールとマッサージで我慢することにした。
イタリアはシエスタ、昼寝があるので午後1~4時ぐらいまでは商店、銀行などほとんど全ての所が閉まる。だから朝から街に出かけると、午後からは行き場がなくなる。というわけで、朝出かけてランチ後にはホテルに戻って自分たちもシエスタする。あるいは、午前中はホテルのプールサイドでのんびりして夕方4時過ぎから深夜まで出かけるかのどっちかだ。
市場に行った日は朝が早かったから、夕食は買い込んだ食料とワインを部屋のベランダで食べることにした。レストランのウェイターに、「友人が気分が優れないので部屋で買ってきたものを食べたいからワイン開けてくれない?」とボトルを持って行くと、アイスバケツまでつけてくれた。「ついでにパンも4切れほどください」、と厚かましく言えた自分が偉いと思う。
午後9時半から結婚式があるとかで、ガーデンやプールサイドはイタリアなりのバタバタ。つまりとってものんびりやってるってこと。ラッキーにもベランダは最高の観覧席だった。サラミ、オリーブ、チーズ、ドライ&生トマト、パン、白ワインを口にしながら、なんて贅沢な時間。ゴッドファーザーの映画のワンシーンみたいだった。
↓ホテルのレストランでののんびりランチも二度ほど。
シチリアのオリーブオイルは青臭く、濃厚でクセがあるが私は大好き。パンにオリーブオイルをつけ、地元の白ワインで流し込む旨さったらたまらない。そして年配のウェイターはウィンクしながら、かなり多めにワインを注いでくれる。
↑塩味のついたマグロと小エビのサラダ、↓ムール貝のトマトソース煮。
あまりお腹が空いていなかった午後、三人で茄子の前菜一つと小エビ&アンチョビのリゾット一つをシェアしたいから、と注文したら、了解、とウェイター。気を利かせてくれたのか、三つずつ盛り合わせてくれている。リゾットはクリーム味じゃないからあっさりしていてフォークがすすむ。
だけど、これとんでもなく多くない?食べても食べても減らないんだけど。。後日チェックアウトの時に請求書をみて仰天。前菜もリゾットも三人前ずつ請求されてるじゃん!文句を言うと、レストランマネージャーが出て来て平謝り。みんなでシェアしたいから、って頼むと取り分けられる適当な分量を作り、大皿で出すのがシチリアンスタイルなんだそうだ。若いウェイターはたぶん勘違いしたんだと思うから本当にごめんなさい、と一人前の料金に訂正してくれた。"This is Sicilia, you know. " なるほど。そしてウェイターは私たちの英語があまり理解できていなかったんだね。
シエスタの間も開いているリストランテの中でも、大繁盛していた大衆食堂。
↓左からカプレーゼサラダ、ピスタチオとベーコンクリームソースのペンネ、もの凄く食べ応えのあるカルパッチョ、そして大いに気に入ったからすみスパゲッティ。
食後酒はリモンチェッロ以外にも、いろんなリキュールがある。養命酒みたいな、薬草でできたリキュール Amaroアマーロと、口直しの胡麻やナッツのプラリネ、砂糖漬けジンジャーなどがチェックと一緒に出てきたリストランテもあった↓。
夕方の街散策。↓ドゥオーモ広場、大聖堂の左の建物は市役所。
市役所から、結婚式を終えたカップルが出て来た。
市長らしき人物がシャンパンをぬいて人々に振る舞い、次に剣を取り出して何か宣言していた。
海辺のリストランテは観光客向けだから味は期待できないだろうけど、雰囲気を楽しもう、と入ってみた。ところがどっこい、とっても美味しかった。さすがシチリア。
本日の魚たち。ただの海老のグリルがどうしてこんなに甘くて柔らかくて美味しい?ネタがいいから?
↓街の名前がついたスパゲッティ?シラクーザは、アンチョビ、ガーリック、トマト、トーストしたパン粉がかかっただけ。シンプルなのにこくがあって美味しい。
シチリアの代表的なデザートといえば、リコッタチーズのクリームが筒状のコルネに詰まった cannoli カンノーリが有名。↓こちらも伝統的な、ピスタチオが一杯かかった、リコッタクリームのはさまったのスポンジケーキ cassata カッサータ。
最後の夜、ピザをまだ食べていないことに気づいた。リストランテで軽く夕食を終えたあとだったけれど、後悔したくないから斜め前にあった老舗っぽいピッツァリーアに入った↓。「え~ほんとに入るの??』と言う約二名の声を無視。お腹が一杯の人はコーヒー、またはワインを飲んでください、ってことで強行入店。
生ポルチーノ茸のピザとシンプルなマルゲリータを注文。ちゃんと半分ずつに分けて出してくれた。やっぱり食べて良かった、美味しい!お腹一杯でも入るもんだ。
シチリア大満足。今度は全島周遊したいよ。
これにて2014年の夏のバカンスもフィーネ fine、お?し?ま?い!