【前回の続きです】
ナミが朝市で買った荷物を置いてきたいっつう事で、一旦コテージに戻る。
朝食会場だって言うレストラン『トロティネ』は、俺達の居るコテージの直ぐ側、同じ並びに在った。
これはかなり有難ェと思った。
窓から見えてた硝子張りの建物の中に入ると、もう早大勢の客が飯を食っている所だった。
朝食はバイキング形式、料理に群がってる客を見て、ルフィが不安そうな表情を浮かべる。
自分の分まで食われちまってねェか、気が気じゃねェんだろう。
朝食券を渡して席まで案内して貰う。
湖畔を眺める良い席だった。
着いたと同時に早速ルフィが飛び出してく。
入口横にずらり並んだ料理目にして、「すげー!!」とか「うひょー!!」とか奇声上げてのはしゃぎっぷりだ。
「…私達の分まで残しといてくれるかしら?」
「愚問だろ。あいつが食った跡はペンペン草1本残っちゃいねェって知ってるだろが。」
「………ちょっと釘刺しとく!」
ルフィを追って、ナミも飛び出してった。
早速ペカンと奴の頭を叩いてる。
店の人まで慌てて飛んで来た。
まったく、営業妨害甚だしいコンビだぜ。
今側行ったら間違い無く巻き込まれるな…。
そう考えた俺は、2人が戻るまで、我関せずの姿勢で居る事にした。
「やっぱバイキングは良いよなァ~♪好きなだけ食いもん取って食えるなんて天国みてェだぜ♪」
「だからって、ほぼ全種類のおかず攫って来てんじゃない!!…少しは私達や他のお客さんの事も考えて加減しなさいよ!!」
「ひゃんほはへんひへよほっひゃひゃほ~~!?」
口いっぱいに飯頬張ってルフィが返す。
…まァ、確かに、こいつにしては加減した方なんだろう、これでも。
ナミから1メニューにつき2掬いまでとか決められたらしく、しかもテーブルに乗り切れる様工夫してなのか、1枚の皿に全品少しづつ盛って重ねてある。
白飯近海産カマスの塩焼き南瓜のそぼろ煮込みおでんにキンピラ漬物有明産の焼海苔ヒジキの握り飯マカロニサラダ山芋とカイワレのサラダ海藻サラダ胡瓜レタストマトスクランブルエッグゆで卵ウィンナーフライドポテトクロワッサンホットサンド蒸しパンバナナマフィンその他諸々全部一緒に重ねて……てっきりピサの斜塔でも皿に盛って来たのかと思ったぜっつか、味全部混ざっちまうだろそれじゃ!??
「…料理人が見たら泣く食べ方よね。」
「クソコックが見たら蹴ってるな。」
「ひょうひゃ?へっほうひへふへほほっひゃへほは!!はひゃひほあはひひょひょっひゃひふっひゃひはほんへんひっひゃいほはっへあははひいあひひょへはいひゃひほはっへひ…!!」
「幾ら何でも混然一体カオスにし過ぎよ!!!」
「流石に汁物まで一緒くたにしなかったのは、ほんの少しだけでもこいつに残ってた良識からなんだろな。」
「ひふほほは………後にすんだ!今飲んじまうとすぐ腹いっぱいなっちまうからな!スープに味噌汁おかゆにヨーグルトにジュース牛乳そんで果物なんかも全部、後でちゃんと食うからな!!」
「普通、スープはコースの前の方で戴く物なんだけどね…。」
「ってか、飯食った後でそんだけ汁物腹に流し込んだら死ぬな、普通は。」
「まァ、良いわ……喜んで貰えてるみたいだし。」
溜息1つ吐いて、ナミが言った。
そりゃ食い放題っつったら、ルフィの為に在るもんだろうよ。
「じゃ、食べながら聞いててくれる?本日のスケジュール話すから。」
「スケジュール?」
「ふへふうふ??」
「昨日聞いた要望元に、予定組んでみたのよ。
先ず9:30、パレスに入り『パレス美術館』を見学。
11:00、陶磁器の美術館『ポルセレインミュージアム』を見学。
見学後、クラシックバスでビネンスタッド地区へ移動し、12:00、『ア・クール・ヴェール』にて昼食。
2:00、カナルクルーザーに乗船、ユトレヒト地区~キンデルダイク地区へと移動。
2:20、チーズ農家を見学。
2:40、クラシックバスで、ブルーケレン地区~ニュースタッド地区へと移動。
3:00より、『ミステリアスエッシャー』、『天星館』、『フライト・オブ・ワンダー』、『ホライゾンアドベンチャー』といったアミューズメント施設を順繰りに体験。
4:00、ミュージアムスタッド地区まで徒歩にて移動。オルゴールの博物館『オルゴールファンタジア』を見学。
