チャオ・ダル・マーレ  CIAO dal MARE    (旧キッチン・マーレ)

Eat Well・Drink Well・Live Well
美味しく食べ、楽しく飲み、素敵に生きよう!

ミュージアムのカフェ&レストラン

2013-07-29 | グルメ色な日記

撮りためていた美術館の写真を見ていたら、あまりに時間が経ってしまっていて、げっ、ブログにならないやん、ってうんざりしてしまった。でもなんとかきれいにまとめてみよう。

イギリスのロイヤル・ベイビーが生まれたことも、性別も名前も、日本にいる友達から聞いた。信じられないかもしれないけど、こちらでは定刻のニュースや新聞を見ない限りは、全く情報が入らないほど静かなもんで、生まれたことは、ミュージカルを観劇中に届いた日本の友人からのメールで知った。家に帰り、テレビをつけても特番なんてなんにもやってなかったよ。

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ケイトと赤ちゃんが退院した翌日、彼らが住むケンジントン宮殿に王室ドレス史なる展示を観に行くと、宮殿の前はテレビ局の中継車やパパラッチが陣取っていた(↑写真は、展示室から外を見たところ)。渦中の三人はケイトの実家に既に行ってしまってたようで、全く穏やかなもんだった。えっと思う人もいるかもしれないけど、英国王室は財政難から宮殿の一部を公開している。女王の住むバッキンガム宮殿も、恒例の夏の一般公開が昨日から始まった。
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ハイド・パークの西に続くケンジントン・パーク内にウィリアム王子達の住む宮殿はあるので、公園を散策しながらまわり、宮殿横のオランジェリー Orangery というレストランでランチをした。ここはAfternoon Teaでも有名。もともとは温室だったそうで、高い天井や大きな窓がとても気持ち良い。
サービスが遅くて文句を言いたかったけど、美味しかったから許すことにした。

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スモークと生、二種類のサーモンを使った前菜、数種類のトマトと山羊のチーズのサラダ、グリルした鯖はアスパラの入りのポテトケーキと共に、一品一品、美しい色どりで供された。

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大英帝国が世界制覇をし、略奪した品々を展示している大英博物館はいつも凄い混みようだし迷路のようで居心地よくないので、私はほとんど行かない。約二万点の絵画を有するナショナル・ギャラリーも同じ。↑

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Img_2208でもここのカフェ・レストランは、有名なPeyton & Byrneが運営しているから食事はまとも。ケーキが美味しいから、トラファルガー広場辺りで疲れた時にお茶するにはよいかな。レストラン専用の入口が通りに面しているのも便利でいい。


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隣にある肖像画に特化したナショナル・ポートレート・ギャラリーは小さくて見やすく、現代肖像画はとても良い作品が集まってるから大好きだ。でもここのレストランはコース料理しかなくて、とっても高いので入ったことはない。

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Img_2258テート美術館はターナーなど英国人アーティストを中心にしたテート・ブリテンと、20世紀以降の現代美術を展示しているテート・モダンの二つがある。テート・ブリテンはテムズ河北岸に建っており、庭のあるカフェのメニューは小さいが、とてもゆっくりできる。↑写真は、ソーセージ・パイと、トマトのサラダ。

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テムズ河南岸に立つテート・モダンは元発電所の建物を改装したもの。安藤忠雄も応募したコンペ作品70余りの中から選ばれたスイス人建築家の手による内部の巨大なスペース、吹き抜けには圧倒される。あいにく現在は一部改装中だが、運よく改装前にとった1階のカフェエリアの写真がこれ↑。

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ここは各階にカフェがあるが、最上階6階のレストランからの眺めは素晴らしい。窓辺に長いカウンターがしつらえてあり、ドリンクだけでももちろんOK。テートの特筆すべき点は、ショップの素晴らしさ。ショップもほぼ各階に大小あるが、アート関係の本は多種多様揃っているし、センスのいいオリジナル商品がとても充実している。

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そして、私の一番のお気に入りはなんと言っても通称V & A、ヴィクトリア&アルバート・ミュージアムだ。世界最大のアートとデザインのミュージアム、とうたっているだけあり、ファッション性、デザイン性のあるものならば宝石や銀製品から中世の鍵やら鉄の門柵、衣服まで、400万点の膨大なコレクションがあり、そのバラエティーの凄さには目を見張る。↑入口を入ると美しいガラス細工のシャンデリアが出迎えてくれるが、建物、内装の美しさもさることながら、レストラン・エリアの素晴らしさには毎回溜息が出る。

