撮りためていた美術館の写真を見ていたら、あまりに時間が経ってしまっていて、げっ、ブログにならないやん、ってうんざりしてしまった。でもなんとかきれいにまとめてみよう。
イギリスのロイヤル・ベイビーが生まれたことも、性別も名前も、日本にいる友達から聞いた。信じられないかもしれないけど、こちらでは定刻のニュースや新聞を見ない限りは、全く情報が入らないほど静かなもんで、生まれたことは、ミュージカルを観劇中に届いた日本の友人からのメールで知った。家に帰り、テレビをつけても特番なんてなんにもやってなかったよ。
ケイトと赤ちゃんが退院した翌日、彼らが住むケンジントン宮殿に王室ドレス史なる展示を観に行くと、宮殿の前はテレビ局の中継車やパパラッチが陣取っていた(↑写真は、展示室から外を見たところ)。渦中の三人はケイトの実家に既に行ってしまってたようで、全く穏やかなもんだった。えっと思う人もいるかもしれないけど、英国王室は財政難から宮殿の一部を公開している。女王の住むバッキンガム宮殿も、恒例の夏の一般公開が昨日から始まった。
ハイド・パークの西に続くケンジントン・パーク内にウィリアム王子達の住む宮殿はあるので、公園を散策しながらまわり、宮殿横のオランジェリー Orangery というレストランでランチをした。ここはAfternoon Teaでも有名。もともとは温室だったそうで、高い天井や大きな窓がとても気持ち良い。
サービスが遅くて文句を言いたかったけど、美味しかったから許すことにした。
スモークと生、二種類のサーモンを使った前菜、数種類のトマトと山羊のチーズのサラダ、グリルした鯖はアスパラの入りのポテトケーキと共に、一品一品、美しい色どりで供された。
大英帝国が世界制覇をし、略奪した品々を展示している大英博物館はいつも凄い混みようだし迷路のようで居心地よくないので、私はほとんど行かない。約二万点の絵画を有するナショナル・ギャラリーも同じ。↑
でもここのカフェ・レストランは、有名なPeyton & Byrneが運営しているから食事はまとも。ケーキが美味しいから、トラファルガー広場辺りで疲れた時にお茶するにはよいかな。レストラン専用の入口が通りに面しているのも便利でいい。
隣にある肖像画に特化したナショナル・ポートレート・ギャラリーは小さくて見やすく、現代肖像画はとても良い作品が集まってるから大好きだ。でもここのレストランはコース料理しかなくて、とっても高いので入ったことはない。
テート美術館はターナーなど英国人アーティストを中心にしたテート・ブリテンと、20世紀以降の現代美術を展示しているテート・モダンの二つがある。テート・ブリテンはテムズ河北岸に建っており、庭のあるカフェのメニューは小さいが、とてもゆっくりできる。↑写真は、ソーセージ・パイと、トマトのサラダ。
テムズ河南岸に立つテート・モダンは元発電所の建物を改装したもの。安藤忠雄も応募したコンペ作品70余りの中から選ばれたスイス人建築家の手による内部の巨大なスペース、吹き抜けには圧倒される。あいにく現在は一部改装中だが、運よく改装前にとった1階のカフェエリアの写真がこれ↑。
ここは各階にカフェがあるが、最上階6階のレストランからの眺めは素晴らしい。窓辺に長いカウンターがしつらえてあり、ドリンクだけでももちろんOK。テートの特筆すべき点は、ショップの素晴らしさ。ショップもほぼ各階に大小あるが、アート関係の本は多種多様揃っているし、センスのいいオリジナル商品がとても充実している。
そして、私の一番のお気に入りはなんと言っても通称V & A、ヴィクトリア&アルバート・ミュージアムだ。世界最大のアートとデザインのミュージアム、とうたっているだけあり、ファッション性、デザイン性のあるものならば宝石や銀製品から中世の鍵やら鉄の門柵、衣服まで、400万点の膨大なコレクションがあり、そのバラエティーの凄さには目を見張る。↑入口を入ると美しいガラス細工のシャンデリアが出迎えてくれるが、建物、内装の美しさもさることながら、レストラン・エリアの素晴らしさには毎回溜息が出る。
セルフ・サービスだが、ダイニング・エリアはモダンな部屋と二つの趣のある部屋の三つがあり、どこで食べてもOK、↑この部屋にあるピアノでリサイタルがはじまったりもする。
食べ物も温かい料理、冷たい料理、サンドイッチ、ケーキ、ドリンク、と色々なカウンターに分れていて、全員が一列に並ばないですむのが嬉しい。↑上はスコッチエッグ、下は鯖に三種類のサラダが選べた。先日のピムズの写真もここで撮ったもの。
V & Aでは、噴水のある中庭にも夏場のガーデン・カフェが設置されるが、寝転がって持ち込みのランチをほおばっている人もいる。日本の美術館のように堅苦しくなくて、みんな思い思いに空間や食べ物、そしてアートを楽しんでいる。そして何より、大抵入館無料(今回紹介した中では宮殿は有料!)っていうのがいい。