チャオ・ダル・マーレ  CIAO dal MARE    (旧キッチン・マーレ)

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美味しいイタリアンを食べに海を渡ろう

2015-05-21 | グルメ色な日記

以前船上牡蠣パーティーに誘って下さった Iさんが、淡路島の洲本に美味しいイタリアンの店があるから次回は是非ヨットで行こう、って言ってた約束を忘れずに守ってくれた。

実はこの遠出のブログアップは考えていなかったのに、後日 Iさんからの「ブログ期待しているよ〜」という強力ビームに負けて、今、仕方なくキーボードを叩いている。

 

お天気にも恵まれた日曜日、須磨のヨットハーバーを8時半に出港。車で1時間のところがヨットだと3時間もかかるなんて、優雅〜でも船にあんまり強くない私は実は不安で一杯。湖や運河の多いシアトルにはヨットで行ける水辺のレストランが結構あり、友人の船でちょっと晩御飯を食べに、ってよく行ったのだが、その時はまあ長くても1時間の船旅だったし。。

沖に出て大型船が行き来する辺りになるとヨットは揺れはじめるものだから、私は持参したナビスコのプレミアム・クラッカーを食べることにした。欧米では、船酔いやつわりで気持ち悪い時には、昔っからある、四角い塩味だけのクラッカー saltine cracker を食べると治るというのがおばあちゃんの知恵(豆知識その1)。普通なら口の中がモサモサして飲み込めないはずなのに、よっぽど口の中が濡れていたのか、スッスッと飲み込め、本当にお腹が落ち着いてきて気分がましになったから驚いた。炭酸クラッカーだからタンサンがなんか関係あるのかな?なら、有馬の炭酸せんべいも船酔いに効くのかもね〜って。

正午前にやっと洲本港が見えてきた。いつも繋留する桟橋はドクター海洋が停泊してイベントをしていたため、岸壁に繋留してタイヤをよじ登る。松林の続く大浜海岸を横切り、港から早足約10分でレストランに駆け込む。

車で参加した他のメンバーはすでに着席していて、強面のオーナーシェフが遅れた我々をエントランスで待ちわびていた(なんだか怒られているみたいだったけどね)。

レストラン L'ISOLETTA リゾレッタは予約必須のイタリアン。淡路島の食材を使い、目も舌もうならせる料理を出してくれる。二人前のコースが基本のようで、メインの選び方によって値段が増加していく。

まずは塩を全く使わずトマトの旨味を抽出したクリアーなトマトスープが登場。残念ながら気分がまだ本調子じゃなかったもんだから、写真を撮っていなかった。でも器も可愛く、甘くて美味しいアペリティフのような爽やかなスープをスプーンを使わずにグビッと飲み干す。

懐石のような前菜9品と、40種類もの野菜が入っている宝箱のようなサラダ。筍やふきのとう、もずくなど、イタリアンではあまり使わない食材もうまく溶け込んでいる。店名の入った器をどこで焼いてもらっているのか聞かずだったが、個性ある器たちだった。

真ダコのグリル。タコで有名な明石海峡。IさんはGW中に淡路にセイリングした時も、夜間停泊中のヨットに籠を仕掛けておいたら朝にはタコと伝助穴子が入っていたそうだ。伝助穴子とは、実は普通の穴子が巨大化しただけで同じものだとは知らなかった(豆知識その2)。

さわら。魚へんに春と書く鰆は、産卵のために春に沿岸部にやってくるから春を呼ぶ魚、といわれているだけで、本当は秋・冬の方が味はいいらしい。でもこの日の鰆は私には十分脂がのっていた。鰆を釣ってみたいな〜って Iさんがつぶやくから、エッ釣れないの?って聞くと、漁師でも難しんだよ、って教えられる。回遊魚だから運よく回ってくれば馬鹿釣れだけど、でも歯が強くてルアーも食いちぎられたりするらしい(豆知識その3)。

