イスラエル軍の大量破壊行為が(いや民間人殺害という点では)残虐行為が更に加速する。
これは”ならず者”行為やテロ行為を超えた、ネタニヤフ政権という名の大量殺戮兵器である。
勿論、民間人を盾にするハマスも同罪かもしれないが、イスラエルは軍人や民間人区別する事なく、大量に始末する。どちらが罪深いか?は明白だろう。
更に言えば、その後、逃げ隠れたハマス幹部らを1人1人虱潰しに殺害する。実に単純で無慈悲な戦法であるが、アメリカやイスラエルが考える事は、所詮はそんな次元の傲慢な作戦であるし、和平や停戦協議が上辺だけの事は明白だろう。
全くネタニヤフ政権も残酷非道だが、アメリカ政府も考える事は冷酷無情そのものである。全く、相手は同じ人間なのに、そこまで残忍になれるのか・・
先日も、ガザ地区の4千人の子供らの脚が吹っ飛んだとして、そのイスラエル軍の残忍性が世界中に大きく報道されたばかりだ。事実、イスラエル軍が無数の細かい金属片を入れ、殺傷能力を高めた砲弾を住宅密集地で使用してる疑いがある。
が、それ以外にも、アメリカが供与したMK84無誘導爆弾が同地区を襲ったとされ、直径40mほどの大きなクレーター状の穴がポッカリと空き、少なくとも19人の遺体が収容された。事実、昨年10月にも同地区にある36病院の83%が、この破壊力の強い900kgの空中破壊型爆弾の標的になったとされる。
今年に入り、アメリカの停戦要求も無視され、ネタニヤフの狂気は留まる所を知らない・・・と言いたい所だが、「嘘つきはアメリカの始まり」でも書いた様に、表面上では和平や停戦を促し、その陰ではイスラエルに大量の兵器や爆弾をせっせと送り続けているのだ。
アメリカはイスラエルに対し、唯一真の影響力をもつ国。がイスラエルは、ガザ地区での戦闘を通し、友好国の忠告を敢えて無視し続けている。
米政府はイスラム組織ハマスを相手とする戦争への支持は”鉄壁”だとする一方、イスラエル軍がガザの民間人を守らず、人道支援を受けられない事については、繰り返し懸念を示してる。
以下、「イスラエルへ過去最大の警告」より一部抜粋です。
ネタニヤフの狂気とアメリカの憂鬱
事実、アメリカは7カ月の長期に渡り、イスラエルへの圧力を徐々に強め、内々に忠告し、公に警告してきた。国連では、イスラエルへの非難決議に拒否権の行使をやめ、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸のイスラエル人入植者らに制裁を科した。
バイデン大統領は、今年4月の電話協議で断固とした姿勢を示し、ネタニヤフ首相に対し、イスラエルが支援物資のトラックをガザに入れないなら”支援を縮小する”と告げた。しかし、こうした忠告や説得の多くにネタニヤフは耳を貸さず、一方でアメリカは今や最も強硬な手段に訴え始めた。
イスラエルにとってアメリカは武器と弾薬の最大の供給源で、毎年38億ドル(約5900億円)の軍事支援が法律で約束されている。これはイスラエルを近隣諸国より優位に立たせるのが目的で、米議会は3月、追加で140億ドルの軍事支援を提供する予算案を可決したばかりだ。
しかし今、アメリカは政権史上初めてイスラエルへの軍需品の輸送を一時停止している。政府高官はBBCに、MK84爆弾など数千発の爆弾の運び入れを停止中だと明らかにし、また、他の武器や誘導システム機器も売却の見直しを進めてると述べた。
なぜアメリカは、イスラエルに対し、禁断の領域に踏み込んだのか?
