昔、期限切れのケーキを食った事がある。有名メーカーの生ケーキをもらい、期限を確かめもせずにそのまま食べた。
食べてる時はとても甘く美味しかったが、食った後で胃腸が違和感を覚え、一気に吐き出してしまった。
賞味期限を見ると、1週間ほど過ぎていた。つまり腐ってたのだ。その時、生クリームも腐るんだなと、当り前の事だが教えられた(悲)。
それと同じ様な事が、今回のオリンピックを見てて再現された。
何を見ても食傷気味で消化できない。ひどい時には吐き気を催す。
ロス五輪(1984)の時もカール・ルイスを見て吐き気がしたが、ここまでは酷くはなかった。
ソウル五輪(1988)の時はベン・ジョンソンが家畜用ステロイドを使用したとして失格になったが、納得の行く不正行為に映った。
以降、”ステロイドの祭典”と揶揄されるほどまでに成り下がった五輪だが、それでもTVに齧りついた。
しかし今回の東京五輪は、コロナ感染と政府やIOCの黒い思惑が複雑に絡み合い、五輪アスリートのパフォーマンスも含め、全てが腐ってる様に思える。
期限切れの腐った生クリームじゃないが、感動が生モノである程に吐き気を催すのだ。
二項定理
この吐き気を催す程の、利権に塗れた東京五輪を、”汚職と祭典の二項定理”に例えてみた。
二項定理とは厳密に言えば、”二項展開”である。その二項展開とは、(x+y)²=x²+2xy+y²、(x+y)³=x³+3x²y+3xy²+y³、・・・、(x+y)ⁿ=ₙCₖxᵇyᶜの形で表現できる展開式だ。
具体的に書けば、(x+y)ⁿ=xⁿ+ₙC₁xⁿ⁻¹y+ₙC₂xⁿ⁻²y²+・・・+ₙCₖxⁿ⁻ᵏyᵏ+・・・ₙCₙ₋₁xyⁿ⁻¹+yⁿ=Σₖ[0,n]ₙCₖxⁿ⁻ᵏyᵏとなる(但し、ₙCₖ=n!/k!(n−k)!)。
そこで、x=汚職,y=祭典,n=大会の回数とすれば、祭典と汚職の和をn乗する(規模が大きくなる)につれ、新たに様々な展開項(関係団体)が発生し、その二項係数(利権)と共に複雑多岐に膨張し、腐っていくのが判る。
僅かに2つの要素の規模が大きくなる程に、その二項展開は複雑な形をとる。
しかし、こうした初歩的な展開公式で、利権五輪の汚職と祭典の規模を解析すると、その複雑に腐った実態が如何に可視化しにくいものかを理解できる。
汚職と感染の可視化
この”汚職の可視化”だが、物理学の世界では量子力学のお影で、”見えない力学”が大きく発展したが、ゲノム解析なんてその典型である。
数学の世界でも物理学に遅れをとったが、リーマンゼータ関数の複素解析のお陰で、”見えない数学”の領域に入りつつある。
つまり、汚職を解析する事で可視化し、浄化する時代に入りつつあるのではないか。
昨年4月末、西浦博教授の”80割削減”プロジェクトは、”見えないものを可視化”した最初の救世主でもあった。
しかし、クラスター(集団感染)にのみ通用する数的アルゴリズム(感染症の数理モデル)だったが故、”GoTo”政策により生じた市中感染には残念ながら応用できなかった。
この最終兵器の数理モデルはブログ「8割削減」でも書いたが、その詳細は主要メディアでも殆ど紹介される事はなかった。
1人の感染者が何人に感染させるかを意味する”再生産数”をRとすると、αだけ接触を減らした場合の感染者1人から感染する人数は(1−α)Rとなる。流行を最小限にするには、1人から感染する値を1未満にする必要がある。
そこで西浦教授は、あえてR=2.5と見積もった。これは日本の感染率(R=1.5)ではなく、当時(昨年3月)の感染爆発の真っ最中にあった欧州の平均的なドイツの再生産数である。
これは憶測に過ぎないが、どんなに規制しても”如何わしい店”に行くエロ爺は一定数存在するとの仮定で、大きめに設定したのだろう。事実、全陽性者の6割は経路不明である。
この時、(1−α)R<1を満たすαは0.6(6割)より大きい。そこでα=0.6の場合は、その後も同じ人数の新規感染者が出るだけで、流行の拡大は収まらない。しかし、α=0.65なら減少に転じるが、緊急事態宣言前の100人に減るには70日以上かかる。だがα=0.7なら34日間、α=0.8(8割)ならたった15日間で済む。
しかし、PCR検査判明のタイムラグ(当時は2週間)を考慮し、再シュミレートすると、”8割削減”を実行しても実際には、39日掛かる事が解った。
私はこの時、日本政府が初めて”コロナ対策で数学アルゴリズムを使った”と高く評価した。
同じ様に、初歩的な数理モデルで汚職と腐敗を可視化出来たら、どれだけの政治腐敗を浄化できるだろうか。
政治腐敗の8割削減というアルゴリズムが日本列島を救うとしたら?
