チャオ・ダル・マーレ  CIAO dal MARE    (旧キッチン・マーレ)

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大磯、茅ヶ崎散策、そして江ノ島の魚料理

2021-05-30 | 鎌倉便り

2021年5/26の皆既月食。曇り空の中、犬の散歩中に材木座海岸に昇ってきたスーパームーン↑。天候が悪く、関東ではほとんど見えなかったのにラッキーだった。

そして数時間後、由比ヶ浜海岸を散歩中の友人が送ってくれた写真↓。

関東では梅雨入りはまだだが、悪名高い鎌倉の湿気の季節はもうやってきている。そして街のシンボルともいえる紫陽花の花も咲き始めた。美しい紫陽花の写真は次回のお楽しみとして、今回の非常事態宣言並びにマンボウ(蔓延防止措置)が発令される直前、薔薇が咲き誇っていた時期に近隣に遊びに行った話題を少し。

(吉田茂邸のバラ園↑  2021年4月末日)

還暦を迎える友人の誕生日のお祝いに大磯プリンスホテルまでランチをしに行った。大磯は、鎌倉から湘南の海岸線を西に走り、江ノ島のある藤沢市、茅ヶ崎市を越えた所。湘南の境界線はなかなか曖昧で、相模湾沿岸のことだが、そのエリアは昔よりも広がっているそうだ。「〇〇は湘南じゃないよ」と時々嫌そうに地元民が言うのを耳にする。「関西人を一緒くたにしないで〜」と神戸や大阪、京都の人間が思うようなものだろう。

大磯には明治時代、伊藤博文など歴代8人の総理大臣が別荘や住居を構えていたことから、「政界の奥座敷」呼ばれていたそうだ。

ランチ前に吉田茂邸↑を散策。2009年に放火全焼した母屋などは復元したものだが、小山一つほどの広大な敷地には日本庭園や薔薇園がある。晩年の吉田茂は、富士山と海を愛でながら、たくさんの愛犬に囲まれたこのお屋敷で最後まで政界のドンとして過ごしていたようだ。

↑二階の部屋からは相模湾と富士山の美しい眺望。吉田茂お気に入りの景色だったそう。

 

実は昨年神戸から引っ越してきて早々、大磯プリンスホテルにスパ&ランチ・プランがあると知り、娘と行く計画を立てていた。ところが、第一回非常事態宣言のあおりで宿泊客以外は使用できなくなってしまったので、今回は念願の初大磯プリンスホテルだった。

長野県出身の還暦バースデーガールの友人が言うには、80年代は芸能人の水泳大会といえば大磯プリンスホテルのロングビーチからのテレビ中継で、地方の人間にとっては憧れのホテル、ってイメージだったそうだ。当時ニューヨークに住んでいた私は、そんなこととは露知らず、てっきり「ロングビーチ」は砂浜だと思っていた。どっこい、複合プールエリアの名前だった。

自粛ムードで閑散としたダイニングルーム、セミビュッフェのデザートはイチゴづくし。おしゃべりに夢中になって、メインの写真は撮り忘れてた〜

後日、この友人と茅ヶ崎散策をした。茅ヶ崎は、防砂のために作られた広大な松林の海岸線で知られている↑。鎌倉と神戸を往復する時に車でこの海の見えない海岸線の国道を走ったことはあるが、ゆっくりと街を散策するのは初めてだった。

デビュー当時からサザンオールスターズのファンだった私にとって、彼らの歌の中に登場する茅ヶ崎や江ノ島、鎌倉の地名は、いつの間にか妄想の中で「素敵な場所」になっていたところが多分にある。鎌倉の建長寺を散策していた時に、正門横にある鎌倉学園が茅ヶ崎出身の桑田くん(私の中ではずっと「くん」)の出身校だよ、と連れに教えられて、えっ、こんな仏教系の高校に通ってたの??と変な驚きがあった。

明治時代から有名人の別荘や保養所があった茅ヶ崎の海水浴場は、土地柄古くから開かれていたそうだが、サザンにあやかって名称を1999年に「サザンビーチちがさき」と改名して以来、観光客が押し寄せるようになったそうだ。

黒砂で有名な海岸で、この日も強風の中黒砂が舞い、歩行がとても困難だった。我が家の前にある材木座海岸の比じゃなかった。写真右奥が、サザンの歌に出てきて一躍有名になった烏帽子岩↓。

