先日、我が事務所が入居しているビルの「防災避難訓練」がありました。
毎年、春と秋、年2回の恒例行事です。
「防災避難訓練」を主催するのはこのビルの管理会社で、仕事の上では私達のお客様に当たります。
と云う訳で、この避難訓練となると異常に力が入る人が約1名おります。
そう!云わずと知れた”我が事務所の所長”です。
先日も、訓練が14:30からだと云うのに、昼休みが終わった13:00からそわそわと落ち着きません。
「お~い!Nぐち君 防災訓練の準備は出来ているのか!」
と、事務所内で一番若いNぐち君に早くも指示を出しています。
「所長! 防災グッツが入ったリックサックを背負って、ヘルメットを被るだけですから慌てなくても大丈夫です!」
「14:30からですからその前に館内放送がかかります。」
と、しごくまともな受け答えのNぐち君。
「いや、そんな気構えじゃ駄目だ!!今からリックサックは手元に置いていけ!!」
「判りました!」
素直な20歳のNぐち君です。
そして、14:30・・・
「ただいまから、防災避難訓練を開始します。」
「火元は○○階の給湯室から出火しました。館内の皆様はすみやかに避難階段を使い、外部避難広場まで避難ください。なお、エレベーターは使用できません。」
と館内放送がかかりました。
その放送が始まるや否や、我が所長は部屋の出口に向かい、
「よし!!みんな行くぞ!!」の掛け声と共に
一人先陣を切って廊下へ飛び出して行ったのでした。
所長!!
討ち入りじゃないんですから・・・。
館内放送でも言ってるでしょう!
「落ちついて行動して下さい。」って!!
昨日は今年3月に合格した資格の講習会へ行って来ました。
朝の9:00から17:00までの1日講習です。
この資格は試験に合格すると表彰状のような○○大臣が押印した「合格証明書」が送られてきます。
これで晴れて有資格者になれたかなと思ったら、そうではありません。
試験に合格した事を「財団法人○○センター」に有料で登録して「資格者証」を交付してもらいます。
この「資格者証」は5年間有効で、有効期限が切れる前には更新する必要があります。
これで仕事に生かせるなと思うのは早計です。
仕事でこの資格を生かす為には、さらに今回の「全国○○研修センター」の講習を受け、その「講習終了証」が必要です。
これも5年ごとに講習を受けなければなりません。
当然これも有料です。
そして仕事中は常にこの2枚のカードを携帯していなければその意味がありません。
1つの資格に2枚の証明書が必要なんて、なんかおかしいと思いませんか?
何故、一本化しないのでしょう?
結局、国家検定資格を取っても、その後は、役人が作った外郭団体の職員を養う為に定期的にお金を払う仕組みになっているような気がするのは私だけでしょうか。
垣根 涼介 著 「ギャングスター・レッスン」を読みました。
渋谷時代、百人を擁するチームのヘッドだった20歳のアキは、チーム解散後、海外放浪を経て帰国する。
そして、プロの裏金強奪仕事人への参加を決意する。
二人の先輩からまさにタイトルどおりの「ギャングスター・レッスン」を受ける。
表と裏の二つの顔を持つ、アキと二人の先輩。
三人は初仕事に向けて、それぞれ準備を始める。
過酷なレッスンを無事こなしたアキはついに一回目の実践に挑むが…。
2001年文芸春秋刊「ヒートアイランド」の続編です。
前作が面白かったのでその続編も読んでみました。
「ヒートアイランド」の巻末の約束どおり、1年後に仲間になったアキを、2人の犯罪プロが育て上、初めての実戦に繰り出すまでの物語。
前作に比べると深みはありませんが、続き物だと思って読むとかなり面白いです。
しかし、前作を読んでない人には、その面白さは半減すると思いますので「ヒートアイランド」から読む事をお勧めします。
「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」
2007年公開
出演:佐藤江梨子、永作博美、永瀬正敏、佐津川愛美
北陸の山間部の小さな集落。
交通事故で亡くなった夫婦の葬式の日。
ふたりの長女・澄伽が東京からふらりと帰って来た。
長男・宍道、妹の清深はとまどう。
宍道の嫁・待子は不思議な目で見ていた。
やがて自分勝手でワガママな澄伽に振り回される家族。
女優になるために上京したが、うまくいかないことを家族のせいにする澄伽だったが、宍道も清深はうとましく感じながらも、気をつかっていた。
待子の知らない秘密が、この家族にはあったのだった…。
とにもかくにも我が道を行く女3人、
そして、それに巻き込まれた兄の物語。
「現実見のあるイヤな人間」達が登場する、まさにブラックコメディ!
ネクラな前向きさとでも言いましょうか…
落ちるまで落ちて這い上がってくるバイタリティーが凄い
転んでもタダでは起きないタフな女達を恐いもの見たさで最後迄見ちゃったような感じ・・・。
下手なホラーよりリアルでかなり恐い。
この映画のお勧め度:☆☆☆☆
浅田 次郎 著 「珍妃(ちんぴ)の井戸」を読みました。
列強諸国に蹂躙され荒廃した清朝最末期の北京。
その混乱のさなか、紫禁城の奥深くでひとりの妃が無残に命を奪われた。
皇帝(光緒帝)の寵愛を一身に受けた美しい妃は、何故、誰に殺されたのか?
