千客万来というと響きは良いけれど、とにかく泊り客の多い夏でした。やっぱり夏はバカンスに出かけて日本にいない方が楽かも、って思ってしまうほど、次から次に予定外の客人も遊びに来て、家がまるで国際交流センターのようでした。
みなと神戸海上花火大会の日に海外から我家に来ていた客人達は、ラッキーにも30階にあるマンションのゲスト・ルームから花火観賞をすることができました。25倍の競争率を勝ち抜いてゲスト・ルームをゲットできたものの、パーティーを主催する気力は私にはなかったのでインターナショナル・スクール時代の友人達が代わりに仕切ってくれることになり、ピーク時には40人が入って飲めや食えやの真夏の饗宴となりました。今年は東北4県からの一尺玉40発も加わり、1万発の花火がまるで私達だけのために上がっているかのような錯覚に陥るほど、ベランダからの眺めは最高でした。
昨年ヨーロッパを一緒に旅したグルメな挑戦者、M子も東京から遊びに来ました。相変わらず食い気しかない彼女は、午前8時半に神戸空港に到着した途端「腹減った~中華粥食べに連れてって~」とうるさい。そんなに朝早くから開いてる店ないからと、うちで残り物の餃子やらを食べさせてだまらせる。でもすぐに、ランチには神戸の老舗喫茶店に行きたいと、うちにあった情報誌をめくりながらリサーチ。彼女のおかげでホットケーキで有名な元町の「サントス」、サンドイッチで有名な「カフェ・バールこうべっこ」など、行ったことのない店に行けて良かったけれどね。「こうべっこ」は高野山に行く朝にモーニングをしに行ったのだけど、500円で飲み物とハーフサンドイッチを食べることができます。笑顔の素敵なおじいさんが35年前の創業時から、毎日自分で食パンをスライスしながら作っているというサンドイッチは種類もびっくりするほど多い。卵サンドはとろとろで野菜も新鮮、ハム&チーズ・サンドはトーストして出してくれ、手間暇かけた愛情の感じられる美味しさでした。もちろん私達はハーフじゃ足りなくて珍しいコンビーフ・サンドのフルサイズも追加注文。そしてこの店は私のお気に入りに追加、これからも通いたいお店の一つになりました。
高野山は下界より5度は温度が低く、良い気が流れていて心身ともにリフレッシュできました。弘法大師空海が眠る奥の院には歴史上の人物の墓も多いのだけれど、山門の辺りには殉職した社員のために企業が建立したびっくりするほどモダンな慰霊碑がたくさん並んでいます。笑ったのが、「しろあり、やすらかにねむれ」と刻まれた日本しろあり対策協議会の慰霊碑。他にも福助坊ややらアポロ・ロケットのある慰霊碑やら、なんでもありなん?ってびっくりしたなぁ。
写真は、昼食に入った店の麩田楽定食。大豆ごはんもごま豆腐も美味しかった。さて、宿坊といっても昨今は旅館と変わらず、食事が精進料理なだけです。部屋や料理のランクで値段が異なり、5千円~4万円ぐらいと色々あるようです。今回は坊主友達のネットワークで良いお部屋を安くに提供してもらえました。21才の修行僧がお部屋係だったのだけど、君は関西のお笑いタレントか、と突っ込みたくなるぐらい話術にたけていて話はおもしろいし、お酌はしてくれるしで、もしかしてここは趣向の変わったホストクラブなのかしら、ってぐらい楽しませてもらいました。写真は夕食に出された懐石の一の膳と朝食、そして泊った宿坊のお庭です。高野豆腐に絹ごしがあるって、知っていましたか?初めて食べたこれがまたなめらかで美味しかったな。
話は飛びますが、M子が着いた日の夕食は、今神戸で一番予約が取れない中華料理店と言われている「チャイナ・ビストロ・エヴォルヴChina Bistro Evolve」に行きました。以前六甲にあったチャイナ・ビストロ常村が三宮に移転しグレードアップしたそうです。私は以前の店を知らないのでどう進化 - evolve したかは分らないのだけれど、創作四川、広東料理はなかなか面白かったし勉強にもなり、味も申し分なかった。8人という大人数で行ったので思い切り私の好みで料理を沢山選ばせてもらったのだけど、特に写真の「淡路産鱧のフリット、スパイシーココナッツ風味」は食べたことのない料理で美味でした。
「神戸牛と夏野菜の黒胡椒炒め」は牛一頭から数キロしか取れないイチボという稀少部位を使っていてこれも中華らしくなく、でも素直に美味しかった。そして最後に出てきた担々麺の味には魅了されました。もっと食べたかったのにお腹が一杯過ぎて食べれなかったのが今でも悔しい。。ビールを飲むとお腹が一杯になって食べれなくなるから飲まない!と宣言したM子、あなたは正しかった!残念ながら私はまだ酒を断ちきることはできないです。。。
他にもオマール海老の広東風生姜炒め、帆立貝柱と蟹肉グラタンマカオ風、埼玉県産合鴨の北京ダック、冬瓜と海の幸のおこげなどなど、目も舌も楽しませてもらいました。唯一がっかりだったのは、イタリアのソースヴィンコットを使った黒酢スブタかな。何時間も蒸して作るというので期待大だったのだけれど、酸味が強く、肉も少ししつこかった。単純に野菜入りの酢豚を想像していたところ肉だけだったというのも、気がついたら野菜料理を注文していなかった私達の胃にはこたえました。
3泊4日の神戸滞在最終日、M子は「キャー!なんで1日目にはいてたパンツが入らないの~!」と雄たけびをあげ、体重計に乗っては「なんで4キロも増えてるの~!」と叫んでた。精進料理食べてたって、要は量でしょ。あれだけ食べたらそりゃ太るだろ。なのに飛行機に乗る前には美味しいパンが食べたい!と言うのでフロインドリーブ・カフェに連れて行ってランチをした。ローストビーフ・サンドとハム&チーズ・サンドをしっかり食べてから、カフェにしか置いていないケーキに目がいく。二人でモンブランを分けてそのおいしさにまた感激。横浜出身の彼女の初神戸の感想は、「横浜に似てるけど、神戸の方が食べ物が美味しいね。食った食った、大満足!」でした。それにしても、どこのサンドイッチの写真も撮っていなかったのは不覚でした。もう一度食べに行って撮ってこよっと。
つづく