朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

初落語、動楽亭昼席~1月席9日目~

2011年01月10日 20時42分36秒 | 落語・講談・お笑い
松竹座で「土屋主税」を見た後、
動物園前まで歩いて動楽亭へ。

13時前に着いたのだが、既に下まで並んでいた。
結局80人以上の入り。


「子ほめ」(あおば):△

開演15分前に出てくる。
10日間「子ほめ」を演っているらしい。

声が非常によく出ている。
上下を切った時に目線がぶれないのが良い。
少し訛りが気になるかな。間などはこれからだろう。

「ミルク人形に似ている、腹押すと口からミルクを吐き出す」は初めて聞いたが、
「死んでしまうがな」に自然につながるし、面白かった。
産まれた日にミルク飲むかな、とも思ったが、まあ構わないだろう。


「運廻し」(優々):△+

表情の付け方などに、
「こうやったら、こうウケるだろう」の計算が鼻に付き、
少し不快に感じるところ、無きにしもあらず。
ただ、表情付けや仕草など、クサいとも言えるが、陽気なのは良い。
会場全体の雰囲気を明るくし、笑い易い空気を作っていた。

「一杯飲もうか」という若い連中のワチャワチャをやり、
兄貴の家へ。
それに際して「1升瓶を割った」などなく、
ストレートに「金がない、飲ませてくれ」と頼みに行く。
これはこれで良いかな。

「運廻し」の場面は普通に。
「先年神泉苑…」の前に「最後」と言ってしまったのは頂けないけど。


「商売根問」(佐ん吉):○+

軽くあおばをいじってネタに入る。

「雀」「鶯」「ガタロ」。
居所を聞いていくところから、何を言ってもウケる状態になっていた。
今まで聞いた「商売根問」の中で、一番ウケていたかも。

優々が作った雰囲気に上手く乗っていたこともあるが、
アホの強弱の付け方、おっさんのツッコミの押し・引きが
上手くウケを増幅するように出来ていた。
しかも不自然でなく、微妙なバランスがとれていたと思う。
そしてこのあたりが、この日の客にぴたっとハマった印象。


「狸のさい」(よね吉):△+

マクラから客をいじるところが少し気に障る。

「ゆるキャラ」話は良かったが、
そこから動物が可愛い、という話に入ったところの
「ネタに入ろうとしている」感じが少し不細工。

「化けるの忘れていた」お決まりのマクラから
(ここもあまりウケなかったことに言及する)、
ネタに入っていく。

このネタ、生で見る機会はあまりない。
(少なくとも、ここ5年では一度も聞いていない。)
前座ネタではあるが、「洒落ている」類のネタであり、
爆笑がなかなか取れないからでは、と思う。
よね吉はけっこうウケていた。
ウケを取りにいく科白は
「ここは笑う科白」と示すように気張って言い、
狸もクサ目に演じていた。
そのあたりが奏功したのでは、と思う。
好きか嫌いか、と言うとあまり好きではないが、
仕方がないかな、とも感じる。


「かぜうどん」(雀三郎):○

マクラの「売り声」から枝雀ライン。
よくウケていた。

ネタは、寒さや風の強さが非常によく表われている。
このネタはそのあたりが出ないと、
単に「バクチだと思ったら風邪だった」
スカタンだけの噺になってしまう気がする。

賭場の兄貴分や若い連中のパアパアした雰囲気が自然で良い。
うどん屋は少しクサ目で若干不自然で、枝雀そのままと感じてしまったが、
まあ、満足できる出来。


「佐々木裁き」(千朝):△+

マクラはテレビの話や子どもの頃の話など。

ネタは、子どもも佐々木信濃守も千朝の動き、表情、口調で、
見ていてよく分からん。
もっともらしい奉行が子どもにやり込められるのが
このネタの全体の構造だと思っているのだが、
奉行の動きが落ち着かないし、人間の厚みも表現されていないので、
そのあたりの落差が効かない。
子どもの憎たらしさはこの人のニンがよく出ていたし、
小憎らしい科白の可笑しさでウケはとっていたが。
まあ、所詮その程度のネタ、なのかも知れないな。