4:30、鐘の博物館『カロヨン・シンフォニカ』を見学。
5:00、硝子の美術館『ギヤマンミュージアム』を見学。
5:50、ユトレヒト地区、カナルステーションよりカナルクルーザーに乗船し、場内1周の船旅。
6:10、『桜蘭』にて夕食。
夜間、天候が荒れる可能性から、これ以降は未定。
…と、この様なスケジュールとなっております。」
「って秘書かてめェはっっ!!?何だその大統領並に緻密で多忙なスケジュールはっっ!!?」
「しょうがないでしょお~?ルフィの要望全部入れてくようにしたら、こんなんなっちゃったんだもん…これでも余裕持ったスケジュールにしたつもりなのよ?」
「律儀に聞くなよそんな無茶!!!!」
「ま~~良~いじゃね~~か~~♪せっかく来たんだから目いっぱい遊ぼ~ぜ~~~♪」
「おめェは良いよな~~ルフィ~~要望ぜェ~んぶ呑んで貰えてよォ~~~!!」
「何よ、ゾロにもちゃんと要望聞いたでしょ?あんたが言わないから悪いんじゃない。」
「言ったけど聞き入れてくんなかったんだろてめェが!!!」
「コテージで1日ゴロゴロなんて……そんなの聞き入れられる訳無いでしょお!!?」
「…ああ、もういい!解った!!…その予定で行きゃいいだろが。」
何か言い合いしてて阿呆らしくなって来たぜ。
要望出した当の本人は、気にせず呑気にまた飯取りに行っちまったし…。
「高校最後の3人旅…無茶付き合ってよ、ゾロv」
こいつはこいつで、やたらルフィに甘ェし。
手を合わせてお願いぶりっこ、気に喰わねェ事この上無ェ。
何となく理由が察せるからこそ、余計イライラしてくる。
無事馬鹿が全メニュー完食、取敢えずの満足を得た所でコテージに戻った。
そしてまた準備整え、パレスに向かって出発進行。
昨夜辿った電飾並木通りは、昼も紅葉が見事で、結構な風情が有った。
枯葉舞う中なだらかな坂を上ると、昨夜は黄金色に輝いてた宮殿が姿を現した。
ライトアップされてないそれは、中世の宮殿そのままの、瀟洒な煉瓦の建物だった。
庭に敷き詰められた緑の芝生は、寝っ転がれたらさぞかし気持ち良かろうと思う。
「未だ俺達以外の観光客、殆ど来てねェな。」
「開園時間から間も無いもの。後30分位したら来出すわよ。」
「昼でもきれいなトコだよなァ~~、しばふなんかじゅうたんみてーだ…日がポカポカ当ってて……寝っ転がったら気持ち良いだろうな~~~♪」
…やれやれ、どうやらこいつと俺は発想レベルが似てるらしい。
どうにも苦笑しちまう。
「右の方行くとローズガーデンも在るんだって。行ってみる?」
誘われて入ってみたそこは、見頃は過ぎたとはいえ、未だ様々な色したバラが咲揃う、小さな花園だった。
中心には噴水に彫像、休憩者用にベンチまで置いてある。
後半月早く来てれば、正に少女漫画の世界そのものだったろう。
「秘密の花園をイメージして造ったんだって…綺麗よね~~vv」
「きれーだな~~!!すんげーでっかいバラも有るぞ!!赤・白・ピンク・紫・黄色…バラって色んな色が有るんだな~~♪」
記念に写真を撮ってく事になったが、俺は遠慮した。
男がバラをバックに撮ったって似合わねェよ。
「反対の左側行くと迷路が在るんだけど……そっちも行ってみる?」
「「迷路??」」
左に行くと、確かに生垣で造った様な迷路が在った。
迷路ったって、さっきのバラ園と同じくれェの広さだ…どう見たって子供騙しだけどな。
「どう?何なら挑戦してみる?」
「よぉし!!俺挑戦すっぞ!!」
「ゾロは?」
「…するかよ。恥かしい。」
「あら、自信無いの?」
「んなわきゃ有るか!!こんな子供騙し!!!」
「じゃ一緒に行ってみて来れば?中心まで行って、首尾良く抜けられたら、要望何でも聞いてあげるって事で!」
「面白ェ!!…じゃ、無事俺が抜けられたら、今日は全員コテージでゴロ寝な!!」
「んじゃ俺はナミのおごりで肉食い放題!!!」
「良いわ、賭け成立ねv…もしも2人が自力で脱出出来なかった場合は、今後私の組んだ予定に、文句を付けず従うって事で――用意…スタート!!」
掛け声と同時に、ルフィと俺は中に入ってった。
そのまま奥まで一息に行く。
小さい迷路だ、程無く中心と思しき円の部分まで到達した――楽勝だぜ!!