犯人探しに乗り出した日英独露の高官が知った、あまりにも切ない真相とは―
私は帯にあるように「蒼穹の昴」を読まずにこの本を読みました。
登場人物の名前や背景を覚えるのがまず大変。
光緒帝も含め、計7人から証言を得るわけですが、そのどれもが他の証言と一致せず、何が事実なのかサッパリ分かりません。
一応、最後までそれなりに読ませるのだが、浅田次郎特有の読後の希望や爽やかな涙はありません。
朝のラッシュアワーを過ぎた頃、東海道本線、小田原始発・東京行きの『快速アクティー』が、茅ケ崎・平塚間の鉄橋で突如停止した。
何者かによって乗っ取られたのだ。
『この電車は彼らが占拠した』。
自らを彼らと名乗る犯人グループは運転手と車掌を射殺し、すべての乗客を一部の車両に閉じこめた。
そして、殺戮が始まった―。
無差別な悪意が暴走する戦慄のホラー小説です。
現実に起こっている、他の人間にはまったく理解できない犯行理由による事件。
そして、凶悪化する犯罪。
「理由なき悪意」の理不尽さをどう捕らえたら良いのか・・・。
大沢在昌 著 「氷の森」を読みました。
麻薬取締官を退職後私立探偵をしている緒方洸三のところにほぼ同時に二つの調査依頼がある。
一つは結婚を考えていた女性の事故死に納得がいかず、自分も知らなかった女性の過去、暮らしぶりを知りたがっている男性からの依頼。
もう一つは、若い娘を誘拐するような不良息子ではあるが、殺されたその息子の死に疑問を抱き、真犯人を捜して欲しいという父親の依頼。
やがて、二つの事件は繋がり、一人のとんでもなく冷酷無比な首謀者があぶり出されてゆく・・・。
ヤクザすら自在に操り、平然と殺人を犯しながら姿を見せようとしない“冷血な男”との闘いに、緒方も血だらけになって挑む。
「新宿鮫」の原点となった作品。
スリリングで、ハードボイルド!
これぞ推理小説!!
笹本 稜平 著 「時の渚」を読みました。
元刑事で、今はしがない私立探偵である茜沢圭は、末期癌に冒された老人から、35年前に生き別れになった息子を捜し出すよう依頼される。
彼はまた、3年前、逃亡中の殺人犯の車にひき逃げされ、妻子を失っており、この犯人としてもう一人の男の調査も行うこととなった。
一見関係のない二つの調査。
これらが次第にリンクし、様々な「血の絆」が長い時をへて明らかとなる。
茜沢自身も「パンドラの箱」を開ける事になる・・・。
二転三転するストリー。
父と子、母と子。
家族とは何なのか、家族の絆とは。
読み終えて初めて大きく実感できる感動の一冊です。
18回サントリーミステリー大賞&読者賞ダブル受賞作品。
「88(エイティーエイト)ミニッツ」
出演: アル・パチーノ, アリシア・ウィット
製作:2007年アメリカ
猟奇殺人事件で死刑判決をうけた容疑者が無実を訴えたまま死刑執行となる前日に、全く同じ手口で殺人が発生する。
殺されたのは、容疑者の精神鑑定で有罪を確定させた精神科医グラム(アル・パチーノ)の教え子であった。
真犯人を捜す中、グラムの携帯電話に『88分後にお前は死ぬ』との殺人予告がはいる。
真犯人は? 動機は?
そして、「88分」の意味とは・・・
アル・パチーノの主演作品を久々で観ました。
相変らずの渋い演技で、この映画をミステリアスで緊迫したスリリングを味わえる作品にしています。
しかし、ストーリーは疑わしい人物が多数登場し過ぎて、誰が誰やら・・・・。
考えている暇もなく、怒涛の展開でクライマックスへ!
見終わってから、ゆっくり考えるもまた良しか。
この映画のお勧め度:☆☆☆☆
伊坂幸太郎 著「オーデュボンの祈り」を読みました。
コンビニ強盗に失敗した伊藤は、警察に追われる途中で意識を失い、見知らぬ島で目を覚ます。
仙台沖に浮かぶその島は150年もの間、外部との交流を持たない孤島だという。
そこで人間たちに崇拝されているのは、言葉を話し、未来を予知するというカカシ「優午」だった。
しかしある夜、何者かによって優午が「殺害」される。
なぜカカシは、自分の死を予測できなかったのか。
「オーデュボンの話を聞きなさい」という優午からの最後のメッセージを手掛かりに、伊藤は、その死の真相に迫っていく・・・。
伊坂幸太郎のデビュー作。
「アヒルと鴨のコインロッカー」があまりに面白かったので、遅ればせながら、2冊目に選んだのですが、正直、かなり苦戦しました。
面白くないと云う訳じゃないけど、のめり込む程でもない。
なかなか読むペースが上がりませんでした。
この本の他の読者の感想を見ると結構絶賛している人も多かったりしてますが、私には合わなかったようです。
次に読む予定の「重力ピエロ」に期待します。