舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

Two Sessions left

2008-06-03 02:01:10 | 徒然話
『カウボーイビバップ』が残すところわずか2話となりました。
あああ、なんということでしょう。これまでの数カ月間、週に一度のこの放送が私の元気を支えてきました。
十数年ぶりに観たというのに色褪せないこのアニメの素晴らしさに改めて感嘆しておりました。
なのにこれが来週を限りに終わってしまうなんて...切ないにもほどがあります

『ビバップ』は基本1話(多くて2話)完結の短編エピソードの連なりです。
その中で徐々に主要キャラクターの素性が明らかになったり人間関係に変化がでてきたりと進行があり、私の感覚だと第20話を過ぎた頃が一番いい感じに脂が乗ったというかキャラクターの魅力が出揃った状態で、このまま水戸黄門的に短編がエンドレスに続いていってくれたら理想的だなと思わせます。
第22話『カウボーイ・ファンク』はまさにその理想型ですね。

しかしそれは長く続きません。『ビバップ』には突如としてラストの3話で終焉が訪れます。
それはもう見事な終焉っぷりで、「この後も彼らは変わらずやっていくんだろな~」と平和な妄想をすることさえできません。

私の見解では、終焉はラストから数えて4話め「ブレイン・スクラッチ」からすでに始まっています。
ここで、今までず~っと流れていた劇中のテレビ番組『BIG SHOT』(賞金首情報を紹介するうさん臭い番組で、主人公たちがしょっちゅう見てた)が突然終了してしまうのです。
そこからはもう、坂道を転がり落ちるかのごとく驚天動地のスピードでラストに向かってまっしぐらです。

続く「ハードラック・ウーマン」はもう完全に幕引きの話で、なんと主要キャラクターであったフェイ姐さんとエドの二人(ウェルシュコーギーのアインも)がビバップ号から去ってしまいます。
これでビバップ号のメンバーはアニメ開始時と同じスパイクとジェットの二人ぽっちになってしまうわけですね。

もともと二人だけでやってきたスパイクとジェットは、エドが甲板に書き置きした「Bye Bye」の文字を見ても表立った感傷はあらわしませんが、残された二人が憮然とした表情で四人分のゆで卵をヤケクソにがっつくラストシーンは胸に迫ります。

今やばらばらになった4人が代わる代わる映し出されるラストシーンは、毎回涙なくしては見られません。
もっとも最終回の泣きようはこの比じゃありませんが。
(既にご存じの方も多いと思いますが、私はこの厚い目化粧でよくぞというほど涙もろいです。とはいえ泣きのツボももれなく天邪鬼ですから、変な場面で大泣きするわりに普通の人が泣ける泣けるという場面ではたいてい泣きません)

しかし生き別れになっていた父親と再会して自分の居場所を見つけたエドに対し、フェイ姐さんはそうではありません。
彼女は喪失していた記憶を取り戻し、それを頼りに自分の家へ向かったのですが、そこは既に廃墟と化していました。
フェイ姐さんが数十年留守にしていたことを思えば不思議ではないのですが...。

けっきょくフェイ姐さんの居場所はやはりビバップ号だったのです。種明かしをするなら彼女は間もなく戻ります。
ただし、姐さんが戻ったビバップ号はもはや今までのビバップ号ではいられません。今度は入れ替わりにスパイクが自分の過去に決着をつけるために飛び出してしまうのです。
フェイ姐さんを心から慕う私としては、この展開は残念としか言いようがありません。

フェイ姐さんがスパイクを好きだったんじゃないかなどというのはどうでもいいことです(『十二国記』同様、主要人物に恋愛感情を持ち込まなかったことがこの作品の成功点だと私は思います)。
だれか個人に対してではなく、フェイ姐さんはスパイクもジェットもエドもアインもいるこのビバップ号を「自分の居場所」として認識し、本人がどう天邪鬼にふるまおうと確かに愛着を持っていたのでしょう。
それはほかのメンバーにとっても同じだったと思います。
あからさまな仲間気取りのないところが私の最も気に入っていた点であり、だからこそ失われてしまうのがとても悲しいのです。

ともあれ、泣いても笑っても(ってどうせ泣きどおしでしょうが)来週で最終回です。
来週の火曜日に私がどれほど泣き腫らした目をしていても引かないようにお願いします(笑)。

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