「不動坊」(紅雀):△+

久し振りにこの人を見た。

マクラを振らずにネタに入る。
ネタは普通。
この人の明るい声の調子、表情が良い。

利吉の浮かれているところに重点を置いていたように思う。
まあまあウケていたが、少し早口で、
ノロケた科白などを言ってから笑いがくるまで微妙に間が空くことがあった。
客に伝わるのに少し時間がかかった様子。

家主さんが入ってくるところや利吉が風呂場に向かうところで
寒さの描写が入っているが、
「描写している」と目に見えるレベル。
全体を通底しての「寒い」空気は表現されていない。

風呂場の場面は楽しそう。
周囲の人間の反応も濃い目に描いている。

徳さんが現れた時、
利吉は「好きな直し屋の徳さん」とか言い繕わずに帰ってしまう。
この方がスピード感があって良いかも。

やもめ連中の相談や、軽田胴斎はまあまあ。
ただ「ゆうさん」と「新さん」の違いがイマイチ分からない。

利吉の屋根の上でゆうさんがキレるところ、
素に戻ってしまっていた感じ。
ゆうさんのちょっと抜けた人物像が描写されていなかった。

幽霊の顔に岩海苔を付けたり、唇に唐辛子水を塗ったりするのは初めて見た。
ぶら下げたところで「鬱陶しい」「辛い辛い」とか言って
そのあたりを拾ってウケを取ったり、
紐でくくられて「痛い痛い」を繰り返したりしていたが、
個人的には少しくどく感じられた。


結局、16時45分頃終演。
客が多くウケも良かったところに演者も上手く乗れた感じで、満腹。
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初芝居、土屋主税

2011年01月10日 06時12分10秒 | 歌舞伎・文楽
昨日は松竹座へ。
今年最初の歌舞伎行き。

幕見チケットを買って時間つぶしに近くのツタヤへ行ったが、
十日戎(宵宮だが)で宝恵駕籠が道頓堀に出ており、
やたら道が混んでいる。
松竹座の前でも挨拶やら「大阪締め」やらをやっていた。

昼の部1幕目の「土屋主税」。
初代雁治郎が選定した「玩辞楼十二曲」の1つ、らしい。

話としては忠臣蔵の外伝にあたるのだろう。
大高源吾が(討ち入りの前から)宝井其角に弟子入りしていた、という設定を
ベースにしている。
まあ、「松浦の太鼓」と似た感じではあるな。

筋としては大したものではなく、
討ち入りを誤魔化すために「他の大名に仕官した」と偽り、
周りからボロカスのように言われるが、
実は討ち入りをした忠臣だ、あっぱれだ、と言われる、というもの。
一つのパターンだな。

第1幕は其角の住まい。
軽く明礬のやりとりがあった後、
其角と源吾のやりとり、其月という侍が罵る場面があり、
最後其角の句に対して源吾が脇句を付けて
それとなく仇討ちに向かう気持ちを表す。

橘三郎(嵐橘三郎なんだな。「伊丹屋」らしい)の宝井其角、
染五郎の大高源吾はまあ普通。
薪車の其月は儲け役やね。
調子良く罵倒していた。

第2幕は土屋主税の屋敷。
翫雀の土屋主税は、赤穂浪士に肩入れしているところはよく分かった。
ただ、少しストレートに出過ぎているかも知れない。
旗本という体制側の人間として、
本来は赤穂浪士を支援してはいけないのだが、心情として成功して欲しい、
といったせめぎ合いがあった方が深みが出るように思う。
あと「玩辞楼十二曲」に入っているからには、
ただ侍というだけでなく、
何となくの柔らかい風情や雰囲気が求められるのだと思うのだが、
そのあたりは感じられなかった。
それが翫雀の芸風だし、仕方ないところかも知れない。
旗本の真っ直ぐな気持ちはよく出ていたと思う。