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セルフ・サービスだが、ダイニング・エリアはモダンな部屋と二つの趣のある部屋の三つがあり、どこで食べてもOK、↑この部屋にあるピアノでリサイタルがはじまったりもする。

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食べ物も温かい料理、冷たい料理、サンドイッチ、ケーキ、ドリンク、と色々なカウンターに分れていて、全員が一列に並ばないですむのが嬉しい。↑上はスコッチエッグ、下は鯖に三種類のサラダが選べた。先日のピムズの写真もここで撮ったもの。

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V & Aでは、噴水のある中庭にも夏場のガーデン・カフェが設置されるが、寝転がって持ち込みのランチをほおばっている人もいる。日本の美術館のように堅苦しくなくて、みんな思い思いに空間や食べ物、そしてアートを楽しんでいる。そして何より、大抵入館無料(今回紹介した中では宮殿は有料!)っていうのがいい。


music night on TV

2013-07-20 | グルメ色な日記

金曜午後8時、テレビをつけたら全盲のピアニスト辻井伸行くんがロイヤル・アルバート・ホールで演奏し終わり、観客8千人のスタンディング・オーベーション、大喝采が延々と続いていた。あ~残念、もっと早くテレビをつければよかった!

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ロンドンの夏は、演劇やコンサートが目白押しだ。築150年近い前述のホールでは、高額なクラシック・コンサートには普段行けない庶民にもその機会を、という名目で1941年以来BBC放送主催による『PROMSプロムス(愛称)』、という夏の大クラシック音楽祭を開催しており、100以上のコンサートが7~9月の二か月間に手頃な入場料で開催される。

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他にもハイド・パークでのロック・コンサート(ローリングストーンズも今年は二日も出演した!)、リージェント・パークでのシェイクスピアやコメディーの野外演劇、宮殿の中庭やビルの屋上での野外映画上映など、多種多様なイベントがある。さすが文化度の高い国、都市だと思う。なのに、なんで生活レベルでのイギリスはこんなに堕ちてしまったの?まるで中国古代文化はすばらしいのに、現代の中国がひどく堕落している現状と重なってしまう。言い過ぎか?この辺の話はまたいつかまとめて書こうと思っている。

さて、今回はロンドンの美術館の話を書こうと思ってたんだった。「街中でトイレ行きたくなったらどこに行けばいいの?」と観光できた友人達に聞かれるたびに、「デパートか美術館」と答えている。ロンドンの美術館は、ほとんどが入場無料、寄付してくれるならおいくらでも、と箱が置いてある。特別展がある時は、その部屋に入るのには入場料がいることもあるが、貧富の差なく芸術を鑑賞できるシステムは素晴らしい。

私はこの無料制度はもちろん、空間や館内にある個性的なカフェやレストランが好きでよく足を運んでいる。一人で絵や美術品を適当に流し見し、あとはレストランでゆっくり食事したりお茶をしたりする時間が無性に気に入っている。

今これを書いてると、テレビでは高校時代から大好きな QUEEN のFreddie Merqury の特番が始まった!!サイコー!しばし休憩します。。

ドキュメンタリーのあとは、ブタストでのコンサートまではじまってしまった。午前零時を回っている。

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フレディーがエイズで亡くなる数年前、1986年頃、私はテキサスにできた全米初のエイズ専門病院の取材をしにNYから飛び、衝撃的な取材を通してエイズに全く偏見がなくなったのだった。エイズは空気感染すると信じられていて、感染者は病気をひた隠しにしていた時代。その病院のスタッフや患者のパートナーらの献身的な看護には本当に感動した。そうそう、もう一つ思い出した出来事がある。当時住んでいたゲイの多いウェスト・ビレッジを日本人の男友達と歩いていると、今まさに医者にエイズを宣告された、と泣きじゃくっていた若者がいた。「元気出せ」、と私の友達も泣きそう顔をしながら彼をハグしてあげた、そんな時代だった。。あ~懐かしい。

美術館の話は次回にまわし、今日はフレディーの追悼で終わろう。彼は1991年、亡くなる前日に、自分がエイズだという声名を出した初めての有名人だったそうだ。番組の中で、もともと好きだったRoger Taylor が素敵な老年になっているのも観れたし、couch potato カウチポテトになってとっても幸せな夜だった。

実はこのあとの番組がBritish Rock Go West といって、60,70年代にアメリカに乗り込んでいったイギリスのロックバンドのドキュメンタリーだったので、今日はすっかり寝不足気味だ。。そして、今から二女を迎えに空港に行く。約4か月ぶりの再会。高3生は成長したかな?