まず1つは、ガザ南部での対ハマス軍事作戦がある。アメリカを含む西側諸国は、この作戦が民間人の多大な犠牲と人道上の大惨事を招くと懸念。つまり、米当局は輸送を延期している爆弾をイスラエルが人口の密集した都市で使えば、壊滅的な結果をもたらすであろう事が、今回の延期だと説明する。
事実、米ワシントンポストは、今回の武器輸送の延期を米政府の懸念が如何に深刻かをイスラエルに伝える”警告だ”とする米当局者の話を伝えた。
2つ目は、ハマスとの停戦合意を支持する様イスラエルに圧力をかけ続けるとのアメリカ側の強い意向だ。停戦と人質解放の交渉はエジプト(カイロ)で続いてるが、米政府としては、イスラエルが妥協しないなら”それに伴うコストを拡大する”という状況を作りたいのだろう。
3つ目の理由はアメリカの国内政治にある。バイデンには民主党支持者らからイスラエルへの支持を抑える大きな圧力がかかっている。それに米大統領選挙の今年、若い民主党支持者らがバイデン(今はハリス副大統領)への投票を躊躇うかもしれない。それはガザでの戦争でアメリカが支援してるのが原因だ。
故に、投票率が低ければ、共和党のトランプが優位に立つ可能性がある。
一方、イスラエルへの軍事支援を控えるとの決定は、米政府にとって大きなリスクを伴う。ネタニヤフは再びアメリカの発言や対応を無視し、アメリカの軍事支援が永久に続く事を見越し、バイデンの警告は”ハッタリに過ぎん”とあしらうかもしれない。
すれば、世界中にアメリカの影響力低下を露呈する事になるが、イスラエルもアメリカとの決裂は望まない筈だ。事実、イスラエルは防空システムを全面的にアメリカに依存し、事実そのシステムはイランのミサイルによる大規模な攻撃からイスラエルを守った。
米政府にとって大きな試練は、米国の兵器を使ってイスラエル軍が人権侵害を犯してるのかを米国務省が判断する時がやってくる。近々声明が出る予定だが、その時アメリカはどう言い逃れするのだろう。
最後に、アメリカはイスラエルの唯一の友好国ではない。アメリカがイスラエルへの武器売却を延期すれば、英国などの友好国も同様の措置を取るだろう。そうした暫定的制限は象徴的にも映るが、イスラエルの外交的孤立を助長する事にはなる。
以上、BBCnewsJAPANからでした。
なぜアメリカはイスラエルを庇う?
イスラエルの暴走にアメリカが切れるのも理解できる。だが、米ソの冷戦や中東や湾岸戦争時ではイスラエルを支援しておきながら、ここまで来てアメリカは”イスラエルを裏切れはしない”とネタニヤフが高を括るのも理解できる。つまり、アメリカとイスラエルの仲は我らが思う程に、単純でも浅くもない。
では、両国を強烈に結びつけてるものは何なのか?ここに来て、アメリカは本当にイスラエルを拒絶できるのか?
一方で、なぜアメリカのイスラエルへの支持と支援は両国共に、こんな悲惨な状況に陥っても盤石で不動なままでいられるのか?
