村田の檜舞台になる筈だったラスベガスでの防衛戦は結構期待したが、予想通りアッサリと裏切られた。解説するまでもない試合展開だったが、村田選手には夢を抱かせてくれて有難うと、心から感謝したい。
日頃からある程度強い相手と戦ったとかないと大舞台で恥をかくんですかね。村田選手もいい勉強になった事でしょうか。でも、1ランク下の相手にオチョクラれるとは、日本人として少し悲しい気もする。
同じミドル級でもカネロのドーピングで、一気にシラケきった形となったゴロフキンとの世紀の再戦だが。5/5のビッグブートの筈が急遽9/16に組まれた。コミッショナーもボクシング界全体の壊滅に繋がると踏んだのだろうか、僅か4ヶ月のスパンでの再戦も珍しい。
当然、カネロは4ヶ月を掛け、ステロイドを抜き、ゆっくりと調整した筈だし、ゴロフキンは代替え選手を軽く圧倒したとはいっても、試合の疲れを完全に癒やし、再調整するには、4ヶ月はやはり短すぎた。
この4ヶ月のブランクは明らかにカネロ陣営にプラスした。結果はカネロの微妙な?判定勝ちだったが、思った以上にカネロが頑張った。終始、積極果敢なスタイルで、今回は追い詰められてたカネロも絶対に引かなかったし、印象が違った。
一方で疲れが多少残ってたせいか、ゴロフキンは精彩を欠き、距離を詰めきれなかった。ウエルターのカネロがミドルで対等に戦うには丸1年は必要だったという事か。
勿論、カネロの判定勝ちには賛否両論あるだろう。しかしゴロフキンには酷だが、ある意味妥当な結果だとも思う。それに、どうしてもミドル対ウェルターという贔屓目の視点で見るから、カネロに多少は重きを置いてしまう。でもカネロは今回の起死回生のファイトで、ドーピングの負のイメージを半分程は払拭できたのかな。
ゴロフキンが完璧な状態であったなら、結果は大きく変わってたろうか。カネロのフィジカルの充実もそうだが、セコンドの戦術も戦略も良かった。
この日のカネロは、キレのいいジャブと精度の高い左右のストレートを武器に、ゴロフキンを終始寄せ付けなかった。左のロングも有効だったし、細かいパンチも肝心な所で有効打になった。
それ以上に、終始引かずに打ち合う果敢なスタイルがジャッジの印象を良くした。
ゴロフキンの限界?
逆にゴロフキンは、距離を詰めての凡庸な左右のフックがメインで単調になりすぎた。終盤の様な左右のロングを最初から繰り出してたら、カネロは終わってたか。
”ジャブジャブ&ワンツー”というボクシングの基本を無視したら、全盛期のゴロフキンでも勝てないだろう。逆にカネロは、その基本中の基本を忠実に守り続けた。
カネロ陣営はゴロフキンの接近戦での打ち合いを見透かし、ジャブと左右のロングで相手陣営のリズムを、ゴロフキンの強打を封じ込んだとも言える。
勿論、年齢というハンデもある。36歳のゴロフキンに対し、カネロは28歳と油が乗り切ってる。でもそれは体重のハンデで相殺される筈し、それに今の36歳というのはボクシングの世界では、まだ衰える時期ではない。熟成という言葉が似合う年齢なのだ。
試合は、2Rの両者の鬼気迫る打ち合いを制した時点で、カネロの勝ちを確信した。それにボクシングの質もカネロが上だった。
一方で、ゴロフキンにはダメージはあったかもだが、流石に後半は疲れが見えた。終盤のラッシュ時に下がる場面も見られ、ジャッジの印象を悪くした。
それだけカネロの多彩で正確なパンチが効いてたという事の裏付けもあろうが。
三度目の正直はあるのか
しかし、ゴロフキンには不運で気の毒な結果かもだが、とてもいい試合だった。”黄金のミドル”を彷彿させるような試合だった。”前科2犯”?のカネロには、手放しでよく頑張ったと褒め称えたい。そして、ゴロフキンは、コンデションの不利とセコンドの戦術が間抜けだっただけで、再々戦すればカネロを圧倒できると。
