平山 讓 著 「ファイブ」を読みました。
佐古賢一という日本バスケットボール界のスーパースターを追いながら、日本特有の実業団スポーツの現状の厳しさを示してくれたノンフィクション作品。
JBLスーパーリーグの強豪だった”いすゞ自動車ギガキャッツ”は、いすゞ自動車の業績不振により突然、廃部となった。
”ミスターバスケットボール”と言われていた佐古賢一は、MVPを3度受賞するスター選手だったが、選手としては高齢なため移籍先も決まらず苦しむ日々を送っていた。
時は遡り、鈴木貴美一は、JBL二部リーグで低迷する”アイシンシーホース”のヘッドコーチとして招かれた。
残業に負われ疲れている選手のやる気を引き出し一部に昇格させる。
しかし一部に昇格したが、有望な新人選手達は大都市のチームへ加入してしまうため補強に苦労する。
そこでリストラされたり、チーム内で意見が合わずに退団したベテラン選手を獲得することにする。
住友金属の佐藤信長、NKKの後藤正規、大和証券の外山英明、ボッシュのエリック・マッカーサーを獲得。
この補強によりセミファイナルまで勝ち上がることができたが、ファイナルには勝ち上がれない。
そこで鈴木は佐古に声をかけ、佐古は”アイシンシーホース”へ移籍する事を決意する。
”いすゞ”と”アイシン”の異なる方針に戸惑いながらも、徐々に周囲の環境にも慣れていった佐古であったが、今度は故障に苦しむこととなる。
そして、”アイシンシーホース”はなんとかファイナルまで勝ち進むが
その前に、折茂武彦や田臥勇太などベテランと若手の実力者が多く所属する前年の覇者、”トヨタ自動車”が立ちはだかる・・・。
久々にノンフィクション小説を読みましたが、ノンフィクションらしくないドラマ性のある素敵な話としてまとめられています。
マンガやドラマで取り上げられるのも納得の感動ストーリーです。