中華料理が2週続きました。大根餅を教えてほしい、という声もタイミングよくあったので、旧正月のご馳走メニュー・パートⅡです。
- 大根餅
- 火鍋 ~ 中国風寄せ鍋
- 白菜の花椒甘酢漬け
- 鶏の唐揚 with 花椒塩
中国ではお正月に餃子を食べる慣習がありますが、香港や広東省、台湾の正月の主役と言えば大根餅です。大晦日が近づくと、現地では腸詰や大根餅の大きなかたまりが店頭に並びます。私が小さい時は、神戸の南京町のはずれににも大根餅を作って売っているおばあさんがいて、時々母と買いに行った記憶があります。日もちがするので、遠方の方にお正月のご挨拶として送ったりもします。もちろん、飲茶のお店では1年中食べられる人気メニューです。それにしても、日本の中華街で売っている大根餅の高いこと。3切れで450円ぐらいしませんか?手間はかかるものの、材料費はとても安いものです。 ‘餅’ といっても、もち米ではなく、うるち米を使った上新粉を使います。台湾のインディカ米を使った上新粉が、正統派大根餅には欠かせないのですが、中華街で簡単に手に入ります。大根は、中サイズ1kgほどのものが20cmの丸型に対して1本ほど。千切りにした大根が、出来上がり時には影も形もなくなっているのにはびっくりですよね。他の材料は、基本的には干し海老、干し椎茸、豚肉、すべてほんの少し。今回は母のレシピを使ったので、揚げネギも少し加えました。玉ねぎとエシャロットの中間のような赤ネギをスライスして油で揚げたネギは、もう一味欲しい時に重宝する調味料で、特にスープに入れると、とても風味がよくなります。
蒸した大根餅はすぐに食べるには切り分けにくいので、この日は、私が事前に作ってきたものを食べていただき、当日作ったものは持ち帰ってもらいました。切り分けてフライパンで焼いてから食べるのですが、おうちでの評判はどうでしたか?思ったより作るのが大変じゃなかった、というご意見が多かったので、懲りずに皆さん家でも作ってくれそうですね。大根の水分量や自分の固さ好みで、水分量を調節して作ってみてくださいね。
火鍋(ホーコー)は中国の寄せ鍋です。元々は羊肉を使った、という説もありますが、唐の時代からあったようで、地方色豊かなものが各地で食べられています。中央を陰陽の形に仕切った金属製の丸鍋の中に、白湯(パイタン)と呼ばれる白濁のスープと、唐辛子や花椒などの辛い味付けの紅湯、麻辣(マーラー)スープの2種類を別々に入れて煮立て、好みの食材を好みのスープに入れて煮て食べる形の火鍋が、日本でも増えているようです。色々な肉団子や練り物も入れるのですが、肉団子は一度油で揚げます。今回は、その油を少し残して白菜も一度炒めてスープを加えたものを、土鍋の底に敷きました。その上に春雨、海老、イカ、かまぼこ、肉団子、厚揚げ、干し椎茸、豆苗をのせました。日本では新鮮なきのこを入れますが、中国ではあえて干したものを入れ、その戻し汁ももちろんスープとして使います。鶏肉を入れても良いスープが出ますが、この日は唐揚があったので省きました。火鍋はそのままでも十分おいしいのですが、沙茶醤(サーチャージャン)という、平目などの魚をベースにした醤をつけて食べてみてもらいました。日本の鍋に比べて手間がかかる~というご意見もありましたが、白菜はトロトロ、一味違った寄せ鍋を楽しんでもらえました。
前回、花椒(ホアジャオ)を車の中に置き忘れたために、メニューを一部変更したので、今回は花椒を使う料理を二品加えました。白菜の花椒甘酢漬けは、ピリさっぱりで、口直しにも良い一品です。下の先がぴりっとする花椒ですが、岩塩と一緒にカラ炒りして作った花椒塩をつけて食べる鶏の唐揚は、意外と油っこくなく病みつきになるかも。下味には生姜、ネギ以外にニンニクを加えてもいいし、衣は片栗粉だけでもいいですよ。中はジューシー、外はカリッと、プロの味に仕上がりましたね。
この日のデザートは、Kさんからいただいた、北京土産の甘~いフルーツ・ティー ‘花果茶‘(水果茶以外にも色々な呼び名があるんですね!)と、小さなフォーチュン・クッキーでした。おみくじの入った ‘フォーチュン・クッキー fortune cookie’ は、アメリカの中華料理店では必ず食事の最後に、勘定書きと一緒にテーブルに出てきます。fortune とは運勢のこと。クッキーを割ると、中から今日の一言が出てきます。南京町で、製造地カリフォルニアのフォーチュン・クッキーを売っていたので、思わず買ってしまいました。嬉しいことに、英文にはちゃんと日本語訳もついています。ちょっと紹介すると、
Don't lose your irrationals! 理性を失うと後悔のもと! You need a quick smart brain! 素早い頭の回転があなたには必要! Don't worry about rumors! ウワサに振り回されたい事! A new idea increase your money! 財テクにひと工夫! などなど。
結構まともな和訳に、ちょっと感心。中国人の家内工業であろうフォーチュン・クッキー屋さんでは、米国生まれの子供達がおみくじの文を考えるらしいよ、とアメリカ在住時代に聞いたことがあります。一世の親達は英語が得意ではないからね。