可視化する勇気と知恵
事実、その後、コロナ感染の数理モデルを利用したシミュレーションは日本や英国を始め、様々な国で使用されている。
見えない敵であるウイルスと闘う為には、冷静で論理的な作戦が必要とされているのだ(日経サイエンス・20年6月号)。
市中感染を可視化するには、「コロナ渦の可視化が日本を救う」でも書いた様に、コロナ感染濃度(強度)をアメダスの様に可視化するのも1つの方法だと思う。
西浦教授の”8割削減”モデルもクラスターを可視化した数理シュミレートであった。
実際に、この可視化モデルは功を奏したが、愚かにも安心した日本政府は”GoToトラベル”を施行したが為に、コロナ撲滅のシナリオは泡と消え、再び第2波第3波そして、第4波が襲った。
その後は皆が知る通り、東京五輪を1年延長し、安倍は失脚し、曖昧な”緊急事態要請”の繰り返しで、まともなコロナ政策は行われてはいない。案の定、五輪開催により、変異株の感染拡大は更に勢いを増し、東京都を含め各都道府県も新規感染者記録を更新した。
今や、政治の腐敗や現代五輪の没落やIOC貴族の利権と汚職は、目に見えない領域にある。
上で述べたように、今や物理学や数学の力を借りて、問題点を解析する時代に来てると思う。
つまり、”目に見えないものを見える”ようにする努力は、人類に与えられた宿題でもある。
今こそ人類は、地下に深く根付いた汚職や腐敗を可視化する知恵を発揮すべきである。
本当の勇気とはそういうものを言うべきであろう。
そんな私も政治批判はよくするが、そんなのは私を含めバカでも出来る(悲)。
しかし、見えないものを可視化するのはそう簡単で単純じゃない。でもこの難題を超えない限りは、延々と汚職と腐敗が続くだけである。
しかし、初歩的な数理モデルでそれらの一部でも解決できれば、これも立派な施策であろう。
バカの1つ覚えみたいに、予算と借金を膨らませ、国債を発行し続け、外国へ大金をバラ撒き、見た目のGDPを膨らませた所で、限界は見え透いている。
人類の知力と勇気で見えない敵を可視化して打破する。これこそが真の勇気ではないだろうか?
最後に〜コロナの惑星
今から8千年前の古代エジプト人は、ピラミッドを作り、土地を測量し、税金を徴収する為に、公式や分数などの洗練された数学を作り出した。
同じく4千年も前の古代バビロニア人は、60進表記を使い、高度な三角法の計算術からピタゴラス数や2次方程式の解法を発見した。
彼らは、神しか眺める事の出来ない筈の無限の数字を可視化し、高度な算術として表記し、粘土板に刻んだ。
これらの可視化は後に、高度な整数論に飛躍し、現代数論の大きな基盤となった。
8千年や4千年も前の古代人に出来て、21世紀の現代人に出来ない訳がない。
我ら現代人には、彼らみたいな高度な知能は持ち合わせてはいない。しかし、我らはありとあらゆる情報を共有し、多くの先代人の発見と知恵を引き継いでいる。
汚職と腐敗を暴こうとする事こそが神から与えられた宿命ならば、喜んでその期待に応えるべきではないか。
もしそれが出来ないのなら、映画「猿の惑星」みたいに、文明や文化すら持ち得ないゴリラに支配される日が来るのを、指を加えて待つというのか。
それとも無能な政府(ゴリラ)の奴隷になったままで、人類の絶滅(猿の惑星)を迎えた方が幸せなのだろうか。
ゴリラではなくコロナが支配する地球という名の惑星。地球の為ならその方がいいのかも知れない。
あらゆる汚職は目に見えないから腐敗が進行しても誰も気づきません。
オリンピックもステロイドという壁でIOCの利権が見え辛くなってました。
政府の腐敗も財務省と経団連の繋がりが可視化出来なかった事が大きな金権腐敗を招きましたね。
いくらああしろこうしろとジャーナリストやコラムニストが必死に叫んでも、問題の核心部分が可視化できない限り、対策を練ることすら出来ませんから
そういう意味では今回のIOCの利権に絡む腐敗が可視化出来たのは大きいことだと思います。
汚職の可視化は1つのテーマだと思うんですね。
これが全てじゃないけど、汚職というのはすぐにはなくならないわけで、1つ1つ突破口を見出し、解決する必要があります。
でも、IOCの利権が暴露された中でのオリンピックというのも興醒めもいいとこですよね。
結局は支配する側が傲慢になり、死滅する。
しかし、コロナ変異株は傲慢になる気配すらないですね。ひたすら増殖し続けるだけ。
知的生命体としてみれば、最強の生き物かもしれません。