ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

伝聞法則

2008年12月06日 18時21分42秒 | 刑訴法
やっと伝聞法則の流れのある論証が自分の中で確立しました。


まず、伝聞法則の前に、当該証拠に厳格な証明が必要かどうかを論じます。

当該証拠の立証趣旨(規則189条1項)は、犯罪事実の客観的構成要件要素である。
よって、刑罰権の存否を画する「事実」であるから、証拠調べを経た証拠能力ある「証拠」によって「認定」される厳格な証明によらなければならない(317条)。

そして、当該証拠が、法律的関連性として問題となる伝聞証拠に該当するならば、伝聞法則として原則証拠能力が否定される(320条1項)。


伝聞法則は、伝聞証拠が人の知覚、記憶、表現、叙述の各過程において誤り介入のおそれがあるから、反対尋問(憲法37条2項)等によって、その真実性をチェックする必要があることから認められるものである。


よって、伝聞証拠は公判廷外の供述で、その内容の真実性が問題となる証拠をいうとすべきである。

自白

2008年12月06日 18時03分19秒 | 刑訴法
自白について

証拠能力の問題として、自白法則が、証明力の問題として、自白の補強法則があります。


自白法則
任意性の疑いのある自白は証拠能力を欠く。

自白とは、自己の犯罪事実の全部又は主要部分についての被告人の供述である。

自白はその証拠価値が高いことから、そのまま信用すると、誤判のおそれや、自白獲得のために人権侵害のおそれがある。

そこで、任意性がないとの疑いのある自白には証拠能力を否定する自白法則が規定されている(憲法38条2項、法319条1項)。


自白法則の趣旨

反対説:違法収集証拠の一環として、自白獲得の手続きが違法なら、違法収集証拠として排除される。

×違法な手続きでなくとも任意性に疑いのある場合もありうる。

自白法則は、自白の証拠価値が高いことから、誤判の防止及び自白強要の禁止を目的と解するため、
①虚偽自白の誘発のおそれがないこと、
又は、
②自由な意思に基づいた自白であること
を満たせば、任意性がある自白として証拠能力が認められる。


自白の補強法則

自白が唯一の証拠であるときは、裁判所は有罪認定ができないとする補強法則が規定されている(憲法38条3項、法319条2項)。

補強法則の前提として、補強証拠となりうる証拠適格には、証拠能力があり、自白のみでは有罪となし得ないのであるから、自白と独立した証拠が必要である。

この補強法則としての補強証拠の必要な範囲については、

反対説:犯罪の客観的事実について必要であり、何人かの犯罪行為がなされたことまで必要

×一部でも証拠がなければ、自白しているにもかかわらず有罪として認定できないのは、捜査機関に無理を強いる。

補強法則は、自白の証拠価値が高いことから、誤判の防止、人権保障の点から間接的に自白強要の禁止が導かれるため、
自白の真実性を担保する証拠であればよいと解する。



自白調書

さらに自白調書として322条1項但書の適用から319条が準用されるが、自白と不利益な事実の承認とあることから、
自白については、319条の問題、それ以外を322条1項但書の問題と解する。