一体何がそうさせているのか?私達日本人には全く理解できないのである。
中東調査会(公益財団法人)では、アメリカとイスラエルの密な関係を以下の様に説明する。
アメリカのイスラエルに対する寛大な支援は、宗教的・歴史的・文化的・政治的・戦略的要因が複雑に深く絡み合った結果だ。
具体的には、福音派キリスト教徒の宗教的信条に始まり、ユダヤ人に対する歴史的シンパシーと続き、ホロコーストのトラウマや民主主義的価値観の共有とそれに加え、中東における戦略的地政学的利益やイスラエル・ロビーの巨大な影響力など、全てがアメリカとイスラエルの特別な関係に寄与する。
因みに、イスラエル・ロビーとは”アメリカの外交政策をイスラエル寄りにと活動するユダヤ人や諸団体”と簡潔に定義する。
以上より、この様な複雑で様々な要因が組み合わさり、アメリカのイスラエル支援は揺るぎないものとなってるのだ。
更に、2020年に締結されたアブラハム合意以降、アメリカにとってのイスラエルの戦略的価値は大きく向上した。つまり、UAE・バーレーン・スーダン・モロッコというアラブ諸国がイスラエルとの外交関係を正常化した事で、アメリカのイスラエル支援が中東における自国の政治的影響力を必ずしも損なわなくなった。
これらアラブ諸国が”パレスチナの大義”よりも、経済的・安全保障的な実益を優先する姿勢を示した事は、イスラエルがアメリカにとって戦略的資産であるとの主張を後押しする材料となった。だが、こうした”作られた”議論は23年10月以降の”蛮行”ともいえるイスラエルの大規模攻勢(虐殺)により、急速に萎んでいく。つまり、ハマスの思惑通り、パレスチナの大義が頭を持ち上げてきたのだ。
他方、近年では”Z世代”と呼ぶ若い世代が、イスラエルを無条件に支持するアメリカの外交政策に対し、批判的な眼差しを向ける様になる。彼らは”ブラックライブズ・マター運動”と同様に、特に自国のアメリカが過去に行使してきた暴力や加担した抑圧に厳しい批判の目を向ける。
実際、23年3月の某世論調査では、過去20数年間で初めて”パレスチナに共感する”と回答した民主党支持者(49%)が、イ”スラエルに共感する”と回答した同(38%)を上回った。
こうしたZ世代の親パレスチナ的な世論の高まりは、米政府にとって無視できない状態になりつつある。
しかし、今後イスラエルの急進化・右傾化やZ世代の台頭がアメリカ=イスラエル関係を変化させ得るのであろうか?
恐らくそうはならない。つまり、アメリカの徹底的なイスラエル支持は、単純にイスラエルロビーの資金力や影響力のみに帰するものではなく、上述の様な歴史や理念といった様々な要因を絡む盤石なものだからだ。
未だ多くのアメリカ人にとって、イスラエルの存在を肯定する事は自らの国家を肯定する事と同義であり、イスラエル支援は戦略や国益といった世俗的な利害を超え、倫理的・宗教的な義務に他ならない。
従って、それがいかにアメリカの国際的な評判や国益を損なう事に繋がろうが、両国関係の現状が変化する可能性は極めて低いといえる。
以上「なぜアメリカのイスラエル支持はかくも盤石なのか?」から結論だけを簡単に纏めました。
最後に〜舞台は、ガザからレバノンへ
つまり、アメリカは中東のど真ん中に、イスラエルという名の大量破壊兵器を持ってるに過ぎない。ネタニヤフにはそういう事が解りきってるから、強気でいられるのだろうか。
つまり、アメリカが(民主国家とは名ばかりで)核超大国という実験的軍事国家であると同様に、今のイスラエルは試験的な大量破壊国家とも言える。
イスラエル軍は侵攻の舞台をガザからレバノンへ移し、標的をハマスからヒズボラヘと変えつつあるが、今回のイスラエルとレバノンのイスラム組織ヒズボラとの戦争は、前回の06年の戦争を繰り返してるに過ぎない。
因みに、イスラエルとヒズボラの戦闘は1980年代にまで遡るが、今回の国境付近での戦争は実は、昨年10月7日にハマスがイスラエルを攻撃した翌日に始まっていた。
