Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

帰国子女にとっては、驚きの日本の公立中学~日本の中学その2

2008-11-21 | 日本の中学校
ピシッとしたつめえりの学生服を着て、地元さいたま市の公立中学に通いだした息子。初日から恐ろしく疲れた様子。クラスの生徒たちが授業を聞かず、あまりにうるさくて、驚いたらしい。1日目に、授業中殴り合いをしている生徒もいたので、ショックを受ける。「まるで動物園のようだ!」との苦肉な表現。

しかし、小学校1年生の3学期の始めまでここの地元にいたので、幼稚園時代からの知り合いも多いし、小学5年生のときは、1週間小学校で体験入学もして、息子のことをよく覚えている子もいる。おかげでわからないことは、みんなが助けてくれたらしい。アメリカのこともみんな興味を持っているらしく、質問攻めにあったらしい。

女の子にいたっては、最初のころは何人もの子が、かわるがわる「私のこと覚えてる?」と息子に聞きに来てくれたらしい。他のクラスの知らない女の子も毎日「Bく~ん!」と手を振って気軽に挨拶に息子のクラスの教室に来ては、アメリカでのことを質問してくれるほど注目されているらしい。この中学は帰国子女がほとんどいないので、やはりアメリカからの帰国子女というのは、注目度が高く、みんなが息子のことを気にしてくれている。ありがたいことだ。アメリカという国にみんなが興味を持ってくれているのもよかった。息子もみんなから注目されて、うれしいに違いない。みんなの質問で一番多いのは、「日本とアメリカどっちがいい?」息子は、「食べ物とかは日本。環境のよさはアメリカ」と要領良く答えているらしい。

11月4日(火)から通い始めて、5日目の11月8日(土)にこの中学が力を入れている恒例の合唱コンクールが大きなホールであった。よって、息子が通いだした最初の週は追い込みってことで、毎日授業のあと猛練習。息子は「困ったなあ!」と言いながら、練習に参加。元来負けず嫌いの息子であり、記憶力は抜群。あっという間に、その週の木曜日には歌詞を覚えてしまった。これには、母も担任の先生も驚く。本番では、堂々とみんなに交じって歌い、他のお母さんから「B君が一番よく口があいていたわあ!」とほめられたほどであった。



後日、担任の先生からの学級通信で、「転入してきたばかりのB君が2、3日で覚えきれて、十分戦力として参加できた」と書かれたほど。いざというときの息子がだせる底力というのは、シカゴ日本人学校全日校で鍛えられた「常時イベント全力投球魂」からきているに違いない。なんたって6年以上もその中にどっぷりいたわけだから。

こちらの中2は6クラスで、息子のクラスは40人。シカゴの中2は1クラスでたった12人で、中学部全部でも40人いなかったわけだから、すごい違い。さきほど息子に聞いた話では、息子のクラスには3人の不登校者がいるという。これだけ多くの生徒たちがいれば、発散する場がなければ、思春期まっただなかの一番むつかしい中2であるゆえ、クラスで大暴れしたくもなるだろう。少々うるさいのはしかたがないだろうと思っていたら・・・

最初の週の木曜日あたりにいつまでたっても息子が帰ってこない。心配していたら、2箇所のトイレの換気扇やドアがぶっ壊されて、中2が呼び出されたという。息子は驚きながら、私たち親に話す。主人は、「まあ、そういうことは俺たちの中学時代はよくあったよ」「大阪の中学でガラも悪かったから、放火事件もあったしなあ・・・」と淡々と息子に話す。主人の時代は、日本全国の中学が荒れていた時代。つっぱりも多かった。でも、今の時代の中学生とまた質が違うような気もする。息子と同じ中学に通う娘を持った友達にこの事件を話すと、「そんなのしょっちゅうよ!」と相手にされず。

毎日いろんなことがあって、息子は精神的にかなり疲れているが、帰宅すると怒涛のように学校であったことを私に話してくれる。その内容が強烈で、私は「ハハーッ!」と驚愕したり、大笑いしたりする日々である。最初のころ、私が担任の先生に学校での息子の様子を聞くと、「適応能力が高く、みんなにすぐ溶け込んでいます」と言われた。それは息子の必死の努力の姿なので、すかさず、「(シカゴ日本人学校との)あまりのギャップに息子はとまどっているようですが・・・」と言うと、「(納得したように)今はよく本人の話をじっくり聞いてあげてください」とのこと。毎日聞きすぎるほど聞いてますわあ。

振り返ると、シカゴ日本人学校は本当に平和であった。ある種同質の子供たちがいて、温室というとらえ方もあるかもしれない。息子は、「シカゴ(日本人学校全日校)が良すぎた」とつくづく言う。これはカルチャーショックともまた違うような気がする。が、今までにないさまざまなタイプの友達に出会い、大きな人生経験を味わっている。そうとらえたいと母は強く願う。


次回は英語の授業とか部活について書いてみようかな。何しろ中学はネタ多し。


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5 コメント

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Unknown (MORIKANA)
2017-04-04 09:08:47
帰国子女のお子さんが日本の公立学校に入るときっと周りが子供に見えたり未成熟に見えたりすると思うんです。それでも順応していらっしゃるのが素敵です。グローバルスタンダードとジャパンスタンダードの両方を身に着ければ素敵なことですよね。簡単ではないことだけれど。
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みきどんへ (kuni)
2009-03-30 20:16:13
さぞやご心配だと思います。うちもそうでした。でも、中学入学からスタートできるのは、とてもうらやましいです。部活や学校活動で、途中からはかなりのハンディになるので。でも、息子さんが、フランスの現地校にうまく溶け込まれたように、きっとその柔軟性で頑張れると思います。子供たちの大きく広がった視野は、これからの宝物ですよね!帰国子女って、日本の中学生より精神年齢が高いと思います。そして、また、昔の友達はきっと大きな味方となると思います。帰国子女という立場をうちのズーズしい息子のように、うまく利用できるといいですね。息子さんが、うまく日本の中学に順応されますように!
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Unknown (みきどん)
2009-03-30 14:30:48
初めてコメントします。
私は、五年間のフランス滞在で帰国し、息子はもうすぐ中学入学という状況です。フランスでは約二年間は日本人学校に通っていましたが、フランス語ができるようになった時点で現地校に通っていたので、今は本当に大変です。。。うちの息子のことを覚えている子ども達もいてくれるので安心していますが、やはり心配です。。。
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Unknown (kuni)
2008-11-24 18:10:32
さすが、タッキー、中3の途中で日本の中学に入ってもすんなりなじむとは・・・!彼の天性の明るさとあの「いつでもどこでも笑顔」のたまものですね。女の子からも人気だろうなあ。

やはり誘惑多しですか。シカゴ日本人学校を思い出して、受験をのりきれるといいですね。また、その後の様子を教えてください。
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Unknown (TAKI おかん)
2008-11-23 18:59:19
まだ、1ヵ月にならないのに・・・いつもその
バイタリティーには脱帽です。
公立中学、いろいろありますよね。
うちも帰国から2か月過ぎました。
3年離れただけなので、すんなりなじんでますが、やはり多感な年ごろ、いろんなトラブルは
聞こえてきます。登校2日目には、帰宅するなり「ガラスが割られた。銅像もペンキ塗られてた」と、びっくりするようなこと報告してくれました。。。松平校長先生が、日本の公立中だと、悪に強くなるって、おっしゃってたのを思い出しました。そんな中、受験もだんだん近づいてきました。。。がんばるしかないのですが
誘惑多くて困ります。
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