以前船上牡蠣パーティーに誘って下さった Iさんが、淡路島の洲本に美味しいイタリアンの店があるから次回は是非ヨットで行こう、って言ってた約束を忘れずに守ってくれた。
実はこの遠出のブログアップは考えていなかったのに、後日 Iさんからの「ブログ期待しているよ〜」という強力ビームに負けて、今、仕方なくキーボードを叩いている。
お天気にも恵まれた日曜日、須磨のヨットハーバーを8時半に出港。車で1時間のところがヨットだと3時間もかかるなんて、優雅〜でも船にあんまり強くない私は実は不安で一杯。湖や運河の多いシアトルにはヨットで行ける水辺のレストランが結構あり、友人の船でちょっと晩御飯を食べに、ってよく行ったのだが、その時はまあ長くても1時間の船旅だったし。。
沖に出て大型船が行き来する辺りになるとヨットは揺れはじめるものだから、私は持参したナビスコのプレミアム・クラッカーを食べることにした。欧米では、船酔いやつわりで気持ち悪い時には、昔っからある、四角い塩味だけのクラッカー saltine cracker を食べると治るというのがおばあちゃんの知恵(豆知識その1)。普通なら口の中がモサモサして飲み込めないはずなのに、よっぽど口の中が濡れていたのか、スッスッと飲み込め、本当にお腹が落ち着いてきて気分がましになったから驚いた。炭酸クラッカーだからタンサンがなんか関係あるのかな?なら、有馬の炭酸せんべいも船酔いに効くのかもね〜って。
正午前にやっと洲本港が見えてきた。いつも繋留する桟橋はドクター海洋が停泊してイベントをしていたため、岸壁に繋留してタイヤをよじ登る。松林の続く大浜海岸を横切り、港から早足約10分でレストランに駆け込む。
車で参加した他のメンバーはすでに着席していて、強面のオーナーシェフが遅れた我々をエントランスで待ちわびていた(なんだか怒られているみたいだったけどね)。
レストラン L'ISOLETTA リゾレッタは予約必須のイタリアン。淡路島の食材を使い、目も舌もうならせる料理を出してくれる。二人前のコースが基本のようで、メインの選び方によって値段が増加していく。
まずは塩を全く使わずトマトの旨味を抽出したクリアーなトマトスープが登場。残念ながら気分がまだ本調子じゃなかったもんだから、写真を撮っていなかった。でも器も可愛く、甘くて美味しいアペリティフのような爽やかなスープをスプーンを使わずにグビッと飲み干す。
懐石のような前菜9品と、40種類もの野菜が入っている宝箱のようなサラダ。筍やふきのとう、もずくなど、イタリアンではあまり使わない食材もうまく溶け込んでいる。店名の入った器をどこで焼いてもらっているのか聞かずだったが、個性ある器たちだった。
真ダコのグリル。タコで有名な明石海峡。IさんはGW中に淡路にセイリングした時も、夜間停泊中のヨットに籠を仕掛けておいたら朝にはタコと伝助穴子が入っていたそうだ。伝助穴子とは、実は普通の穴子が巨大化しただけで同じものだとは知らなかった(豆知識その2)。
さわら。魚へんに春と書く鰆は、産卵のために春に沿岸部にやってくるから春を呼ぶ魚、といわれているだけで、本当は秋・冬の方が味はいいらしい。でもこの日の鰆は私には十分脂がのっていた。鰆を釣ってみたいな〜って Iさんがつぶやくから、エッ釣れないの?って聞くと、漁師でも難しんだよ、って教えられる。回遊魚だから運よく回ってくれば馬鹿釣れだけど、でも歯が強くてルアーも食いちぎられたりするらしい(豆知識その3)。
期待大の淡路牛。柔らかくてちょうど良い焼き加減。特製玉ねぎソルトで食した。サイドの新玉ねぎのフリッターがカリッと揚がっていてとても美味しかった。
アオリイカの内蔵リゾット。イカスミの味が強くなく、とてもあっさりしていた。他にもパスタを選んだメンバーによると、モチモチしていてとても美味しかったらしい。
↑シチリアのデザート、カッサラータもアイスキャンデー風に登場。↓淡路産オレンジのシャーベットにチョコレートケーキ。
無愛想な応対と強面で損をしていると思われるオーナー。釣りやヨットの話になったら急に顔がほころび始め、かわいい笑顔になっていた。料理へのこだわりが強いからうんちくも並べるのだろうし、食材の魅力を十二分に活かした丁寧な料理からはオーナーの島の食材への愛情が伝わってきたから、何もかも許せます。本当に美味しかった!
そして、帰りのセイリング時間が押しているので港へ急いで戻る。12歳以下はリゾレッタは入店不可なので、ヨットで待っていた11歳の男の子たち二人↓。留守番を買って出たパパ約一名が、船内で焼きそばを作って食べさせ、ドクター海洋の船内見学にも三人で行ってきたらしい。
帰りは魚釣りの仕掛けを船尾につけて4時間のゆっくりセイリングになるっていうから、車組に入れてもらった。三宮に戻ると、街は神戸まつりで人と音響の山。
帰宅後は、今気に入っているビールで疲れを癒やす。近くのサンクスでは、珍しいビールが限定販売の市場調査でよく並んでいる。ヨーロピアンなビールがコンビニで手に入るなんて、嬉しい時代になった。
とっても美味しい一日を皆さんどうもありがとう。Iさん、次のお誘いお待ちしてま〜す。