Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

息子が女子中学生に読書の勧め~「読書は受験勉強だ!」

2009-11-10 | 日本の中学校
受験生でも読書の秋は変わらない。上の息子は、受験勉強とテストの合間をぬって黙々と読書に励む。私は、「また、勉強もしないで、本を読んで!」と心配になるのだが、息子の理論では、「読書も受験勉強」となるらしい。実際、テストの国語能力や作文力は上がり続けている。

昨日息子に聞いた学校での面白い出来事。昨日は、2回目のさいたま市の学力テストが行われた。そこそこむずかしかったようで、前回よりもみんな悪かったらしい。一人の女子が、放課後、最初息子に英語のテストのリスニングのことを質問してきた。息子が懇切丁寧に内容を解説していたら、他の女子も集まって聞いていたらしい。6人の女の子に囲まれた息子。英語のテスト全体の解説になってしまった。

そこで、みんなが、「なんで、そんなに頭がいいの?」「どういう勉強をしているの?」と聞くので、つい「本を読んでいるから」と答えてしまった息子。(だって、特別な勉強はしていないわけだし・・・これは事実だ)すると、みんなが、「頭が良くなる本を貸して!」と息子に言う。そして、6人の女の子たちが、息子の机の中をあさり、今読んでいる本を探す。福井晴敏の「Twelve YO」を見つける。自衛隊のことを描いている本らしい。女の子たちは、それを見て、あきれる。しかし、最後に、「頭が良くなる本」を持ってくることを約束させられる。

そして、律儀な息子は、本棚から丁寧に女の子にも読みやすくまとまっている本を6冊選んで、ヒーコラ言いながら、30分歩いて学校に6冊とも持っていった。女の子に貸すため、内容が過激な本、歴史物、野球の本は避けたようだ。



しかし、その6冊の本を借りに来たのは、6人のうちたったの1人だったらしい。他の女の子たちは、本のことなんて、すっかり忘れていたようだ。まさに、骨折り損のくたびれもうけ。ちなみに、1人の女の子に貸した本は、重松清の「エイジ」でした。でも、この受験の追い込み時期、今さら一時的に本を読んでも、急激に読解力ってつかないと思うんだけど・・・

写真は、女の子たちのために選んだ6冊。息子は、小学生の頃からこの重松清の本を愛読。息子は小学5年生のとき、四谷大塚の「予習シリーズ」の国語を独学で、解いていたのだが、このテキストにも中学受験の入試問題として、重松の「エイジ」「ナイフ」などはかなりでていた。その当時、椎名誠の「岳物語」は中学受験の定番だったっけ。伊集院静の短編小説もでていた。これらの作家の少年ものは、きっと読みやすいと思うので、小学生を持つ親も参考にして、子供たちに勧めてみてもいいかも。

個人的には、中学生には石田衣良の直木賞受賞作「4TEEN [フォーティーン]」がお勧めだ。月島に住む4人の中学2年生の男の子たちの冒険物語。彼らは自転車で風を切って月島を走り回る。息子たちのように・・・いや、部活に明け暮れていた中2だった息子たちよりもずっと自由に。「自分自身の十代のなかで一番たのしかった年はいくつだったろうか。高校時代は本ばかり読んで暗かった。やはり中学生がいいだろう。それも受験勉強が厳しい三年生でも、まだ中学に慣れていない一年生でもない。やはり底抜けにたのしかったのは、中学二年生十四歳のときだ。」と石田氏はあとがきに書いている。私は、アメリカにいて見れなかったが、ドラマ化もされたんだよね。この小説のキャラクター、ダイやテツローやジュンたちの数年後が見たい。



結構きわどいシーンがあるので、息子はこの本を女の子たちには勧めなかった。私は、息子に中1ぐらいで、思い切ってこれを勧めたが・・・最近、「フォーティーン」の新しいバージョンがでたんだよね。


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