新ブログを開設しようと思いましたが、「料理教室で習った料理を再現する時に、今でもバックナンバーの写真やテキストを見てるから閉鎖しないで欲しい!」というご意見を多くの方からいただきました。そこで、普段全く自分のブログを読み返さない私も今回少し読み返してみたところ、忘れていた出来事がたくさんあって、へ〜そうだったっけ、なるほど〜と、この12年の軌跡がとても懐かしく、キッチン・マーレのブログが愛しくなってしまいました。
考えた末、新ブログ開設は取りやめ、今までのタイトルからキッチンを取り除いて、CIAO dal MARE チャオ・ダル・マーレ (伊語で『海辺からこんにちは』)とし、カテゴリーに「鎌倉便り」を追加して書き進めることに決めました。
神戸、明石、NY、シアトル、そして鎌倉、どの街でも海のそばで暮らしてきた私と'MARE'(伊語で「海」)とは切っても切れない関係なので、この言葉はキープしようと思います。では皆さん、これからも私の気ままなフォト・エッセイにお付き合い、ご愛読のほどよろしくお願い致します!
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あっという間に3月。やっと春らしくなってきた。
初めての鎌倉の冬はどうだったか?この辺りはあまり雪は降らない代わりに、冷たい強い風が本当によく吹く。もちろん朝夕はとても寒いのだが、面白いぐらいに毎日定時、午後3時を回ると気温がグッと下がるから、分かりやすい。
空気が澄んだ冬の夕日は真っ赤に輝き、富士山もよく見える。息を呑むほど美しいサンセットを拝めることを日々感謝。。ジモティーたちが口を揃えて、「冬の鎌倉が一番好き」という意味がやっと分かった。
材木座海岸からちょこっと見える富士山↓
2月は寒暖差が激しかっただけでなく、天変地異が起こりまくった月だった。
鎌倉に引っ越してきて、噂通りの関東の地震の多さに最初はびっくりした。が、慣れとは恐いもので、最近では小さな揺れには動じなくなってしまっている。でも2/13の夜、寝入りばなに襲った地震はとても長い揺れで、隣の家の犬は吠えまくり。我が家の犬2匹も怖がっていたので、仕方なく2階の寝室を解禁して一緒に寝た。東日本大震災からもう10年になるというのに、震度6の余震がいまだに起こるなんて、自然の脅威を感じた夜だった。
地震の2日後には、大雨、強風、波浪、洪水警報が出た。外出中に滝のような最高レベルの豪雨なってしまい、マンホールは溢れる雨水で蓋が外れんばかり。長靴と防水ジャケットを着ていたのだが、雨水がズボンの太腿に叩きつけられ、ぐっしょり。それが滴り落ちて靴下の先まで濡れる、という人生初のズブズブの濡れ鼠になって帰宅。
それが、なんで?ってぐらい急に雨が上がり太陽が出てきて、ちょっと私怒るよ、って思った。すると今度は空は晴れたまま、風がどんどんと強くなってきた。この強風が3日間続いたのだが、砂漠のような海岸からは、猛烈な勢いで砂が舞い上がる。
砂嵐の中では犬の散歩もままならず、外に出た途端彼らは嫌だ〜!と尻込みするから、海岸から離れた住宅街を歩く。
マスクのおかげで鼻と口、そして目は私はメガネをかけているから安全だが、耳の中、頭のてっぺんから靴の中まで砂だらけになってしまう。もちろん、家の中も窓やドアの隙間から黒い砂が入るは入る。そしてこの後サッシの掃除を怠ると、レールに砂が詰まって窓が開かなくなるのだ。
やっと風が止んだ後に見た海岸は、すっかり様相を変えていてビックリした。家の前にある材木座海岸には海岸沿いを走る国道134号線の下に6つのトンネルがあり、階段を降り、トンネルをくぐって海岸に出る。その先には防砂フェンスがあるのだが、それを超えてここまで↓砂が積もっていた。普段はトンネルの先は広い海岸と海が開けているのに、この積もった土の上にある濃い青い線が海!砂山は高さ3mぐらいにもなっていた。凄いな〜!
