タバコをやめられない知人が言ってた言葉を思い出す。
”タバコは実は身体にいいんだよ。製薬会社や医者が儲かる為の陰謀なんだ”
確かに、”タバコが免疫力を上げる”って噂はしばし耳にする。が、タバコの煙にはニコチン、タール、COなど200種類以上もの有害物質が含まれ、特にCOが酸素の運搬を阻害し、免疫機能低下させる事は、広く知られた真実でもある。
しかし、こうした正論に相反する説を望むのも大衆の集団心理でもある。それに、タバコが身体に悪いのなら、”身体に悪いのはタバコだけじゃないだろう”って逆説を唱えたくもなる。
先日も、厚労省は飲酒ガイドラインを発表し、”規定以上の飲酒はがんや脳梗塞に繋がる”と警鐘を鳴らす。
酒飲みの私には耳が痛い話だが、”アルコール(アセトアルデヒド)ががんの原因になる”と言われれば、納得するしかない。
ま、飲酒の場合は”適量なら問題ない”との事だが、その適量が私には問題なのだ。というのも私は毎晩、35度の焼酎200ccつまり純アルコール56g程のお酒を嗜む。厚労省の基準が40gだから危険水域である。
一方で、酒が強い人はアルコールの分解が早く、酒の弱い人と比較すると癌になり難い可能性がある。が、酒が強い人は結果的に飲酒量が増える為、アルコール性脂肪肝から肝硬変や肝臓がんになり易いという。
確かに私は酒には強い。それでも若い頃に比べると、半分か1/3以下に落ちた。ただ、暴飲状態だった若い頃も健康診断では全く問題なかった。「酎ハイの怖い罠」でも書いたが、60になっても健康年齢は10歳ほど低いし、アルコールによる肝臓被害も全くない。
ただ歳が歳なだけに、少しでも飲みすぎると翌朝は気分こそ悪くなる。が、ほんの数時間もすれば回復する。
それでも、多量飲酒は大腸がんの確率が1.4倍になると言うから、やはり禁酒と言うか節酒は必要である。という事で今は、度数の低い焼酎や日本酒を再び検討中である。でも寒い時期は35度の焼酎のストレートは何物にも代え難い。
勿論、飲まない事が理想だが、それが出来れば苦労はしない。
という事で今日は、喫煙常習者の耳には痛いお話です。
タバコは身体にいいの嘘とホント
3月24日、ドラッグストア最大手のウエルシアホールディングスが、”2026年2月までに全店舗でタバコ製品の販売を順次終了する”と発表した。
一般世間では概ね好意的に受け取られてはいるが、ネットやSNSでは”タバコ排斥にしては不寛容すぎないか”と噛み付く人たちもいる。
こうした”タバコ=健康に悪い”という根拠は実は、医療をビジネスとして考えてる人々が儲かる為にねつ造したウソだとしたら・・・
以下、「タバコは体に悪くない論者が根拠データを”完全に見誤っている”理由」から大まかに纏めます。
Twitterの間では、喫煙率と肺がんのグラフを並べ”喫煙率は減少してるのに、なぜ?がんの罹患率は上昇してるのか”との投稿があった。一部の人々からは”むしろ喫煙した方が健康になる”と主張するTwitterの声まで登場した。
ただ、この手の話は一度や二度聞いた事があるのではないか。事実、以下の様な事を言っている人も少なくない。
”タバコを吸うとがんになるというのは真っ赤なウソで、外資系製薬会社やがん保険会社が儲かる為にウソをついてるんです。喫煙率が減っても肺がんで亡くなる人が増えてるのがその証拠ですよ”
ネットやSNSでも当り前の様に語られてるこの”陰謀論”は本当なのか。
結論から言えば、”典型的なフェイク情報で、統計データについて誤った解釈をし、都合の良い結果を主張している”と断言するのは、国立がん研究センター事業統括の若尾文彦医師である。
若尾医師によれば、右肩下がりの喫煙率と右肩上がりの肺がん死亡者数の統計を重ねて、”タバコとがんには何の因果関係もない”と主張する人たちには”ある大事な視点が欠けてる”という。
がんというのは“高齢者の病気”で、年齢別の罹患率を見ると年齢が上がる程がんに罹患する人が増える。特に男性は50代以降から罹患率が上がる。日本は急速に高齢化が進み、最も人口が多い世代もどんどん高齢化している。
つまり、”がんの罹患者数が右肩上りで増え続けてるのは、日本でがんに罹り易い高齢者の数が右肩上がりで増えてる結果です”(若尾医師)
確かに、日本は昔に比べ、高齢者が急速に増え、昔よりもがんに罹患する人の数も増え、肺がんで亡くなる人も増えている。
