舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

魔法塾、はじめました!

2008-06-06 01:53:26 | ぼくはこんな本を読んできた
本題に入る前に姉さん、事件です(古)。
iPhoneが今年中にソフトバンクから発売されることになりました。

あらまああ、どうしましょう。私はドコモユーザーですのに...などと悩んだのはほんの一秒足らずでした。
今ここに宣言いたします。iPhone発売前にドコモからブラックベリーが出ることにならない限り、私はソフトバンクに宗旨替えします。

尤もドコモも決してiPhoneを諦めたわけではないらしく、場合によっては二社からiPhoneが発売される可能性もなきにしもあらずだそうで。ま、そうなればわざわざ宗旨替えする必要もありませんね(私はそもそも宗旨替えが好きではないんです)。
そういう林檎党員は私一人ではないはずなのでドコモさん、ここはひとつユーザーの流出を避けるためにiPhoneの発売を深刻にお考えください。

私は初代パソコンから林檎党...もといマックユーザーを貫いています。
そしたらうちの大学も情報処理室のコンピューターがすべて林檎マークで興奮しました。やるな東京女子大。全国の林檎党員の女性はぜひとも東京女子大へどうぞ。

くわえて私は先日ハワイのアップルストアに立ち寄り、ついにiPhoneと初めての接触を試みた結果、やはりiPhoneは私の運命の相手という確信を得ました。
機械に異常な愛情を抱く私にとって、コンピュータも携帯端末も相性がすべてです。そこへもってきてこのiPhoneときたらまるで自分の身体の一部になったかのような高いシンクロ率を見せてくれました。
こうなったら私が愛を捧げる相手はiPhoneしかあり得ません。一部筋で「あの形状は電話機としてどうよ」との意見も耳にしましたが、そもそも私の携帯電話はほとんど電話目的で使ってませんので無問題。どんとこいiPhone。


おおっと、今日は十分に興奮する本題だのに、うっかり前置きでも興奮してしまいました。
それじゃ本題いきますね。

<マジカルランド>シリーズ16
『魔法塾、はじめました!』
ロバート・アスプリン&ジョディ・リン・ナイ 著
矢口悟 訳
ハヤカワ文庫FT


はい、私の大大大好きなユーモア・ファンタジー小説のお話です。
以前に「『ライラの冒険』シリーズに次いで2番目に好きなファンタジー」と紹介したことがありましたね。その後も誰一人分からないであろうこのマニアックなタイトルをついついチラホラさせておりました。

「マジカルランド」シリーズは本国アメリカでは"MYTH"あるいは"Skeeve & Aahz Series"と呼ばれ、長年にわたって人気を博しているファンタジー・シリーズです。
日本では「マジカルランド」の名でカウボーイビバップとだいたい同じ頃(つまり私が中学2年生の頃)から刊行が始まり、このたびついにめでたく最新第16巻が発売されました。

この物語では魔術師の少年・スキーヴがさまざまな冒険(というより騒動)を通じて、しがない見習いから宮廷付魔術師になり、会社を興せば大成功し、「偉大なるスキーヴ」として名声をわがものにしてゆきます。

しかしスキーヴの立身出世には大勢の仲間たちの存在が必要不可欠です。
口八丁手八丁の得意な相棒のオゥズ(「偉大なるスキーヴ」を吹聴して回ったのも実はこの人)、お色気たっぷりの殺し屋タンダ、彼女の兄で実は頭脳明晰なトロルのチャムリィ、妙齢の美女ながら会計方面に稀有の才能を発揮するバニー、スキーヴになつく幼いドラゴンのギャオンなど、個性的で魅力あふれるキャラクターたちを挙げればきりがなく、しかも誰も彼もスキーヴを慕って助力を惜しみません。
まあ、そんな彼らがかえって騒動をややこしくすることも少なくはないのですが...!?