↓砂山を這い登って海岸へ。
↓この駐輪場には普段は全く砂がないのに、この有様。
↓そして、砂移動のためのシャベルカーが数日間海岸を走り回っていた。
家の前の道路にも砂が積もり、ご近所さんが交代で砂を掃き集め、バケツや袋に入れて海岸まで人力で捨てに行っていた。ご苦労様。。この砂嵐の掃除が嫌だから歳取ったら引っ越していく人が多いんだよ、と聞いた。
美しい自然に包まれ、愛でることができる幸せの裏には、自然との厳しい共存という永遠のテーマがあるんだな、と鎌倉に住み始めて少しずつ分かってきた今日この頃だ。昨夏は、丸一晩雷雨が続いた日があった。ものすごく近くで大音響の雷が鳴り続け、時々落ちたのが分かる超リアルライブで、自然に対する恐怖心と畏敬の念が入り混じる体験だった。
砂嵐がおさまった朝はとても気持ち良くて、海岸線を歩いて稲村ヶ崎温泉に行くことにした。
↑左の材木座海岸と右の由比ヶ浜の間には、滑り川(ぬめり川)が流れている。河口は毎日蛇行の具合が変わって形が変わるので、それも面白い。この川には、毎年夏の海水浴場の期間限定で橋がかかるそうだ。残念ながら昨夏はコロナで私はまだ見たことない。今年はかかればいいな。
そうそう、神戸で車を処分して今は no car life。塩害ですぐに車は錆びるし、今のところ歩いてどこにでも行ける立地なんで。でも犬が増えたからもうじきいるかな〜。ま、獣医さんまでは徒歩6分ほどだからとりあえずなんとかサバイブしている。
↑稲村ヶ崎は海に突き出た岬で、潮の流れが激しく、難度の高いサーフィンスポットだそう。この稲村ヶ崎公園の前の海で伝説の「イナムラガサキ・サーフィンクラシック」が開催される。ポスターが刷られ街中に貼り巡らされても、ほぼ毎年天候不順でキャンセルになるそうだ。伝説というのは、幻の、ってことか。「今年は開催されるのかな〜??」がジモティーたちの合言葉のようだ。
鎌倉を舞台にした映画 『海街ダイアリー』は吉田秋生の漫画が原作だが、そのプロローグといえる彼女の作品『ラヴァーズ・キッス』(胸キュン青春物語)のハンサム主人公、訳あり高校生の「ともあき」が入水自殺を試みるのがこの稲村ヶ崎。実際この潮の中では死体はまず見つからないそうで、昔は自殺の名所でもあったみたい。
鎌倉の家を探す手伝いをしてくれた江ノ島在住の友人M子が漫画大好き少女?で、ここに住むならこの漫画を全部読みな、と引っ越してきてすぐに全巻貸してくれた。サザン大好きの私は、桑田さんの歌の中の稲村ヶ崎しか知らなかったのだけど、今ではここの波を見ると恐いな〜と身がすくむ。同じサーファーでも、稲村ヶ崎やこの先の七里ヶ浜の海に入る連中は真剣サーファー、材木座は中年のまったりサーファーだ、ということも知った。
稲村ヶ崎の岬の先は七里ヶ浜、そしてその向こうに見える灯台のある島が江ノ島。その右奥には富士山が見える。↑この日は雲に隠れ気味の富士山だったので、12月に同じスポットから撮った富士山もご覧ください↓
この公園沿いの県道を渡ったところに稲村ヶ崎温泉がある。とても小さな温泉で料金も1500円と高いのだけど、湯船から富士山も見え、私は観光客をあまり相手にしていないこのオフ感が好き(相手にしているのならゴメンなさい!)。泡風呂どころか、休憩所もマッサージチェアも何にもない、っていうのもなかなかだよね。
泉質は、殺菌効果の高い松の有機質成分を含む「モール泉」と呼ばれるもので、太古の時代この辺りは松林が広がっていたものが源泉となっているとか。ねっとりと肌にまとわりつく褐色の「黄金の湯」がとても気持ちが良い。
レストランの食事もたいしたことないのだけど(またまた、すみません!)、景色が良い。↓左に公園、右に江ノ島と富士山が見えるというわけで、湯上りに鎌倉ビールかギネスを飲みながらゆっくりと景色を堪能し、帰りは江ノ電に乗って稲村ヶ崎雨→極楽寺→長谷→由比ヶ浜→そして和田塚で下車して家まで10分歩いて帰る。
12月のある午後。突然の雪予報。でも雪ではなくひょうが降ってきた❄️ちょうどその時、由比ヶ浜を散歩していた友人が写メを撮って送ってくれた↓。なんて幻想的で美しいんだろ!この時も私は、稲村ヶ崎温泉に入っていた・・かな
2月下旬の連休中は、20℃を超える暑い日が数日続いた。緊急事態宣言発令中とは思えない観光客が押し寄せ、小町通りや由比ヶ浜へ向かう若宮大路は人通りが多く、道路は大渋滞。絶対数が少ない飲食店は、どこも一杯。暖かくなってきて、最近の土日はいつも旧市街は混んでいる。
そして、今夕のお散歩模様↑↓ 。
このトンネルの先には防砂フェンスが二つもあった。
階段を降りて海岸に出るトンネルは、こんな感じ↓。
コロナ自粛で行くところもなく、今回は海岸沿いの話ばかりになってしまった〜
なんだかブラタモリみたいだな・・笑(大好きな番組!)
次回は頑張って食べ物の話でもしま〜す!
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