そして今年9月、イスラエル軍は23日からの2日間で1000回以上の空爆をレバノンに実施し、”ヒズボラは最悪の一週間となった”と、軍幹部は攻撃の進展に歓喜した。勿論、イスラエル政府はレバノンへの勝利を必要としてるが、ガザでの戦争は1年が経って泥沼化した。
一方、ヒズボラへの総攻撃で、ネタニヤフは宣言通りに事が進むと思っているが、これは1つの仮定(賭け)の上に成り立つ。
”ヒズボラが折れ、国境から退き、イスラエルへの砲撃をやめる”というものだが、専門家の多くは疑問視する。ヒズボラにとってイスラエルと戦う事は最大の存在理由だからだ。
言い換えれば、イスラエルが攻撃する程に、パレスチナの大義は揺るぎないものになる。
そこで、イスラエルの宿敵レバノンとの度重なる戦争の歴史を「イスラエル、ヒズボラ相手に・・」を参考に簡単に振り返る事にする。
まず1982年には、パレスチナ側の襲撃を阻止しようと、イスラエル軍が首都ベイルートまで押し寄せた。だが、難民キャンプでレバノンのキリスト教徒らによるパレスチナ民間人の虐殺が発生し、イスラエル軍が難民キャンプの周囲を固めた為、国内外で激しい怒りを買い、不名誉な後退へと追い込まれた。
90年代になり、イスラエルは国境沿いのレバノンの土地を広範に占領。一方で、ヒズボラもイスラエルとの戦闘を通して勢力を拡大。2000年になると、多くのイスラエル兵の命が犠牲になると判断し、イスラエル首相のバラク(当時)は安全保障地帯からの撤退を決める。
06年、一触即発状態の国境地帯で、ヒズボラが無謀な襲撃を行い、イスラエル兵たちを殺害し拘束。イスラエルのオルメルト首相(当時)は戦争に打って出た。ヒズボラの最高指導者ナスララ師は、”イスラエルは戦争をする為にわざと襲撃は許した”と述べた。
この戦争後、ヒズボラは国境地帯に強固な岩盤にトンネルと陣地を準備し、彼らの武器はイランからシリア経由で供給され、強大である。現役戦闘員は予備役を含め5万人を超え、12万~20万発のミサイルとロケット弾を保有し、イスラエルの都市を攻撃できる長距離のものまである。
イスラエルはガザ地区でした様に、レバノンの町全体を瓦礫に変え、何千人もの民間人を殺害する事で、ヒズボラへ恐怖を与えてきた。故に、”イランの核兵器をヒズボラが使う事はないだろう”とイスラエルは考えている。一方でヒズボラは、イスラエルにヤラれる前に全ての兵器を使い尽くすかもしれない。
結局は、イスラエルとレバノン共に消耗戦となり、過去の戦闘と同様に痛み分けに終わるだろう。イスラエルが掲げる正義は、アメリカの描く正義と同じく、絵に描いた大量殺戮行為と同じで、犠牲と失望と疲弊と損耗しかもたらさない。
ヒズボラのナスララ師は”ガザでの停戦なしにはイスラエルへの攻撃をやめる事はない”と言い続けている。つまり、イスラエルがガザでの停戦に応じなければ、西側の外交は行き詰まるが、ヒズボラが掲げる”パレスチナの大義”はここでも揺らぐ事はない。
イスラエルによる空爆がレバノンを襲い続ける中、イスラエルの民間人は酷い苦痛と不安を感じ、ヒズボラが更に多くの深刻な被害を与えるだろう事を知っている。つまり、”恐怖は前線を越える”。
一方でイスラエル軍は、積極かつ大胆になり、ヒズボラを駆逐する時だと信じている。だが敵は断固たる決意をもち、よく武装され、怒りに満ちている。
つまり、恐怖は結束を固める。この恐怖こそがハマスとイスラエルの1年に渡る戦争の中で”最も危険な危機”とも言える。
そして今、遥かに悪い事態へと悪化していくのを、止めるものは何もない。
以上、BBCnewsからでした。
補足〜パレスチナの大義とアメリカの正義
イスラエルの友好国である米英は、敢えてイスラエルの大量破壊及び残虐行為に油を注ぐ様な事をする。
アメリカ軍は4日、イエメンを拠点とし、イランの支援を受けるイスラム武装組織フーシ派の拠点15カ所を攻撃したと発表した。