この日は雲がかかって裾野しか見えなかったが、右に富士山が見える↓。

そして、私の好きなサザンの歌に「ラチエン通りのシスター」というのがあるのだが、本当にラチエン通りがあったので感激してしまった。開高健記念館(生前住んでいた家)に行く道すがら、偶然抜け出たのがラチエン通り。ラチエンは、昔この通り沿いに別荘を建てたドイツの貿易商の名前だそうだ。桑田くんの中学時代の初恋の相手がこの通り近くに住んでいたのだとか。

湘南の海沿いに建つ住宅街はたいがいマリンスポーツを趣味とする家主の意向が反映されてサーフボードやカヤック置き場があり、外付けシャワーがついていて、海と空、太陽に向かって開放的な洋風木造建築が多い。鎌倉より西に行けば行くほど、土地の値段も安いのだろう、鎌倉よりもずっと大きな家が多く近代的な大きな学校や図書館、体育館等充実した文教施設が整い、多分子育てするにはとても良いのかな、と思った。

人さまの家だけでなく庭を見ながら歩くのも、湘南散策の楽しみだ。こちらの庭は薔薇が一杯で素敵!手入れが大変なのに凄い。

さて、最後は江ノ電の線路沿い、江ノ島駅前にある美味しい魚料理専門居酒屋の話。カウンター8席しかない「吉良(きら)の店」はいつも満席。何ヶ月も前から調整して、友人6人で貸し切ることがやっとできた。

店主の吉良さんは江ノ島の片瀬漁港(片瀬川も、サザンの歌に出てくるから昔から私は知ってたんだよね)でも魚を捌いている。友人のM子の家のすぐそばにある吉良の店がとっても美味しいことは引っ越してすぐから彼女に聞いていたのに、ずっと行けずじまいだった。たまたま今お世話になっている逗子の整骨院のドクター(サーファー兼釣り人でもある)も大好きな店で、共通の仲間たちと行く計画を経てたのはなんと昨年末のこと!やっとこさのみんなの意気込みは凄いものだった。

↑先付けの子揚げは黒ムツ。

↑この日の刺身は黒鯛、太刀魚、ハマチ、メジマグロ、青あじ、ヒラメの昆布締め。

↑初めて目にし、食べた「ながらみの塩茹で」。生息地は房総半島から九州南部らしいが、関西では食べないよね??

私が知らなかっただけなのかな〜 爪楊枝でほじって、お酒のつまみにいい。

↑自家製白子の燻製三種。黒鯛、太刀魚、そして何だっけな〜 一緒に行った連中に聞いても、誰も覚えてなかった。みんな酔っ払ってたからな。

ちなみにこの日は、江ノ島のある藤沢市はまだマンボウ都市に入っていなかったので、お酒は飲めたのでした。今は藤沢市も終日アルコール提供禁止になっている。。

↑↓ハコフグの味噌焼き。グチャグチャ混ぜ合わせて食べる。もちろんこれも私には初めての味。

釣り人には嫌われ捨てられるというハコフグも、ここでは美味しく調理してくれる。酒飲みが大好きな味!

↓地魚唐揚げと揚げ餅の煮おろし

そして本日の地魚3−4種類の「なめろう」↑。とっても美味でした。でももうこの前後から何の魚なんだか覚えていなくて。。

途中野菜料理や締めのご飯類も注文したものの、酒飲みのメンバーは酒のあてばかりを注文してしまい、結局、焼き物や煮物に行き着く前にお腹一杯で終わってしまった、というお粗末さまだった。

次回は是非続きを食べに行きたい、と思っているけど、このコロナ規制の延長・延長、一体いつまで続くんだか。この生活、いい加減飽きてきたよね。。

皆様、くれぐれもご自愛くださいね。


MANNA

2021-05-02 | 鎌倉便り

鎌倉に引っ越してきて1年が過ぎた。第一回非常事態宣言下だったので、どこもかも、寺社までが閉まっていた。散策ばかりしていた昨年のGW、まさか今年も同じ状況で過ごすなんて夢にも思わなかった。

コロナ感染者がアメリカで急増し始めた昨年2月、故郷のシアトルに長女が引っ越すのに合わせて私もシアトルとセドナに飛ぶ飛行機を購入済みだったのだが、行っても帰って来れなくなりそうで泣く泣く旅行をキャンセルした。チケット代は返ってこなかった〜 でもま、1年後には海外旅行にまた行けるようになっているだろうな、なんて思っていたのに、まだ見通しもつかないなんて。。。