それじゃあって事で来た道を戻る。
右折れて左折れて後ろ戻って前進んで………
………………んあ!!?
「…ゾロ、ここ、元居た中心だぞ?」
「おおおおっかしいな…よし!じゃ、今度はその反対に行ってみるぞ!!」
左折れて右折れて前進んで後ろ戻って………
………………おおぅ!!??
「………ゾロ……また、元のトコ戻って来たみてェだぞ…?」
――ば…馬鹿なァァ…!!!??
「よしルフィ!!!今度は目を閉じて進むぞ!!!見える景色に惑わされず、心の眼で見るんだ!!!!」
「大丈夫なのかァァァァ~~~~~????」
「煩ェ!!俺を信じろ!!!」
…………………………40分、経過。
「そろそろ降参するゥ~~!?そしたら迎えに行ってあげるわよォ~~~♪」
「「……………………。」」
「…じゃあ、置いてっちゃうからねェ~~~~!?」
「「……降参します。」」
「宜しいv」
……1分後、俺とルフィは、無事ナミの手により、迷路から救出された。
【その19に続】
…そんな大した迷路じゃないんですがね。(笑)
私の友人は本気で出られなくなりました。(苦笑)
方向感覚に自信無い方は、入る時は目印道に落としながら入った方が良いですよ、念の為。(笑)
写真の説明~、パレスハウステンボスへ続く『レンブラント通り』、早朝の風景。
これは一昨年の冬写した物です。(汗)
毎秋~冬、紅葉が綺麗な場所で御座います。
ナミが朝市で買った荷物を置いてきたいっつう事で、一旦コテージに戻る。
朝食会場だって言うレストラン『トロティネ』は、俺達の居るコテージの直ぐ側、同じ並びに在った。
これはかなり有難ェと思った。
窓から見えてた硝子張りの建物の中に入ると、もう早大勢の客が飯を食っている所だった。
朝食はバイキング形式、料理に群がってる客を見て、ルフィが不安そうな表情を浮かべる。
自分の分まで食われちまってねェか、気が気じゃねェんだろう。
朝食券を渡して席まで案内して貰う。
湖畔を眺める良い席だった。
着いたと同時に早速ルフィが飛び出してく。
入口横にずらり並んだ料理目にして、「すげー!!」とか「うひょー!!」とか奇声上げてのはしゃぎっぷりだ。
「…私達の分まで残しといてくれるかしら?」
「愚問だろ。あいつが食った跡はペンペン草1本残っちゃいねェって知ってるだろが。」
「………ちょっと釘刺しとく!」
ルフィを追って、ナミも飛び出してった。
早速ペカンと奴の頭を叩いてる。
店の人まで慌てて飛んで来た。
まったく、営業妨害甚だしいコンビだぜ。
今側行ったら間違い無く巻き込まれるな…。
そう考えた俺は、2人が戻るまで、我関せずの姿勢で居る事にした。
「やっぱバイキングは良いよなァ~♪好きなだけ食いもん取って食えるなんて天国みてェだぜ♪」
「だからって、ほぼ全種類のおかず攫って来てんじゃない!!…少しは私達や他のお客さんの事も考えて加減しなさいよ!!」
「ひゃんほはへんひへよほっひゃひゃほ~~!?」
口いっぱいに飯頬張ってルフィが返す。
…まァ、確かに、こいつにしては加減した方なんだろう、これでも。
ナミから1メニューにつき2掬いまでとか決められたらしく、しかもテーブルに乗り切れる様工夫してなのか、1枚の皿に全品少しづつ盛って重ねてある。
白飯近海産カマスの塩焼き南瓜のそぼろ煮込みおでんにキンピラ漬物有明産の焼海苔ヒジキの握り飯マカロニサラダ山芋とカイワレのサラダ海藻サラダ胡瓜レタストマトスクランブルエッグゆで卵ウィンナーフライドポテトクロワッサンホットサンド蒸しパンバナナマフィンその他諸々全部一緒に重ねて……てっきりピサの斜塔でも皿に盛って来たのかと思ったぜっつか、味全部混ざっちまうだろそれじゃ!??