米国防総省は”航行の安全と自由を守る”為に攻撃したと説明。事実、フーシ派は昨年11月以降、イエメン沖の紅海を航行する船舶約100隻に攻撃を仕掛け、2隻を沈没させていた。一方で、フーシ派はイスラエルがガザ地区で、ハマスへの軍事作戦を展開してる事への報復だとしている。
全く、イスラエルがレバノンを大規模攻撃したのとタイミングを合わせるかの如く、米英はイエメンを攻撃する。
表向きでは、和平とか停戦と言っておきながら、裏ではイスラエルへ武器を供与し、自らも広範囲な空爆を仕掛ける。
これじゃ、どっちがテロ国家で、どっちが”ならず者”国家なのか?判別がつかない。つまり、”類は類を呼ぶ”とはこの事だ。
またイスラエル軍は、16日にガザ地区南部で行った軍事作戦で、ハマスの最高幹部シンワル氏を殺害したと発表。シンワル氏は去年10月のハマスによるイスラエル襲撃(約1200人が殺害、251人が人質)の首謀者とされ、ネタニヤフ首相は”これはガザにおける戦争の終りではないが、終わりの始まりとなる”と、人質解放まで戦い続ける事を強調した。
一方、バイデン大統領は電話で祝意を伝え、”イスラエルとアメリカ、そして世界にとって良い日だ。世界中にいるテロリストも正義から逃れられない事を証明した”と語った。
但し、ガザ保健当局によれば、今回の紛争で4万2500人近くが殺害され、9万9000人以上が負傷したとされる。まさに、”襲撃には大量殺戮を”の世界である。
ハマスの首領2人が殺害された結果、イスラム系民族の憎悪と怒りの炎に油を注ぐ様な結果になったが、アメリカもイスラエルもまるで、ビン・ラディンを殺害した時以上の高揚感に浸っている。しかし、ビン・ラディン殺害後のイラクは、タリバンが再び跋扈し、イスラム国という新たな過激テロ組織が生まれ、シリアはより危険な国に、イランは核兵器を所有する軍事大国になった。
つまり、古い主導者を殺しても新世代の主導者がすぐに現れる。戦争が進化する様に、復讐の連鎖も進化する。イランが主張する”抵抗の精神が強化され、新たな段階に入った”とは、この事だろう。
ネタニヤフは”オレたちに危害を加える奴らがどうなるかを世界は知った筈だ”と胸を張ったが、それと全く同じ事をイスラム武装組織も思ってる事だろう。つまり、パレスチナの大義とアラブの結束は、アメリカが偽の正義を掲げる程に強化される。
歴史は韻を踏む様に繰り返すが、更に悪い事態へと韻を踏む。少なくとも、停戦の確率はほぼゼロになったと言える。
世界各地で戦争をけしかけ、表向きでは和平外交を掲げ、裏ではせっせと大量破壊兵器を送る。
お陰で国内の軍需産業は大儲けで、アメリカ経済の主力となり続けてきました。
しかし今、このツケがアメリカ自身に跳ね返りつつある。
現実に(ネタニヤフの言葉を捩り)これこそが”アメリカの終りの始まり”となるんでしょうか。
更に”嘘だと言ってアメリカ”とは
今のアメリカ白人の真意だと思います。
いつもコメント有り難うです。
アメリカ白人は
”お前の親父は誰だ”って事を口にするけど
この言葉は、かつて大英帝国で虐げられていた貧しいプロテスタント白人が言われてた言葉ではないのだろうか。
先日も大谷が”お前の胴元は誰だ”って野次られてたけど、これもある種の人種差別用語である。
かつて西側の正義の象徴だったアメリカですが、今や”ならず者超大国”のイメージが強い。
お陰で、ロシア・イラン・中国との三正面衝突の危機にも晒される憎まれ大国のアメリカだが、犯罪者が何食わぬ顔して大統領に君臨し、実質の逮捕状が出てるに拘らず大統領選に正式に立候補する。
他方でイスラエル軍は米国制の武器で民間人を大量殺戮する。
”俺たちの国は一体何なんだ”って、白人の戸惑いの叫び声が聞こえてくる。
太平洋戦争時は、米英ソと実質3つの大国を敵に回しました。
