昨晩は繁昌亭へ。
今年初。
京都から京阪で入ったのだが、
中之島行きの快速急行に乗っていたので
いつもの天満橋ではなく、なにわ橋まで行ってみる。
繁昌亭までの距離はあまり変わらない感じ。
橋渡った北側が天満の源蔵町、なのだが、
地名は西天満何丁目で、「源蔵町」と分かるものは特に見つからなかった。
# 「源蔵町」って、
天神様に絡めて武部源蔵からとっているんだろうなあ。
「らくご屋」でCDを2枚買い、
ちょっと時間をつぶして「雀三郎・出丸ふたり会」へ。
「代書」(雀太):△+
相変わらず、不快感を持ってしまう芸風、身のこなし。
妙に作っている感じ、不自然な感じが気に障るのだろうか。
ネタは枝雀ライン。雀々からかな。
代書屋のおさまった雰囲気は、まあ悪くない。
ただこの代書屋、「字の書けない客への優越感」「バカにする目」が
ベースにあると思うのだが、それは感じられなかった。
あと、代書屋にとってこの客はあまりにも異質な存在で、
最初は「何を言っているか、何でそんな思考をするのか全く想像できない」ところから
始まり、次第に巻き込まれていく、という流れだと思うのだが、
割と最初から根本的な「ずれ」はないまま進んでいった感じ。
松本留五郎は、喋り方が気になって好きになれない。
あと、「留五郎」「松本」を伝えていく流れが
代書屋がたまたま言った名前にヒットするのではなく、
言われている中で自分から思い出して答えているのだが、
この「留」の造型とずれていると思う。
生理的に好きになれない人なのだが、
代書屋のベースの雰囲気はまあ悪くなかったかな、という感じ。
「狸の化寺」(出丸):△+
あまり印象に残っていない。
まあ、いつも通りかな。
最初の遼五郎と庄屋さんの会話で、カミやや多し。
サゲへの持っていき方で少しごちゃごちゃした感じ。
「二番煎じ」(雀三郎):○-
マクラやネタに入ってしばらくはあまりウケず。
「宗助さん」を使いまくるところもあまりハマらなかった。
廻り出しての源氏節や謡などで、ようやく客がついてきたように思う。
個人的には「わいの悲劇」みたいで
あまり好きになれない科白・設定ではあるのだが。
戻ってきての連中の会話も賑やかで良い。
鍋を背負ってきた、はなし。
江戸に比べて、この場面の連中はけっこう若い感じ。
個人的には江戸の方が好み。
侍が良い。
単にお酒が好きで、特に職権を振りかざす訳でなく、
楽しそうに喋り、飲み、食べていた。
連中が火傷したネギで火傷せず、
連中に「侍はさすが」と喋らせるのは面白い。
「淀五郎」(出丸):○-
トチリ倒し、カミまくりで酷いかな、と予想していたのだが、
意外に悪くなかった。
当然、全くなかった訳ではないが、聞いてしんどい程ではない。
このネタ、淀五郎より多見蔵がメインになると思うのだが、
はっきり皮肉っぽく言うところはあまりなし。
私はその方が好み。
一言だけキツく嫌味に言っていたが、それもなくて良いと思う。
単に「厳しく、きっちり、言葉数少なく言う」人なのだが
周りにはそれが皮肉と聞こえる、というものだろう。
例えば「本当に腹を切ったらええねや」というのも
この人としては普通に言っているのだと思う。
芝居もそう違和感なし。
最初の淀五郎の芝居が本当にクサそうで良かった。
サゲのところはトントンといかず、
そこは良くない。
冷静に考えたら無理なところがあるので
(七三を見ようとしたら、先に傍に来ている由良之助が目に入るだろう)
あまり考えさせずにリズムで運ぶ必要があると思うのだが、
少し科白・地の文が多かったように思う。
「けんげしゃ茶屋」(雀三郎):○+
マクラで「悪戯をするなら間から金を出しておく必要がある」といった話を振る。
個人的には、なくてもよい話だと思うが、
客が嫌な気にならずに悪戯を楽しめる仕込になるかも知れない。
旦那がけっこう枯れた雰囲気。
悪戯の時の楽しそうな様子で落差が出て良い。
丁寧にきっちりと科白を伝え、
国鶴さんなり母親なりの気持ちの動きを伝えている。
旦那が軽く洒落で(あまり気持ちを込めずに)言っているので、
客として気分が悪くならずに聞けるのだろう。
幇間が上がってからが難しいネタだと思うのだが、
そこもあまり怒り過ぎず、良かった。
サゲの転換は充分に利かなかった、と感じたが、
そこはこのネタの限界かも。