「…料理人が見たら泣く食べ方よね。」
「クソコックが見たら蹴ってるな。」
「ひょうひゃ?へっほうひへふへほほっひゃへほは!!はひゃひほあはひひょひょっひゃひふっひゃひはほんへんひっひゃいほはっへあははひいあひひょへはいひゃひほはっへひ…!!」
「幾ら何でも混然一体カオスにし過ぎよ!!!」
「流石に汁物まで一緒くたにしなかったのは、ほんの少しだけでもこいつに残ってた良識からなんだろな。」
「ひふほほは………後にすんだ!今飲んじまうとすぐ腹いっぱいなっちまうからな!スープに味噌汁おかゆにヨーグルトにジュース牛乳そんで果物なんかも全部、後でちゃんと食うからな!!」
「普通、スープはコースの前の方で戴く物なんだけどね…。」
「ってか、飯食った後でそんだけ汁物腹に流し込んだら死ぬな、普通は。」
「まァ、良いわ……喜んで貰えてるみたいだし。」
溜息1つ吐いて、ナミが言った。
そりゃ食い放題っつったら、ルフィの為に在るもんだろうよ。
「じゃ、食べながら聞いててくれる?本日のスケジュール話すから。」
「スケジュール?」
「ふへふうふ??」
「昨日聞いた要望元に、予定組んでみたのよ。
先ず9:30、パレスに入り『パレス美術館』を見学。
11:00、陶磁器の美術館『ポルセレインミュージアム』を見学。
見学後、クラシックバスでビネンスタッド地区へ移動し、12:00、『ア・クール・ヴェール』にて昼食。
2:00、カナルクルーザーに乗船、ユトレヒト地区~キンデルダイク地区へと移動。
2:20、チーズ農家を見学。
2:40、クラシックバスで、ブルーケレン地区~ニュースタッド地区へと移動。
3:00より、『ミステリアスエッシャー』、『天星館』、『フライト・オブ・ワンダー』、『ホライゾンアドベンチャー』といったアミューズメント施設を順繰りに体験。
4:00、ミュージアムスタッド地区まで徒歩にて移動。オルゴールの博物館『オルゴールファンタジア』を見学。
4:30、鐘の博物館『カロヨン・シンフォニカ』を見学。
5:00、硝子の美術館『ギヤマンミュージアム』を見学。
5:50、ユトレヒト地区、カナルステーションよりカナルクルーザーに乗船し、場内1周の船旅。
6:10、『桜蘭』にて夕食。
夜間、天候が荒れる可能性から、これ以降は未定。
…と、この様なスケジュールとなっております。」
「って秘書かてめェはっっ!!?何だその大統領並に緻密で多忙なスケジュールはっっ!!?」
「しょうがないでしょお~?ルフィの要望全部入れてくようにしたら、こんなんなっちゃったんだもん…これでも余裕持ったスケジュールにしたつもりなのよ?」
「律儀に聞くなよそんな無茶!!!!」
「ま~~良~いじゃね~~か~~♪せっかく来たんだから目いっぱい遊ぼ~ぜ~~~♪」
「おめェは良いよな~~ルフィ~~要望ぜェ~んぶ呑んで貰えてよォ~~~!!」
「何よ、ゾロにもちゃんと要望聞いたでしょ?あんたが言わないから悪いんじゃない。」
「言ったけど聞き入れてくんなかったんだろてめェが!!!」
「コテージで1日ゴロゴロなんて……そんなの聞き入れられる訳無いでしょお!!?」
「…ああ、もういい!解った!!…その予定で行きゃいいだろが。」
何か言い合いしてて阿呆らしくなって来たぜ。
要望出した当の本人は、気にせず呑気にまた飯取りに行っちまったし…。
「高校最後の3人旅…無茶付き合ってよ、ゾロv」
こいつはこいつで、やたらルフィに甘ェし。
手を合わせてお願いぶりっこ、気に喰わねェ事この上無ェ。
何となく理由が察せるからこそ、余計イライラしてくる。
無事馬鹿が全メニュー完食、取敢えずの満足を得た所でコテージに戻った。
そしてまた準備整え、パレスに向かって出発進行。
昨夜辿った電飾並木通りは、昼も紅葉が見事で、結構な風情が有った。