pimm's & hamburger

2013-07-14 | グルメ色な日記

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ようやく気温が上昇、夏がやってきた!でも油断大敵-いつまた寒くなるか分ったもんじゃない。今日は今年最高の暑さ、31℃だった。

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まずは前回の訂正から。苺はイギリスでは春ではなく、夏の果物だそうだ。シーズンは6月から10月までと長い。どうりでやたらと苺を目にしはじめたわけだ。マーケットに行くと、苺売りのおじちゃんの屋台は、どれが本物なのか見間違うようなテーブルクロス、苺づくしだった。もちろん買いましたよ。

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Pimm's ピムズ、という夏の飲み物がイギリスにはある。数種類のリキュールにハーブ、スパイス、柑橘類のエキスなどを配合したカクテル・ベースで、No.1~No.6 まで、ジン、ウィスキー、ブランデーなど異なったベースから作られた六種類のピムスがある。これに1対3の割合で炭酸レモネードを加え、苺、オレンジ、きゅうりなどのスライス、ミントの葉を浮かべた飲み物がイギリスの夏の風物詩だ。きゅうりが入るところがとってもイギリスらしいような。そしてPimm'sのマドラーは夏の果物、もちろんイチゴ!
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ウィンブルドンでもアスコット競馬場でもオフィシャル・ドリンクの一つになっていて、夏のイベント会場ではビールよりもピムズの方がよく売れるらしい。Img_1935_3
日本ではキリンから発売されているそうで、日本に帰ったMTちゃんはピムズを用意してテニス仲間にウィンブルドン報告をしたそうな。

甘くて清涼感あり、がぶがぶ飲めてしまう。サングリアのように、お酒に浸かったフルーツを最後に食べるのがまた楽しみ。グラスより、ジャグで頼む方がずっとお得。美術館のカフェでもこのように販売している。↓

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Img_2252_3アメリカ文化に何かと難癖を付けるイギリスでも、バーベキューは市民権を得ていて、気温の上昇とともにスーパーには一挙にBBQ用品、食材が並びはじめた。そしてBBQには欠かせないハンバーガーも、イギリス人はこよなく愛しているようだ。パブ・メニューには必ずあるし、ハンバーガー専門店がいたる所にある。それもファースト・フード店ではなく、れっきとしたバーガー・レストランが。

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夜はクラブに行く若者たちで長蛇の列になるという今ロンドンで一番人気のハンバーガー店、ミート・リキュールmeat liquorに、バーガー大好きのH ちゃんを連れて偵察に行った。午後3時という時間帯だったので店内は空いていたが、メニューが読めない暗さには歳を感じてしまったよ。

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ここの名物はピクルスのフライ。フィッシュ&チップスの衣と同じサクッとした衣をスライスしたピクルスにつけて揚げていた。三種類のバーガーを注文し、美味しい美味しい、とぱくついた。

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ハロッズのステーキ・カウンターでは自分で肉を選び、好みの重さに切って焼いてもらう。意気込んで「フィレをこのぐらいの厚さで」、って注文しているまさにその時に、下の方に隠してあった?バーガーのパテを発見したHちゃんは、「バーガーもあるんですか?じゃあ私はバーガーお願いします」と、素早く寝返ってしまったぐらいのバーガー好き。ロンドンに来てまで毎日バーガー食べてどうするの?って聞いたら、だって日本で正統派の肉汁たっぷバーガー食べれないもん、という答えが返ってきた。

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彼女が帰ってから、なぜだかバーガーを食べる機会が多くて、毎回LINEで写真送って羨ましがらぜてる。ポートベロ・マッシュルームが入っていたり、イギリスのブルーチーズ、stilton スティルトンがのっていたり、なかなか美味しいものに出会う。(上の写真↑、左の一品はポテト・パンケーキとスモーク・サーモン。)私が初めてイギリスでバーガーを食べた30年前は、みんなフォークとナイフで切って食べてて唖然としたけど、そういうことも今はない。

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少し時期がずれたが、6月はこちらでは卒業のシーズン。5月に引き続きオックスフォードを再訪した日、大学町のあちらこちらに、マントを身につけ帽子を手に正装した学生達が歩いていた。卒業式なのかな~と思って、中庭にいる男の子に聞いてみたら、期末試験中なだけと言う。正装して試験を受けないといけないんだって!「口頭試験なの?」と思わず尋ねると、「ううん、筆記試験だけ」。胸につける花の色も、白、赤、ピンク、と学期によって違うんだって。そんな伝統が残ってるとはたまげた。寝坊し、正装する時間がなくなるような不真面目な学生はいないのかなぁ。あんまり可愛いから、彼女がやって来たところで写真撮らせてもらったよ。

