象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

傘がない〜真夜中の訪問者”その76”

2021年07月19日 05時24分05秒 | 真夜中の訪問者

 私は土砂降りの雨に濡れながらも、何かを追いかけていた。
 目的の前の駅で降り、あるお寺に駆け込んだ。そこにはどこかで見た事のある濃いブルー色の小さな傘がポツンっと置かれていた。
 私はその傘を失敬すると、再びどこかへ向かった。

 気がつくと、ある大きなバスの前に立っていた。
 1人の女が降りてきた。
 女は超ご機嫌のようで、濡れたまま傘も差さずに私に寄り添ってきた。
 私は、お寺で失敬した小さな傘を彼女の方に広げた。
 女はその小さな傘から抜け出し、バスから降りてくる友人一人一人に手を振って別れを告げていた。
 女は日本人らしかったが、友人は皆外国の女だった。私は彼女たち一人一人とハグをし、軽く頬にキスを交わし、女と一緒にその場を後にした。

 小さい傘だから、2人ともズブ濡れである。
 それでも彼女はご機嫌だった。
 ”傘を買おう、これじゃ2人とも風邪を引く”
 ”いいじゃない、このままで。たまにはズブ濡れになるのも悪くはないわ”

 私は突然尿意を催し、近くの公園のトイレに駆け込んだ。
 何故わざわざ汚い公衆トイレを選んだのかわわからない。
 ”ちょっと用を足してくるからここで待ってて”とだけ言って、私はトイレに駆け込んだ。

 私が用を足してると、彼女が横に立ち、おもむろにスカートを捲くりあげ、用を足す素振りをして、私を驚かせた。
 ”女は女子用のトイレで済ませるべきだ。ここは男性用で、女性が用を足せるようには出来ていない”
 女は私のイ○モツを眺めるようにして、横に近づいた。
 私は叫んだ。
 ”外で待っててくれ!ここは女性が出入りする所じゃない!”
 女は笑いながら、飛び出していった。

 私が用を足し終え、外に出ると、雨が上がっていた。
 そして女もいなくなっていた。
 その時、夢から覚めた。


傘がない

 まるで、井上陽水の「傘がない」(1972)を地で行くような夢だった。

♫だけども問題は今日の雨、 傘がない
 行かなくちゃ、君に逢いに行かなくちゃ
 君の町に行かなくちゃ、雨にぬれ
 ・・・・・・・・・・・・
 つめたい雨が、今日は心に浸みる
 君の事以外は考えられなくなる・・・♫

 しかし、女は今まで見た事のない、奇怪で珍しい女だった。
 この夢は、今月初めの鬱陶しい梅雨の時期に見たものである。
 どうも雨が続くと、私は鬱になり、頭が混乱する。



2 コメント

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Unknown (びこ)
2021-07-19 11:06:45
不謹慎かもしれないけれどトイレにその女性が入ってきた場面を読ませてもらって吹き出してしまいました。見せたがる男の人もいるみたいだけど、大概の男性は見られることを恥じらいますよね。
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ビコさん (象が転んだ)
2021-07-19 14:08:40
どうも梅雨のジメッと時期って
狂ったような夢を見るんですかね。
どうでもいいような夢でしたが
傘を差して走ってる自分を思い浮かべ、井上陽水の名曲を並べてみましたが
どう見てもミスマッチでした。

地元福岡は今とても暑いです。
”傘がない”どころか”陰がない”といった感じです。
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