●事例で見る社労士業務
「家族の介護が必要な労働者を活用する企業を支える取り組み事例」ということで、
愛知会の菅田芳恵さんの取り組みの紹介。
個人的には育児休業に比して介護休業制度について
あまり考えてこなかったのだが、
その考えを改める必要がある、と認識できた。
・介護をしながら働いている人は全国で291万人
6割が40~50歳代
・介護離職者が年間14万人
・介護休業の利用はわずか6%
職場にとって要職を担っている社員が、仕事と介護の両立に悩み、会社を辞めざるを得ない。
誰もが当事者になり得る。
終わりが見えない介護の実情からすれば、
「短時間勤務制度の導入」と公平な運用、全社員への周知、
そして「お互いさま」という職場風土の形成がポイント。
特に
「育児は一部(結婚している人のみ)の問題だが、
介護は全ての人に関わるということ。
そのために必要なことは「お互いさま」」という職場風土づくり」
というところが印象に残った。
●実務解説最前線
「行政におけるブラック企業対策の動向と社労士の役割」ということで、
労働基準監督官経験の長い福岡会の原諭さんの記事。
・確信犯的に法令違反を繰り返す事業場については
「問題事業場」「申告常習事業場」と監督署内部で呼んで、
常時アンテナを広げて情報収集していた。
・「ブラック企業対策」として、
若者の「使い捨て」等が疑われる企業等に対して
監督署によって重点的な監督指導が実施された。
その際、比較的連携の薄かった職業安定局から情報の提供を受けた労働基準局が、
離職者数の多い企業をリストアップして監督対象とした。
・現実には社労士に依頼もしていないような小さな企業が多数存在し、
想像もできないような労働環境下で仕事をしている労働者が多数存在する。
「真に会社のためになるよう」「100年後も会社が継続するために」
助言するのが社労士の役割。
●職場と健康
「メンタルタフネス講座」第1回ということで
「折れやすい部下の心を知る」という内容。
「単に「折れやすい」「取り扱い注意」で済ませるのではなく、
若手社員の心理の仕組みを知り、その対策を学習する機会は少ない」というのは同感。
「折れやすい」性格を
「メランコリー型」「執着気質」「自己愛、依存傾向型」の3つに分類し、
それぞれの特徴、弱点、ざっくりとした対応方針を説く。
それぞれの性格を
「まず変わることはなく、管理職が対応を変える必要がある」としている。
次号以降で具体的、実践的なコミュニケーションが解説されていく、とのこと。
興味深い内容になりそうだと感じた。
※この本を書いている方らしい。
連載を見て良さそうであればまた買ってみるか。