勿論、最初から500%勝ち目のなかった戦争でしたが、結果は敗北どころか、大都市に集中した無差別空爆と広島長崎への原爆投下、それに無条件降伏が待ち構えてました。
未だその傷口は”失われた20年”という形で生き続けてるのですが、歪んだ日米同盟がある限り、その呪縛からは逃れられそうにもない。
今のネタニヤフを見てると、かつての旧日本陸軍の無能な上層部を彷彿させますね。
彼は、70~80年代の黄金期のアメリカとイスラエルの鉄壁の関係を夢見てます。
結局は、過去4度の中東戦争はパレスチナの大義を色濃く世界に示しただけで、再びイスラエルの民は遊牧民のような生活に舞い戻るのでしょうか。
ロシア、中国、イランと3つの大国と対立関係にありますから
どの国も直接は敵に回したくない。
仮に、3大国が対米軍事同盟を結ぼうものなら、西側の民主国家は確実に敗れます。
そんな状況が分っていながら、ネタニヤフはアメリカの盾を確信し、強気でいます。
ネタニヤフが考えるアメリカは昔の強いアメリカではありません。
今のイランは昔の弱いイランではないし、中国もいつまでも眠ってる獅子でもない。
ロシアだって崩壊後の失脚した共産主義大国ではなかった。
かつてはアメリカを中心とした西側民主主義国家の繁栄も、今では過去の産物となりつつあります。同じ様にイスラエルとアメリカの強固な筈の同盟も風化しつつあります。
言える事は、アメリカを中心とした時代が尽きて、ネタニヤフは過去の幻影を見続けている気がしますね。
米英も遠くからイランの動向を眺めながらの様子見でしょうが、最終的にはアメリカ大統領選挙の行方次第でしょうね。
つまり、イスラエルを突き放せば、ユダヤ系有権者の票田を狙うトランプを勢いづかせるし、逆にアメリカの若者や浮遊票はイスラエル寄りを嫌う。
今の米政権はイスラエルよりもウクライナにシフトした方が、大統領選がどちらに転ぼうが、1つの答えにはなる様な気もします。
つまり、国内の混乱や分裂を考えると、イスラエルやロシアの方がその確率はずっと高いし、”大義”という点から見ても、ネタニヤフ政権とは一線を画した方がクレバーなやり方だと思います。
つまり、7月末のハニア殺害はイスラエルの停戦交渉拒否を意味していた。
明らかに、ネタニヤフはイランを引きずり出し、米国を巻き込む為の思惑だろうな。
ヒズボラがイスラエルと全面衝突すれば、イランは無視できない。
<ハマスは壊滅できない>との声がイスラエル軍内部から上がる中、内政でも窮地に立つネタニヤフ政権だが、イランとアメリカを正面衝突させる思惑が見え隠れする。
勿論、アメリカは大きな迷惑だし、経済で疲弊するイランもアメリカとは直接対峙したくはない。
つまり、ハマスが巻いた火種に、ネタニヤフが応じ、その戦火の渦に誘う思惑だけにはアメリカもイランも巻き込まれたくないというのが本音だろうね。
多くの戦闘員や軍幹部らは、地下に張り巡らされたトンネル網や会議室に待機し、反撃のタイミングを計ってると思われます。
戦闘が長引く程に、彼らには有利になる訳で、一方で、ネタニヤフ政権は内部クーデターなどの分裂の危機に晒される可能性が高くなる。
今はまだイスラエルが圧倒的に優位ですが、米英の態度やイスラエル国民の反発次第では局面が大きく変わる事も考えられますね。
恐怖は前線を超え、結束を強くする。
今のハマスやヒズボラはそんな心境でしょうか。
ハマスもヒズボラも絶対に引かない。
ハマスは長期間の準備を経て、長さ500kmから600kmのトンネル網を掘り、ネットも完全配備した深さ50mの空調の効いた会議室もある。ゲリラ戦用に訓練された戦闘員も新たに4千から5千人が加わり、反撃の準備は万全だとされる。
ネタニヤフに停戦の意思はない事が判りきってるから、親イランのイスラム武装組織とイスラエル軍はどちらかが完全壊滅するまで闘い続ける。
当然だが、その間にイスラエルは内部崩壊か分裂が起きるだろう。
書かれているように、イスラエル国内の結束はパレスチナの大義ほどには堅くない。