最新刊の今回、スキーヴは(おもにオゥズのムチャクチャな交渉とバニーの優秀な財務管理能力によって)巨万の富を築いた魔術師稼業から退き、生まれ故郷で魔術の研究にいそしんでいます。
「偉大なるスキーヴ」が今さら修業?といぶかしんではなりません。なにしろ彼の名声の幾分かははったりでしたし、あとの実力で成し遂げた分も、それは彼自身のリーダーシップや仲間と力を合わせて得た成果がほとんどなのです。
じつをいえばスキーヴの魔術の能力それ自体はおよそ「偉大」とはいえない代物なんですね(笑)。

そんなスキーヴだというのに、なんと魔術師としての名声を聞きつけて(うち数名はオゥズからガッポリむしられた上で)弟子入り志願の人々が現れました。それもいっきに6人!!!
この物語のことですから、一筋縄ではいかない人々ばかりです(笑)。
しかしもともと人の好いスキーヴのこと、悩みながらも彼らを受け入れ、試行錯誤の講義が始まったのでした...。

結論から申せば今回の話、「マジカルランド」久々のヒット作です。
私はこのシリーズの白眉は最初の4巻だと思っています。続刊は長期化したシリーズのご他聞に漏れず、いまいち初期の作品に並ぶ傑作とはなり得なかった。
特にここ最近出たものはどうもスッキリしないきらいがありました。

しかし今回の『魔法塾』はひさかたぶりにこのシリーズの痛快さを味わえる傑作です!!
進行のテンポがよく、読者を飽きさせない予想外の展開が続き、ラストはちょっと予定調和だけどそれが逆に心地よい大団円。
考えさせられたり心あたたまるシーンも多く、「マジカルランド」シリーズやお馴染みの登場人物たちの持ち味が十分に活かされていました。

そして相変わらず素晴らしい、矢口悟先生の訳!!
この作品はおそろしく和訳が難しい代物だと、原作を読んだ私は思います。とにかく「わかる人にしかわからないネタ」が多すぎる(笑)。言葉遊びというかダジャレも「あなたはルイス・キャロルか」と突っ込みたくなるほど多い。
なのに矢口先生はファンタジーやSF作品への深い造詣を駆使しつつ、日本語でも見事にダジャレています。原文と照らし合わせながら読むと「ほっほぉ~、そこでそうくるか!!」とさらに感銘を受けます。

矢口先生の翻訳に惚れ込んだ私は、主要キャラクターに当てるアニメ声優を妄想して書き連ねたファンレターを送りました。
とんでもないものを送りつけたにもかかわらず、先生はご丁寧にもファンレターへのお返事としては破格に長いお手紙をくださり、そこには私よかよっぽどマニアックな人選の声優妄想リストが書かれておりました。
その一件で私が先生への尊敬の念を新たにしたことはいうまでもありません。
なかでもスキーヴ役は佐々木望さんがいいという点において先生のご賛同を得られたことは大いなる光栄でした。

この表紙のイラストこそ件の主人公・スキーヴです。
作品のイラストを手掛けるのはこれまた大好きな水玉螢之丞画伯です。
「ヲタクの女王」と一部筋で崇められている方だけあり、画伯の描くスキーヴはいつもツボをつきまくる萌えイラストばかりです。

特に今回のは何ですか。
よりによってメガネですか。
まったくこれでは萌えすぎて息も絶え絶えです。普段の奥様お姉様のハートを萌えさせて止まない佐々木望さん的な美少年ぶりですでに煩悩の虜だっていうのに、この上メガネってあなた。
しかも好みが細かくてアレなんですが私、このピンクのシャツの襟にボタンとかやられると、もう萌え尽きそうです。そうとう危険な領域です(何がだ)。

おかげで物語の続きを早く読みたいのに、しばしば中断して表紙にウットリ見とれてしまいました。
まったくもうスキーヴったらますます可愛くなって。おかげでこの私も「マジカルランド」を読む時ばかりは年上好きの信念から宗旨替えしなきゃならないじゃないの。
って私、思いのほか宗旨替えしやすいタチなのか...。

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