期待大の淡路牛。柔らかくてちょうど良い焼き加減。特製玉ねぎソルトで食した。サイドの新玉ねぎのフリッターがカリッと揚がっていてとても美味しかった。

アオリイカの内蔵リゾット。イカスミの味が強くなく、とてもあっさりしていた。他にもパスタを選んだメンバーによると、モチモチしていてとても美味しかったらしい。

 

↑シチリアのデザート、カッサラータもアイスキャンデー風に登場。↓淡路産オレンジのシャーベットにチョコレートケーキ。

無愛想な応対と強面で損をしていると思われるオーナー。釣りやヨットの話になったら急に顔がほころび始め、かわいい笑顔になっていた。料理へのこだわりが強いからうんちくも並べるのだろうし、食材の魅力を十二分に活かした丁寧な料理からはオーナーの島の食材への愛情が伝わってきたから、何もかも許せます。本当に美味しかった!

そして、帰りのセイリング時間が押しているので港へ急いで戻る。12歳以下はリゾレッタは入店不可なので、ヨットで待っていた11歳の男の子たち二人↓。留守番を買って出たパパ約一名が、船内で焼きそばを作って食べさせ、ドクター海洋の船内見学にも三人で行ってきたらしい。

帰りは魚釣りの仕掛けを船尾につけて4時間のゆっくりセイリングになるっていうから、車組に入れてもらった。三宮に戻ると、街は神戸まつりで人と音響の山。

帰宅後は、今気に入っているビールで疲れを癒やす。近くのサンクスでは、珍しいビールが限定販売の市場調査でよく並んでいる。ヨーロピアンなビールがコンビニで手に入るなんて、嬉しい時代になった。

とっても美味しい一日を皆さんどうもありがとう。Iさん、次のお誘いお待ちしてま〜す。

 


4月の中華料理

2015-05-04 | 料理教室顛末記

 

台湾帰りだから台湾料理をしようと思ったけれど、季節の食材を考えながらメニューを作ってみたら全部台湾料理とはいきませんでした。伝統的な台湾料類は三杯鶏、魯肉飯、愛玉子、の三品。

  • ツナの揚げワンタン
  • 三杯鶏 サンペイジー
  • 海老詰め生椎茸のあんかけ
  • 筍と青豆の炒めもの
  • 魯肉飯 ルーローファン
  • 海老ワンタン・スープ
  • 愛玉子 オーギョウチ・ゼリー

台湾には九層塔という独特なバジルがあり、炒めものや煮物によく使います。ナスとバジルの炒めものを以前レッスンで作りましたが、それも台湾料理の一つ。今回は鶏もも肉をごま油、ざらめ、醤油などで甘辛く煮込み、バジルを加えたもの。この料理は骨付き鶏肉のぶつ切りを土鍋でそのまま調理して食卓にだしても見栄えがしますよ。

肉厚な生椎茸が、一年で一番美味しい季節です。海老をたたいて詰めたものをサッと蒸してあんかけをかけました。面倒だから自宅ではしなくてもいいけれど、あらかじめ鶏ガラスープで椎茸を数分煮て味を染みさせてから海老を詰めたから、美味しく仕上がったと思います。

生椎茸と並んで筍もまだなんとか旬。茹でた筍を少し目先を変えてごま油で焼いた料理です。ごま油は色が白い太白を使いました。青豆はそら豆、スナックえんどう、きぬさやなどなんでも。じっくりと両面を焼いて粗塩をかけただけですが、春らしい一品ですよね。

さて、今回のメインといえる魯肉飯ルーローファン。細切り豚肉を煮込んだ丼料理、台湾人のソウルフードです。食堂や屋台、どこでも食べられるのだけれど、豚肉以外に入る具材は椎茸や玉ねぎや、店によって違います。今回は、肉まんにもよく使われる高菜漬けを加えてみました。ついでにゆで卵も投入してしまいましたが、これは普通は入っていません。