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街中のケーキ屋では、紅白まんじゅうならぬ、卒業おめでとうケーキ作りたけなわだった。

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魚料理あれこれ

2013-07-03 | グルメ色な日記

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しばらくアップしていなかったので、ご心配かけてしまいました。大丈夫、ここんところ千客万来で、デンマーク、オランダ、日本といろんな所から友人が陣中見舞いに来てくれてたので、とっても忙しかっただけ。デンマーク人の友人とは25年ぶりの再会だったけど、月日の流れを全く感じなかった。お互いお腹がぽっこりに変化はしてたけど。

同年代の客人たちと食べにいくと、どうしても魚料理になる。肉は胃が疲れるからね。今回はその魚料理の紹介。サーモンについては以前書いたから、それ以外の魚について。イギリスには cod, haddock, hake, pollack, rock, とタラ科の魚が何種類もあり、カレイの仲間も sole, flounder, hallibut, skate, plaice, turbot など、とてもたくさんある。

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イギリスの代表的な魚料理といえばフィッシュ&チップス、これにはタラ科の魚が使われる。もう一つ伝統的なパブ料理にフィッシュ・パイがある。↑パイといってもパイ生地を使っているわけではなく、マッシュポテトで蓋をした魚のクリームシチュー。白身魚だけでなく、サーモンなど数種類の魚が使われる。

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アスパラガスや色々なマメ科の青野菜が今とても美味しい。旬のグリンピースがこんなに甘くて美味しいものなんだと、日本人は皆びっくりする。グリンピースをマッシュしたものはmashed peas といい、フィッシュ&チップスの付け合わせで出てくるのが定番。

↑haddock ハドック、という真鯛のように身がしっかりした大西洋産のタラをベーコン巻にしてグリルしたものが、mashed peas の上に載ってきた。上には豆のつる。

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↑こちらのタラには、つくしに似たフランスの野生アスパラガス、アスペルジ・ソヴァージュがついてきた。日本のフレンチ・レストランでも最近出てくるようになったね。

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有名な Dover sole 、ドーバー海峡の舌平目はレモンとバターで味付けするのが基本。↑こちらはケッパーも効いていた。骨さえ気にならなければ、とても柔らかくて美味。一番高価な魚だけある。

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バラやシャクナゲがとても綺麗だ。その品種の多さにはびっくりする。ロンドンには数多くの公園があるけれど、園内にあるカフェやレストランが意外と馬鹿にできない美味しい料理を最近は出す。運河も流れている広大なRegents Park リージェンツ・パークを小雨の中散歩し、雨宿りがてらガーデン・カフェでランチ休憩をした。

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前述した豆のつるにアスパラとそら豆、山羊のチーズのサラダと、鯖のグリルにあさりソースがけ、という珍しい一品。鯖とソースが絶妙で美味しかった~!

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「春」とこちらではまだ呼べるわけで、イギリスの春の果物の代表、苺もなかなか美味しい。もちろん日本のような規格内の形のものなんてないけどね。

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魚の話ついでに、チャイナタウンで見つけた可愛い鯛焼きを紹介しよう。顔がなんともいかついミニTAIYAKI (こう張り紙に書いてたが、KOIYAKI 鯉焼きだと思う)で、カスタードクリーム入り。味はう~ん↓

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Img_1898_2全英オープンテニスと時期が重なるから是非ウィンブルドンの試合が観たい!とテニス好きの豊中のMTちゃんの要望でダフ屋と交渉、先払いで当日現地手渡し、という実に危ない橋を渡ることになってしまった。ところが当日現地から、予約していたナンバー1 コートのチケットがダフ屋側のトラブルで手に入らないとパニックの電話がきた。でも運がこちらに傾き、結局は代わりに何倍もするセンターコートのチケットがもらえ、それもロイヤル・ボックスの真横という最高の席だった。MTちゃんは大感激で観戦し、大興奮の余韻とともに日本に帰って行った。私の株も上がり、こちらのダフ屋の仕組みもよく分り、来年からはウィンブルドンのダフ屋としてやっていく自信もついたよ。元値7千円ほどのチケットが日本では35万円にもなるなんて初めて知り、ビックリ仰天した。人生、長く生きてると学ぶことが多いもんだ。

Hちゃん、MTちゃんが二人で行ったフィッシュ&チップスのお店。↓晴れた日に通りがかったら、こんなに賑やかだった。今度挑戦してみるね。お疲れさま!

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