今年初。
京都から京阪で入ったのだが、
中之島行きの快速急行に乗っていたので
いつもの天満橋ではなく、なにわ橋まで行ってみる。
繁昌亭までの距離はあまり変わらない感じ。
橋渡った北側が天満の源蔵町、なのだが、
地名は西天満何丁目で、「源蔵町」と分かるものは特に見つからなかった。
# 「源蔵町」って、
天神様に絡めて武部源蔵からとっているんだろうなあ。
「らくご屋」でCDを2枚買い、
ちょっと時間をつぶして「雀三郎・出丸ふたり会」へ。
「代書」(雀太):△+
相変わらず、不快感を持ってしまう芸風、身のこなし。
妙に作っている感じ、不自然な感じが気に障るのだろうか。
ネタは枝雀ライン。雀々からかな。
代書屋のおさまった雰囲気は、まあ悪くない。
ただこの代書屋、「字の書けない客への優越感」「バカにする目」が
ベースにあると思うのだが、それは感じられなかった。
あと、代書屋にとってこの客はあまりにも異質な存在で、
最初は「何を言っているか、何でそんな思考をするのか全く想像できない」ところから
始まり、次第に巻き込まれていく、という流れだと思うのだが、
割と最初から根本的な「ずれ」はないまま進んでいった感じ。
松本留五郎は、喋り方が気になって好きになれない。
あと、「留五郎」「松本」を伝えていく流れが
代書屋がたまたま言った名前にヒットするのではなく、
言われている中で自分から思い出して答えているのだが、
この「留」の造型とずれていると思う。
生理的に好きになれない人なのだが、
代書屋のベースの雰囲気はまあ悪くなかったかな、という感じ。
「狸の化寺」(出丸):△+
あまり印象に残っていない。
まあ、いつも通りかな。
最初の遼五郎と庄屋さんの会話で、カミやや多し。
サゲへの持っていき方で少しごちゃごちゃした感じ。
「二番煎じ」(雀三郎):○-
マクラやネタに入ってしばらくはあまりウケず。
「宗助さん」を使いまくるところもあまりハマらなかった。
廻り出しての源氏節や謡などで、ようやく客がついてきたように思う。
個人的には「わいの悲劇」みたいで
あまり好きになれない科白・設定ではあるのだが。
戻ってきての連中の会話も賑やかで良い。
鍋を背負ってきた、はなし。
江戸に比べて、この場面の連中はけっこう若い感じ。
個人的には江戸の方が好み。
侍が良い。
単にお酒が好きで、特に職権を振りかざす訳でなく、
楽しそうに喋り、飲み、食べていた。
連中が火傷したネギで火傷せず、
連中に「侍はさすが」と喋らせるのは面白い。
「淀五郎」(出丸):○-
トチリ倒し、カミまくりで酷いかな、と予想していたのだが、
意外に悪くなかった。
当然、全くなかった訳ではないが、聞いてしんどい程ではない。
このネタ、淀五郎より多見蔵がメインになると思うのだが、
はっきり皮肉っぽく言うところはあまりなし。
私はその方が好み。
一言だけキツく嫌味に言っていたが、それもなくて良いと思う。
単に「厳しく、きっちり、言葉数少なく言う」人なのだが
周りにはそれが皮肉と聞こえる、というものだろう。
例えば「本当に腹を切ったらええねや」というのも
この人としては普通に言っているのだと思う。
芝居もそう違和感なし。
最初の淀五郎の芝居が本当にクサそうで良かった。
サゲのところはトントンといかず、
そこは良くない。
冷静に考えたら無理なところがあるので
(七三を見ようとしたら、先に傍に来ている由良之助が目に入るだろう)
あまり考えさせずにリズムで運ぶ必要があると思うのだが、
少し科白・地の文が多かったように思う。
「けんげしゃ茶屋」(雀三郎):○+
マクラで「悪戯をするなら間から金を出しておく必要がある」といった話を振る。
個人的には、なくてもよい話だと思うが、
客が嫌な気にならずに悪戯を楽しめる仕込になるかも知れない。
旦那がけっこう枯れた雰囲気。
悪戯の時の楽しそうな様子で落差が出て良い。
丁寧にきっちりと科白を伝え、
国鶴さんなり母親なりの気持ちの動きを伝えている。
旦那が軽く洒落で(あまり気持ちを込めずに)言っているので、
客として気分が悪くならずに聞けるのだろう。
幇間が上がってからが難しいネタだと思うのだが、
そこもあまり怒り過ぎず、良かった。
サゲの転換は充分に利かなかった、と感じたが、
そこはこのネタの限界かも。