枯葉舞う中なだらかな坂を上ると、昨夜は黄金色に輝いてた宮殿が姿を現した。
ライトアップされてないそれは、中世の宮殿そのままの、瀟洒な煉瓦の建物だった。
庭に敷き詰められた緑の芝生は、寝っ転がれたらさぞかし気持ち良かろうと思う。
「未だ俺達以外の観光客、殆ど来てねェな。」
「開園時間から間も無いもの。後30分位したら来出すわよ。」
「昼でもきれいなトコだよなァ~~、しばふなんかじゅうたんみてーだ…日がポカポカ当ってて……寝っ転がったら気持ち良いだろうな~~~♪」
…やれやれ、どうやらこいつと俺は発想レベルが似てるらしい。
どうにも苦笑しちまう。
「右の方行くとローズガーデンも在るんだって。行ってみる?」
誘われて入ってみたそこは、見頃は過ぎたとはいえ、未だ様々な色したバラが咲揃う、小さな花園だった。
中心には噴水に彫像、休憩者用にベンチまで置いてある。
後半月早く来てれば、正に少女漫画の世界そのものだったろう。
「秘密の花園をイメージして造ったんだって…綺麗よね~~vv」
「きれーだな~~!!すんげーでっかいバラも有るぞ!!赤・白・ピンク・紫・黄色…バラって色んな色が有るんだな~~♪」
記念に写真を撮ってく事になったが、俺は遠慮した。
男がバラをバックに撮ったって似合わねェよ。
「反対の左側行くと迷路が在るんだけど……そっちも行ってみる?」
「「迷路??」」
左に行くと、確かに生垣で造った様な迷路が在った。
迷路ったって、さっきのバラ園と同じくれェの広さだ…どう見たって子供騙しだけどな。
「どう?何なら挑戦してみる?」
「よぉし!!俺挑戦すっぞ!!」
「ゾロは?」
「…するかよ。恥かしい。」
「あら、自信無いの?」
「んなわきゃ有るか!!こんな子供騙し!!!」
「じゃ一緒に行ってみて来れば?中心まで行って、首尾良く抜けられたら、要望何でも聞いてあげるって事で!」
「面白ェ!!…じゃ、無事俺が抜けられたら、今日は全員コテージでゴロ寝な!!」
「んじゃ俺はナミのおごりで肉食い放題!!!」
「良いわ、賭け成立ねv…もしも2人が自力で脱出出来なかった場合は、今後私の組んだ予定に、文句を付けず従うって事で――用意…スタート!!」
掛け声と同時に、ルフィと俺は中に入ってった。
そのまま奥まで一息に行く。
小さい迷路だ、程無く中心と思しき円の部分まで到達した――楽勝だぜ!!
それじゃあって事で来た道を戻る。
右折れて左折れて後ろ戻って前進んで………
………………んあ!!?
「…ゾロ、ここ、元居た中心だぞ?」
「おおおおっかしいな…よし!じゃ、今度はその反対に行ってみるぞ!!」
左折れて右折れて前進んで後ろ戻って………
………………おおぅ!!??
「………ゾロ……また、元のトコ戻って来たみてェだぞ…?」
――ば…馬鹿なァァ…!!!??
「よしルフィ!!!今度は目を閉じて進むぞ!!!見える景色に惑わされず、心の眼で見るんだ!!!!」
「大丈夫なのかァァァァ~~~~~????」
「煩ェ!!俺を信じろ!!!」
…………………………40分、経過。
「そろそろ降参するゥ~~!?そしたら迎えに行ってあげるわよォ~~~♪」
「「……………………。」」
「…じゃあ、置いてっちゃうからねェ~~~~!?」
「「……降参します。」」
「宜しいv」
……1分後、俺とルフィは、無事ナミの手により、迷路から救出された。
【その19に続】
…そんな大した迷路じゃないんですがね。(笑)
私の友人は本気で出られなくなりました。(苦笑)
方向感覚に自信無い方は、入る時は目印道に落としながら入った方が良いですよ、念の為。(笑)
写真の説明~、パレスハウステンボスへ続く『レンブラント通り』、早朝の風景。
これは一昨年の冬写した物です。(汗)
毎秋~冬、紅葉が綺麗な場所で御座います。