そして今年のGWも、行き場のない観光客と車で鎌倉は大混雑している。毎日のように関西の友達が、「今日も混み混みの鎌倉が、小町通が、江ノ島がTVのニュースで映っていたよ!」と教えてくれる。そう、本当に大変な人出です。蔓延防止措置で飲食店は時短、終日アルコール提供禁止なのに、みんなどこ行くの〜?(厄介に思うのは酒飲みの私だけか?:笑)

次回は食べ物の話を書きます!と約束をしたのに、たいして外食にも行けずネタ不足。でも一番最初に紹介するのは、鎌倉で私が一番好きなレストラン「MANNAマンナ」とずっと決めていた。由比ヶ浜にあるこのお店には数ヶ月に一度はお邪魔しているので、今回は撮りだめていた写真を一挙公開します。

昨年の1月に家探しで鎌倉に来た時に友人が連れて行ってくれ、メニューの多さ、それが何もかもが美味しい、センスの良さ、そして極め付けは女性オーナーシェフが全く一人でオープンキッチンに立って調理をしている、ということに衝撃を受け、惚れ込んだレストラン。

イタリアに行ったこともないオーナーシェフの原さんが作るイタリア料理の数々。前菜は30種類近く、デザートだけでも25種類は下らないこの驚異のメニューをご覧あれ。

メニューはその時々の食材の入荷で毎日少しずつ変化するので、全部を制覇することなんてあり得ないんじゃないかと思う。原さんの料理はとても太っ腹で、二人分は十分ある大盛りなのだが、彼女のこだわりは「中華じゃないんだから絶対に大皿から分け合って食べて欲しくない」ってことで、頼めばキッチンで一人分ずつ取り分けてからサーブしてくれる。それも本当は嫌なんだだそうだけど(笑)。

そして、オーダーし過ぎたり、彼女の意向に合わないオーダー構成だったりすると怒られ、訂正される。最初の頃はそれが怖くてビクビクしながらオーダーしていたのだが、何度も怒られ修羅場を乗り越え、今ではリラックスして(あうんの呼吸ではまだないが)オーダーできるようになった。とにかく、美味しいものを美味しく食べてほしい、食べ過ぎもダメ、っていう確固たるスタンスには、原さんの料理とお客さんに対する愛情を感じる。

では、先月4月中旬にお邪魔した時の写真から。

↓少しスモークした鰯のサラダ

↓旬の白アスパラのバターソースがけ、そして毎回注文するソーセージのグリル

↓タリアッテレ木の子のクリーム

↓仔羊のロースト

↓苺のケーキ

一人で作っているのでもちろん時間はかかるのだが、ここに来るお客さんはそんなこと百も承知のお得意さんばかり。東京や遠方の街から、中にはマンナに惚れて定年退職後に近くに引っ越してきたご夫婦までいるとか。みんなゆっくりと美味しい料理とワイン、原さんとのおしゃべりを愉しんでいる。私も、偶然とはいえ歩いて10分の所に住めている幸せをこの店に来るたびに感じている。

以下は、今まで食べた料理の中からいくつか。

↓パテやリエットもとても美味しい。

↓ポロネギのグラタン

↓短期間しか手に入らない、長野の香り高い舞茸を使った最高に美味しいパスタ。いつも食べれないのがとても残念。。

↓カジキマグロのオーブン焼き

↓苺のアスピック(煮凝り)

↓桃とルバーブのコンポート

焼きたてのケーキ類の数には圧倒される。毎回どれを食べようかとものすごく迷うのだけど、嬉しいことに焼き菓子はテイクアウトもさせてもらえるから、お土産にはまた違うものを選んで帰る。

前菜とパスタの両方を選べるお得なランチセットもあるのだけど、ついついプラスでアラカルトをもう一品、そしてデザートをつけて、と欲張ってしまうので困ったものだ。ちっともお得にならないよ・・・

看板もなく、短いエントランス路を進んだ先にあるモダンな建物の1階にあるマンナ。

隠れ家レストランのドアをいつもワクワクしながら開けるのも、鎌倉生活の大きな楽しみの一つになっている。マンナに感謝!