ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

受戻なき手形支払いとしての相殺

2009年05月21日 22時52分52秒 | 商法
もう一つ、受戻なき手形について難しい話。


受戻なき手形支払いとして、手形振出人が手形所持人に対して、自働債権を有していた場合、手形債務を受動債権として相殺の抗弁を主張した場合、その後、手形所持人が裏書譲渡をしたので、被裏書人が手形金支払い請求をした場合。


手形の受戻証券性は、手形債務者に二重支払いの危険を負担させないために認められた効力である。

そして、受戻をする機会があったのに、自己が二重払いの危険のおそれを甘受して相殺をなした場合には、支払いの効力は肯定され、さらに被裏書人に対して支払いによる消滅の効力を主張できない、すなわち人的抗弁の切断は認められるというべきである。



逆に、相殺を手形所持人がなした後に、手形所持人が裏書譲渡した場合はどうか。

この場合、相殺は一方的意思表示で効力が生じるから、手形振出人は受戻をする機会がなく、にもかかわらず、手形支払いの効力を認めることは、二重払いの危険を生じる。

よって、この場合の手形支払いとしての相殺の効力は認められず、被裏書人に対して、手形金支払いをすることによって初めて手形支払いの効力が認められ、振出人は、手形裏書人に対して自働債権を請求し得る。
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受戻なき手形支払い

2009年05月21日 22時41分35秒 | 商法
手形所持人が手形振出人に支払い請求をしたが、振出人は、手形を受け戻すことなく支払った。

それを奇貨として、手形所持人が裏書譲渡をした場合(期限後裏書ではない)、手形の被裏書人は、振出人に請求できるか?

受戻なき手形支払いの効力は、どうなるか。


手形は受戻証券性であるが、支払いの効力要件ではない。

よって、手形債務は支払いによって消滅する。

原則:手形債務が消滅している以上、支払い請求できない。


しかし、それでは、手形の被裏書人を保護できない。

そこで、権利外観理論によって保護するとする見解がある。

しかし、この場合の振出人の帰責性は非常に大きく、重過失ある者も保護すべきである。

そこで、支払いは当事者間のみの抗弁として17条によって手形の被裏書人は害意なき限り、人的抗弁の切断として保護されると解する。


よって、手形の被裏書人は、手形取得に重過失があっても害意がない限り、保護されることになる。


これは、消滅説に立ちながら、手形取得者の保護のため、17条の人的抗弁の切断を適用するという、変則的な川村説というらしいです。

私は、説の名前を知りませんが、この説に立っています。


そのため、たまに採点者に、消滅したのに人的抗弁はおかしいと指摘されます。

川村説は、この点についてどう説明しているかは私も知りません。
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論文予想答練商法第2回

2009年05月21日 20時16分02秒 | 商法
今週は土日が仕事で、今日が半日休みのため、論文予想答練商法第2回をやりました。


2問目は見たことがなく、いい問題でした。


ちょっと強引に書いたのですが、理由付けも一応書いたので、それほど減点されないと思います。


新型インフルエンザの感染者がついに東京でも確認されています。

まだまだ電車にはマスク着用の人は少ないですが、私は通勤、帰宅時は着用するようにしています。

それほど厳密な意味での効果は薄いかもしれませんが、あった方が少しでも感染する確率は
減るでしょうから、ないよりはましだと思っています。
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