全室海を臨み、ジャクジー、テラスの付いたラグジュアリーホテル「ラ・スイート」が、神戸のメリケン波止場の一角に1年前にオープンしました。この不景気をものともせず、客室稼働率は結構なものらしく、リピーターも多いそうです。 教室の生徒Tさんのお友達のご主人が総支配人だということで、以前からホテルの情報は耳にしていたのですが、今回生徒さん7人でランチを食べに行くことになりました。ま、これも課外授業と言えないこともないですかね。 それにしても、ホテルづいた週でした。
白亜の建物が陽射しを受けてきらきらと海に向って建っている様子は、そこだけ南欧の海辺を彷彿させます。ロビーもヨーロッパにある中規模ホテルの様相で、品の良い内装で落ち着きます。
レストランル・クール神戸の開放的な窓からの眺めは、ここが神戸だということを忘れさせてくれるぐらい、うまく海を切り取っていました。ホテル内にはここ以外にも鉄板焼きやバーラウンジがありますが、全店のコンセプトが‘地産地消’だそうです。料理にも飲み物にも、兵庫県各地からの名産品を使っています。
前菜2品、メイン4品、デザート3品から1品ずつ選べるランチも、全て地元の食材を使っています。私が選んだのは、アナゴやタコも入った淡路島直送海の幸のサラダ、篠山牛の大きな塊がとても柔らかく煮込まれたポトフー、そして栗のミルフィーユと氷上産天然蜂蜜のアイスクリーム添えでしたが、他にも篠山ポークのテリーヌや仮屋港直送舌平目のグラタン、パイで挟んだ丹波地鶏のクリーム煮、丹波黒豆と小豆のガトーなど、目移りするほどおいしそうなものばかりでした。
先日の京都のブロンロネリは、京野菜などを使った京風フレンチが売りでした。流通時間の短いものが新鮮で一番おいしいのは当たり前のこと。
私が住んでいたシアトルのあるワシントン州は、気候が温暖なため農作物に恵まれており、Farmers Market (青空農産物市)が一年を通して開催されていました。月曜はどこそこ地区、水曜、金曜、土曜、日曜はと、ほとんど毎日、市内の異なった地区の公園や駐車場、通りなどを通行止めにして、州内の農家や酪農家の人達が、何時間も車を運転して自分たちの野菜、花、チーズ、ジャム、パンなどを売りにやってきていました。シアトルだから燻製のサーモンなどもありましたっけ。
家から歩いて5分の所でも毎水曜日小さいmarket(市いち、という意味)がたつので、エコバッグを持ってよく買い物に行きました。一か所にしか来ない農家さんや、何カ所かに出店している農家さんとかいて、そこのものを買いに何曜日はあそこの market に行く、というシアトル人も多かったですね。ものすごくおいしいトマトを作る Billy おじさんがいて、私が働いていたレストランでも、オーナーがそれを Farmers Market で買ってきた時には、スライスして極上のオリーブオイルと塩だけをかけて Billy's Tomato とうたって出していました。うちの娘も大ファンだったので、今でも時々思い出しては、あ~あのトマトが食べたい!と言っています。
それから、農家のレストランも流行っていましたねぇ。日曜の夜のみ営業の全席(20席)予約制の隠れレストランKurtwood Farm なんて頑張ってよく行ったなあ。頑張る、というのは、HP上で毎月第一火曜の朝10時に翌月の予約受け付け開始なんだけれども、数分で埋まってしまうんですよ。一人4席までしか取れないので、友人が取ってはまわしてくれたものです。フェリーに20分ほど乗って行く島にあるその農家では牛、豚、羊、鶏、アヒルも飼っていたので、外から買ってくる食材は小麦粉だけでした。油もすべてラードやバターだったし、いくら野菜や果物があるとはいえ肉のオンパレードでかなりリッチだったんだけど、シアトルや近隣都市のシェフが招かれて料理をするので、メニューもその日まで知らされず、なかなかおもしろかったなぁ。下の写真は、この日のシェフが、ローストしたラムの足をカットしてくれているところです。
そういえば、ここに行きたくてシアトルに来る日程を決めた日本の友人もいました。今では競争率がすごくなってしまい、オーナーが出すテーマ(たいてい食関係)について短いエッセーを投稿した中から選ばれるらしいですよ。こうなったら敷居が高いですよねぇ。このようなアンダーグラウンドレストラン(無許可レストラン)の日本版が今流行りのおうちカフェでしょうか??
ホテルでのランチの話が、すっかり脱線してしましました。要するに、地産地消しましょう、ということです。
そうそう、最近毎水曜日、元町商店街で淡路、丹波篠山など県下の農産物を集めたFarmers Market やってますよ。