扇雀の侍女が酷いなあ。
感情表現とか何とか以前に、
声色が安定しないし、声・強弱の付け方や間が歌舞伎のものとは思えず、
聞いていて落ち着かない。
調子が悪いだけなら、まだ良いのだが。

全体には他愛ない筋で、のんびり見られた。
主税と討ち入りを終えた源吾が対面する場面は、
それでも少しじーんときたし。


12時15分頃終わり。
動楽亭に向かった。
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1月9日(日)のつぶやき

2011年01月10日 01時32分03秒 | つぶやき
04:54 from Twit for Windows
起床。土曜に出勤しても休みが2日ある、ってのは有難いな。
05:30 from Twit for Windows
規制緩和に問題があるのではなく、規制緩和の結果増えた安かろう悪かろうの店に、生活に困っている訳でもないのに通う国民のレベルに問題があると思う。規制を続ければ良かった、という問題ではあるまい。
06:22 from Tweet Button
三河の人間を名古屋市長選に擁立するのは、センスが悪くないか?>名古屋市長選:共産系団体、八田氏を擁立へ - 毎日jp(毎日新聞) http://t.co/xsfZXS5 via @mainichijpnews
06:34 from goo
富十郎の死 #goo_kkmaru http://bit.ly/eNGgi3
06:58 from web
落ちるほど飲むなよな、バカが。自分の体は自分で守るもの、という基本的な認識が薄れ、そこも他人任せ、何かあったら他人の責任、になっているのか?>ホーム人身事故、増える酔客絡み 注意呼びかけにも限界 http://t.asahi.com/11tj
07:04 from Twit for Windows
北朝鮮の核ミサイル云々言っているけど、日本向けのミサイルに核を搭載する必要はないよな。福島や若狭の原発に向けて普通のミサイル撃ち込んだら同じこと。防衛と称して自衛隊を増強しようとする奴らは、そちらのリスクについては何も語らんのだな。国土防衛なんて、本気では考えていないんだろう。
07:19 from Twit for Windows
「芸術祭新人賞受賞記念」で2月に南湖が6日間やるようだが、ゲストの中で「坂本頼光」ってのが気になるな。http://bit.ly/fDmjwU旭堂南湖漫遊記:So-netブログ
09:04 from モバツイ
お前が言ってる「日本の伝統」は、明治以後のたかだか150年の伝統だろうが。「伝統の破壊」と言うなら、明治維新や富国強兵こそ伝統破壊。都合のいいところだけ「伝統」と言うな、阿呆が。
09:28 from モバツイ
外出。まずは松竹座に向かわん。…1幕目の終演、何時やろか。
10:42 from モバツイ
道頓堀。宝恵駕籠が出てる。
12:23 from モバツイ
松竹座終わり。動楽亭に向かう。
13:06 from モバツイ
動楽亭。松竹座から30分あれば着けるな。開場30分前で、既に階段の下まで並んでいる。
17:13 from モバツイ
動楽亭昼席終演。「子ほめ」あおば「運まわし」優々「商売根問」佐ん吉「狸さい」よね吉「かぜうどん」雀三郎「佐々木裁き」千朝「不動坊」紅雀。客80人くらいで、全体にウケ多し。
19:13 from モバツイ
東通りの東北・北海道料理の店で飲み。…うん、2度と来るまい。酒は変になっているし、きりたんぽは待たされた挙句、冷めているし。これならいつもどおり、「がんこ」で飲んでいる方がマシ。
21:00 from Twit for Windows
帰宅。4合飲むとさすがに体がダルい。今日のタスクは終わっていないが、まあ、最悪明日やればいいだろう。
21:26 from Tweet Button
おやおや…。まあ、また別の機会に出演するでしょう。>中村勘三郎、過労で新作舞台を休演「悔やまれてなりません」 ニュース-ORICON STYLE- http://t.co/gNDBTR0 via @oricon
22:24 from Tweet Button
http://t.co/LX3wQYx病院の病床数、1年間で8600床減-10月末概数 - 医療介護CBニュース - キャリアブレイン
by kkmaru on Twitter
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