カネロにはゴロフキンにまだ借りがある。ドーピングの借りの半分は今回の試合で返したが、初戦の引き分けの借りはまだ返していない。つまり、カネロはすぐにでも明日にでも、ゴロフキンの再々戦には応じる必要がある。
その時に、二人の本当の真価が問われる事になる。まだまだ、ゴロフキンは終わっちゃいない。いや今後のボクシング界の為にも終わって貰っては困るのだ。
つまり、3度目の正直はゴロフキンの為にある。
ドーピング違反という負の要因が、カネロの積極果敢なファイトスタイルに繋がり、今回の結果に繋がったと見たい。逆を言えば、今回の微妙な敗戦がゴロフキンのボクシングスタイルをよりアグレッシブに変化させるかも知れない。
1つの階級に4人も5人も王者が乱立する昨今のボクシング界。一昔前だったら世界ランカーにすらなれないレベルでも王者になれる時代。スマホ世代のボクシング界に明日はあるのだろうか。
そんな中、今回のカネロの積極な鬼気迫るファイトに、一筋の光明を見た気がしないでもない。村田選手には悪いが、王者としての資質と才能はボクシングそのものを支える重要な要素だと思った。
村田は残念でしたね。プロの世界ですから、結果が全てなんでしょうが。重いクラスで今までよく頑張ったとは思いますよ。ウン、全然頑張った。
日頃ボクシングや格闘技はあんまり見ないのですが。村田選手には注目してました。竹原さん以来の重量級の世界王者ですから。
でも負ける時って、何だか全てを喪失した感じで、やりきれないです。勿論、今まで戦ってきた選手が弱過ぎたとの批判もありますが。
ボクシングってそういうのもアリと思うんです。弱いなりに世界王者になるには、そういった工夫も必要かと。
勿論、相手のブラント選手も弱々しく見えたんですが。レヴェル自体は何だかなでしたけど、二人とも最後まで必死でした。
私はこういうボクシングもありかなとは思いますが。
重たいクラスでの層の厚さは半端じゃないですからね。村田やブラントクラスの選手は五万といるでしょうね。
でも大金を稼ぐプロの世界です。視聴者がどう見るかが真の評価に繋がると。そういう意味では辛辣な評価が大半ですが。真っ当な評価だと思います。
ただ村田選手が王者になった時、対戦相手の弱さには殆ど触れませんでした。王者になった時は天狗にしといて、陥落するとコケにする風潮は少し酷ですかね。
私も最初は、村田選手の事は殆ど評価してませんでした。でも弱い相手とはいえ、試合を積み重ねる毎に、逞しく王者らしくなっていく姿に感心しました。ここまで人間は強くなれるのかと。
そして今回の試合でした。敵地ラスベガスという事で、地の不利はありますが、ボクシングの聖地に変わりはない。この絶好のチャンスで完敗でした。
酷く言うファンも期待の裏返しでしょうか。でも今回村田選手は学ぶ事も多かったと。またそう思いたい。特に日本では、このクラスでは彼に変わるボクサーは、当分出てこないでしょうから。そういう諸々の意味を込めて、村田選手には夢を有難うですね。
村田選手の試合も結構面白かった。カネロvsゴロフキン2程ではないにせよ、やはり重いクラスは迫力が違う。
やはりボクシングは、殴りあうスポーツ。そういう意味でも2試合とも良い試合だった。
村田は最後まで堂々と攻め続けたし、挑戦者ブラントも前評判は低かったが、最後までタフだった。
ヤッパリ、重いクラスは見ててスリルがある。”黄金のミドル”とはよく言ったもんです。日本選手もこのクラスにどんどんチャレンジして欲しいですね。
このクラスで日本人で彼に勝るボクサーはいないんですから。
でも、やっぱりミドル級は見所が多いですね。井上が強いと言っても、所詮、軽いクラスですもんね。
ボクシングになると、一億総解説者になりますね(笑)。
私にとってのパウンドフォーパウンドは、ロベルト•デユランですが。肱雲さんにとってのパウンドフォーパウンドは誰なんでしょうか?
あそれと、ジュリーの由来ね。女優のジュリー•アンドリュースのファンだった為ですかね。ウィキで調べました(笑)。