中国本土各地からの移民によって伝えられた料理が混在する台湾。北方から移動してきた客家はっかは遊牧民だったため、長期保存がきいて携帯しやすい乾物、漬物、燻製を使う、という特徴が客家料理にはあります。高菜漬けもしかり、大根の漬物を入れる台湾の玉子焼きもルーツはここですね。

豚肉はミンチではなく、面倒だけど1cm大に細かく切ったものを使う方が味にも食感にも奥行きが広がるので、頑張って切ってください。本当はバラ肉を使うのですが、脂身の少ない肩ロースでも十分美味しくできましたね。煮込み終わったら、ニンニクと唐辛子で炒めておいた高菜を加え入れます。

日本の丼とは違って小ぶりのお茶碗サイズで、他のおかずも同時に色々と食べます。なんかお箸が止まらない味ですよね。魯肉飯に欠かせない五香粉ウーシャンフェンは、台湾料理には必ず入っているといっても過言ではないスパイスです。温泉地宜蘭の岩盤浴で汗をおもいっきりかいたら、ゲッ、汗が五香粉の匂いでした〜

味の濃い魯肉飯にはあっさりスープを。揚げワンタンの皮と、海老が余っているからそれを使ってもの凄く簡単なワンタンスープにしてみました。海老は叩かず、下味をしっかりつけただけのものを包んだだけ。ブラックタイガーは身が硬いので、できれば天然やパナメイ海老を使ってください。冷凍むきえびでも美味しくできます。スープの味付けは、これまた台湾料理に大いに使われる揚げネギ(スライスしたエシャロットを揚げたもの)と鶏がらスープだけと超シンプル。揚げネギは魯肉飯にも、大根餅や油飯にも大活躍しているでしょ。

今回のデザートは満腹紀行その1に登場した愛玉子オーギョウチゼリー。南京町で缶詰のものを買えるので林商店に行くと、本物の愛玉の種子と布袋のセットが同じ棚に並んでいました。初めてみたよ。まさかの驚き。そこで向学のためにそれも一袋買い、最終レッスンの豊中教室では実際にゼリー作りをしてみました。

勝手にゼリー化してくれるなんてすごい植物だよね。出来上がったゼリーには三温糖で作ったシロップとレモン汁をかけて。缶詰ものがこんにゃく芋も入っているから固めなのに比べて、手作りのものは柔らかくほんのり植物臭いけれど美味しかったですね。

デザートが簡単だったから、おまけでツナ缶を使った揚げワンタンを加えました。これからの季節、ビールのおつまみにもピッタリでしょ。

差し入れのお土産がいつもたくさん。↑台湾名物のパイナップルケーキにと、ちょうど台湾からのお土産を頂いたとTさんが持って来てくれたのが紫イモを使ったお饅頭。

 

↑豊中教室でお味見してもらった宜蘭名物の牛タンクッキー宜蘭餅。ラングドシャのような薄いクッキーなんだけど、なんでわざわざ牛タンの形なんだろうね?「牛が有名なの?」って聞かれたから、「いや、葱が特産品らしいよ」と答えました。その右隣りの白い筒状のものは、葱糖といって、白髪葱に見立てた飴菓子。

よそ見していたら、ほら、またUちゃんがお馬鹿なことを牛タンクッキーでしていました。数年前、大口開けてサンドイッチにかぶりついていた写真の、彼女です。お孫ちゃんができてもベロベロバーで健在です。でも赤ん坊は泣き出すかもよ。

そうそう、台湾から冷凍で持ち帰った肉圓バーワンもお味見してもらいました↑。甘いお味噌と香菜が決めて。皆さんのお口に合ったようで良かったです。

GW真っ只中。北野では、花びらアートのインフィラータが目を楽しませてくれました。↑こちらは着物美人。分かるかな?

5月のレッスン:

  • 10日(日): 第2回ワイン教室@梅林寺
  • 22日(金)、26日(火): 洋食@神戸教室 
  • 6月4日(木): 洋食@豊中教室