山本周五郎作品の読書も継続です。
「樅ノ木は残った」
江戸時代。
仙台藩伊達家の乗っ取りを企む伊達兵部と大名の弱体化を狙う幕府の重鎮酒井雅楽頭(酒井忠清)。
張り巡らされた罠をかいくぐり、困難な状況のなか活路を見いだそうとする原田甲斐だったが・・・。
大河ドラマで放映されていましたが、大昔過ぎてそのストーリーは覚えていないです。
登場人物が多いのと、同じ人物なのに呼び方を違うので、誰が誰やら最初は戸惑いました。
また、物語の展開がゆっくりなので、こりゃ~完読は難しいかもと思いましたが、読み進める内に徐々に嵌りました。
自らを犠牲にして藩を救った原田甲斐はまさしく忠臣です!!
が・・・その家族は辛いね~!
「赤ひげ診療譚」
幕府の御番医という栄達の道を歩むべく長崎遊学から戻った保本登は、小石川養生所の“赤ひげ”とよばれる医長・新出去定の元、医員の見習勤務を命ぜられる。
不本意な登は赤ひげに反抗するが、その一見乱暴な言動の底に脈打つ強靱な精神に次第に惹かれてゆく・・・。
この作品も映画やTVドラマになっていますが、原作を読むのは初めてです。
連作短編集(8話)なので、さくさく読めました。
時代物らしい人情噺と若き見習い医師・保本登の成長してゆく姿にホッコリです。
「日本婦道記」
こちらも江戸時代の武家の女性たちを主人公とするの連作短編集(11話)です。
いずれも厳しい武家社会の中で慎ましくも誇り高く生き抜いた女性の物語。
どの話も心にグッとくるものばかりでした。
第17回直木賞受賞&辞退作。