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これが拓本の出来上がりです。
写真の石碑にどれだけ近づけたか。
拓の方はうまくいきました。
さて、この「こんなにうまい水があふれている」は
「水」が強調されていることと
「て」(変体仮名で天)の一画目が特徴的です。
元字はまだ見つけられません。
同じ句を書いたものの図版はあいましたが、
さらさらとペンのように書かれています。
あれから、山頭火の自筆について調べてみましたが、
短冊、色紙、半切にたくさん残っているようです。
同じ句を何度も何度も書いています。
当然出来の良し悪しはあります。
晩年の作、特に59才のものが、切れ味鋭いすばらしいものが多いです。
したがって、最後の場所、四国の松山に、いいものがあると思います。
石碑には、建立した人の思いがありますから、
元にする字も同じ句でもいろいろです。
防府の石碑とは違う元字のものが、松山にはあるでしょうね。
いつか行かねばなりません。
そっくりさんというより
レプリカのようで、
山頭火の筆致を追体験できますね。
山頭火の書は晩年がすばらしい、
というお考え、ああそうなのかと思いました。
参考になります。
よくできたほうですね。
さて、字の方は、いわゆる「文人の書」の類に入るのですが、個人的には、書家の書よりずっと好きですね。
良寛、西行、放哉等、それから禅の坊さんの書は
その精神性においてずば抜けています。
凄みがあります。
山頭火も晩年のものは、その域に達していると思います。