今年最後の診療です。 患者さんは「 ピッコリーネ テリア」です。
歩いて鳴いて、尻尾を振って、伏せができる、かわいいワンちゃんです。
トコトコ尻尾をゆらしながら前進し、立ち止まって尻尾を激しく振り、次は鳴きながら伏せのアクションをします。
その症状は・・・“首が折れちゃった”との事。。。
外見では分かりませんが、触ってみると確かに胴体から首が取れていました。
これは外科手術が必要ですね。 まずは骨折箇所を出さなくては・・・
お腹にある電池格納ケースの周りの接着部をドライヤーで温めて縫いぐるみを剥がしていきます。
これが中々剥がれない! 何度も温めて柔らかくてから少しずつめくって行きます。
破かない様に、少しずつ・・・少しずつ・・・。
ようやく首の付け根が見えてました。
お〜、やっぱり頭が取れてる・・・
頭の縫いぐるみも剥がします。 これも破れないように取るのは結構大変です。。。
ようやく剥がれた! 縫いぐるみの中はこうなっていました。
さて、何処が折れてるのかな・・・よく見てみると・・・
真ん中の白く見える部分が折れていました。
仮にテープでそこに折れたパーツ付けて見ると・・・
こんな細いプラスチックのパーツで頭が繋がっていたのか・・・
これじゃあ、少し手荒に扱ったら折れる訳です!
折れた部分をただ接着して戻しても、また直ぐに取れちゃいます。
さて、この細いパーツをどうやって繋ごうか・・・
先輩ドクターからのアドバイスで小さいボルトで繋ぐ事にしました。
胴体側の部分にドリルで下穴を開けました。
もう一方の折れたパーツにも下穴を開けます。
そして、その下穴にボルトを貫通させて繋ぎました。
よし! これに仮に頭を繋いでみよう!
しっかりと固定出来ました!!
パーツとボルトの隙間はプラリペアを充填して更に補強しました。
これで大丈夫だ! 骨折箇所が前よりも強くなりました!
再度縫いぐるみを着せます。
これがまた一仕事です。 ゆっくりと被せて行きます。
これで、ようやく元に戻った!
スイッチを入れるとワンちゃんが頭を振りながら元気に動き出しました!
やったね! 治った良かった。!
この日は前回修理したおもちゃ「チビコロおしゃべりトレイン」を引き取りに来たお子さんからお礼の手紙を頂きました。
喜んで貰えて嬉しいですね〜! おもちゃドクター冥利に尽きます!
更にやる気が出ました。 来年も”失敗しないドクター”を目指して頑張ろう!!