Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

日本の小学校の学校公開・授業参観で学校に親しむ

2009-06-06 | 日本の小学校
今日は下の息子が通う公立小学校の1日公開授業参観日。小雨が降りしきるあいにくの天気にもかかわらず、多くの父親や母親たちがひっきりなしに各クラスのさまざまな授業を参観。工夫された展示物や授業の進め方、児童たちの雰囲気などがじっくりわかる貴重な1日だった。

学校から配られたプログラムには、1学年4クラスづつ6学年の1日の授業内容が詳しく一覧にされ、息子のクラスだけでなく、興味の引く授業もあり、どこから行こうかと迷うほど。

息子の4年生のクラスは、算数が1時間目。途中から見たが、息子も含めてみんなさらさらと鉛筆を動かして問題を解く。担任の女の先生の授業の進め方は、さすがベテランとあって、いつもてきぱきとしていて、みんなが少しでも怠けているとはっきりと指摘し、見ていて安心。「この問題がわからない人?」と先生が聞くと、数人手があがる。先生は、「では、班で教えてあげてください」と言うと、机をくっつけて、周りの子供たちが素早く熱心に教えている。おかげでこの子たちもすぐに理解する。誰もできないことをバカにする様子がなく、担任の先生の公平にみんなを扱う態度が、子供たちの誠実な態度にでている。

教室をざっと見ると、シカゴの日本人学校の教室よりずっと広々している。35人以上いるクラスだと思うが、(個人情報保護のため、クラス全員のリストが配られない。よって人数がわからない)列の最後の子供たちとランドセルの棚までかなりスペースがある。「里」という漢字が書かれた習字が展示してあった。日本の子供たちは、習字を小さなころから習っている子が多いので、習字が抜群にうまいというイメージがある。上の学年にいくにつれ、そのうまさが際立つのだが、このクラスはみんなどんぐりの背比べ。息子の字もまあまあ普通で、悪くない。帰国子女が日本に帰ってきて日本の小学校で苦労するのが、習字と縄跳びだというが、息子はなんとかなっているようだ。すんなりこなしているように見えるが、これもシカゴ日本人学校全日校で、やっていたおかげなのだろう。

2時間目は音楽。音楽室で専門の先生の授業。結構むずかしい曲をみんな合唱し、2、3人のグループに分かれて、リコーダー演奏の発表。息子はアルトの担当。ウーン、音階が分かれるとき、ちょっと間違えたか?隣のもう1人のアルト担当の男の子は、あまりできていない様子。発表前後は、息子がその子の面倒をみたりしている。11月に日本に帰国して、日本の学校にとまどいながら、みんなに学校のことを教えてもらって、3年生の間にじょじょに学校と友達にに慣れていった。半年たって、4年生から新しいクラスで、新しい友達と新学期を向かえて、同じ土俵に立ち、おそらく自信もつき、積極的になったのだろう。そういう意味で、学期の途中の日本からの帰国は大変だと思う。

3時間目は、教育懇談会で、新しい校長先生の保護者へのお話。学校の方針や子供たちの様子、教育目標、学校の施設紹介や活動状況の報告が詳しくあった。「この学校の児童たちは、学力はさいたま市の平均以上でできているが、アウトプットが消極的で、挨拶や掃除、生活習慣などを充実させたい」というようなことをおしゃられた。最後に、「苦手なことに取り組むことを尊重し、それに誠実に取り組む子を応援するように指導する」というようなことも言われ、息子のクラスの先生が、それに取り組んでおられることが今日の授業でもわかった。

4時間目は、6年生の英語の授業を見学した。「ワールドルーム」という国際色豊かに雰囲気の部屋で、担任の先生、日本人英会話講師、ALTと3人で細やかで、楽しい授業が行われていた。ベテラン日本人英会話講師の徹底した英語でのリードが素晴らしい!担任の先生もてきぱきと英語で手本を示していた。ALTは、まじめそうなアメリカ人で、1人1人の児童と丁寧に向き合ってくれていた。児童のアクティビティでは、見学にいらした校長先生も飛び入りし、一緒にはっきりと大きな声で英語で応答している姿が印象的だった。

最後の息子のクラスは国語の授業で、班ごとに分かれて、自分の新聞を作る。アンケートをとったり、写真やイラストを用いながら、独自の新聞作りをみんな楽しんでいた。息子は、大好きな「有毒動物」というユニークな題材。昨日、熱心に2冊の図鑑から、さまざまなカテゴリから、危険な生物や動物を選んで、コンビニでカラーコピーをし、切り抜いたユニークな写真を張りながら、文章を書きすすんでいた。息子は、みんなに図鑑の写真を見せながら、なにやらアンケートをとっている。女の子もいやがらず、真剣に有毒動物を品評している。息子がアンケートをみんなにとっている間、先生が熱心に息子の新聞を読んでくれている。「よく本を見ないで、こんなに書けるねえ!」と感心してくれている。この先生は厳しい面もあるが、ほめ上手。よく息子が、「今日先生にxxxでほめられた!」と喜んで話してくれる。

それにしても、息子の授業での表情が明るく、生き生きしている。さまざまな子と話しながら、授業を楽しんでいる。この小学校の子供たちは、素朴でのんびりしている。さいたま市の旧浦和の地域でも一番教育熱心な中心地よりやや離れているため、埼玉県の田舎の地元に根づいたいい雰囲気が残っている。地域の人々がいつも子供たちの通学路に立って、誘導し、安全面で気を配ってくれている。勿論、私たち保護者も全員が参加して、1年に何回か道に立って、交代で見守る。図書館も充実していて、活動が活発で有名な学校だ。この図書活動はまた近いうちに紹介したいと思う。私も図書ボランティアに登録したので。とりあえず、息子は自分に合ったいい小学校に入れて、本当に良かったと思う。



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