こうした当り前の現象に対し、喫煙率の統計を重ね、”ほら見ろ!タバコを吸わなくても、こんなに多くの人が肺がんで死ぬじゃないか!”というのはかなり苦しいロジックでもある。
統計は正しく見よう
一方で”そんな事を言ったら、喫煙率とがんの関係など何もわからんじゃないか”と困惑する人も多いだろう。確かに、人口構成は年を重ねる程に変化するので、がんの罹患率や死亡率の変化を、正確に過去と比較する事はできない。
今は、「年齢調整罹患率・死亡率」という年齢の影響を補正する方法がある。
これは”もしその人口構成が基準人口と同じだったらとの仮定で罹患率や死亡率を計算する方法で、国際比較の場合は世界人口に合わせるが、日本では従来は昭和60年時、今後は平成27年時の人口ピラミッドに合わせる事が定められています”(同医師)
例えば、東京と青森のがんの罹患率を比較すると青森の方が罹患率が高くなる。当然だが、大都市より地方の方が高齢者の比率が高いからだ。そこで上の補正式が必要になる。東京も青森も昭和60年の人口モデルに当てはめる事で、高齢化の影響を補正したデータで比較する事ができる。ネット上で”喫煙率が減少してるのに、肺がん罹患者数が増えてるぞ”と声高に主張する人は、残念ながらその様な統計学の知識がないのだ。
この様に年齢調整をすると、がんの死亡数は明らかに減ってきている。しかも喫煙率が減少すると、その約10年後に肺がんの死亡率も下がる。
つまり、”タバコ対策はすぐに成果は出ないし、タイムラグがある。一方で罹患率は年齢調整しても、横ばいから僅かに増加となるが、診断技術の進歩や罹患数を数える<がん登録>の精度が向上した事などの影響で、近い将来は減少に転じると考えられています”(同医師)
勿論、死亡率が下がってる事には、がん治療の進歩も無関係ではない。だが、”肺がんというのは世界中で喫煙との因果関係が確実である”と認められてるのは事実である。
因果関係を示すエビデンスには様々なレベルがあるが、”タバコとがんについては、因果関係を推測するに十分なエビデンスがあると多くの研究で確認され、疑いようがありません”(同医師)
ただ、この様に説得されても”タバコ=健康に悪い”がデマだと信じる人たちは納得できないかもしれない。
でも、それは自然な反応だと、若尾医師は考えている。
常習喫煙者にとって、タバコでがんになるというのは、非常に都合の悪い事で当然、認めたくない。故に”喫煙者でも長生きをする人がいる”とか”禁煙者でもがんにかかる事がある”などと考え、恐怖を弱めようとする。
人間というのは誰しも自分の非を認めたくないし、自分の選択を正しいと信じたい。これを心理学的に<認知的不協和の解消>といい、人間としては当り前の行動です”(同医師)
つまり、”タバコは実は健康にいい”と考える人が一定数出てしまうのは仕方がない事なのだ。
ただ、同医師が危惧をするのは、世論に対して大きな影響力を持つ知識人らが、この様なデマに囚われ、拡散してしまう事だという。
賢い人ほど騙される
”今回の様な現象で興味深いのは、賢い方が騙されてるという点です。賢いが故に因果関係のない所に因果関係を無理矢理こじつけたり、自分に都合の良い情報を見出し過信する。そんな錯覚に陥らない為に科学や統計学があるのだが、頭のいい人がその罠に陥ってしまう。今回の喫煙率が減ってるのに肺がん死亡者数が増えてるから<タバコとがんの因果関係がない>という話は数年前、ある有名な科学者の方がTVで言ってた事で広まった可能性もあります”(若尾医師)
確かに、我々日本人は権威に弱い。新型コロナ渦が流行した時も、福島第一原発事故が起きた際も、テレビに出演した専門家の言う事を鵜呑みにした人が大多数なのは周知の通りだ。
彼らはネットで語られてる事こそ真実だと信じて疑わないので、科学者や研究者が客観的なデータを基にして説明をしても聞く耳を持ってくれない。つまり、そこには深刻な”分断”が起きている。
”喫煙とがん”に関しても、まさしくそれが起きてしまった。更に、この様な状況を悪化させてるのがSNSなのだ。
”SNSでは、エコーチェンバー(反響室)という現象が起きる。SNSで何かを発信すると、フォロワーは多くの“いいね”や賛同のコメントを書き込む。すると、反響室の様にそのコミュニティの中では”いいね”が溢れかえるので、外から見れば“この人は凄い人かな”と誤解し、その情報を信じ込む。これはフェイク情報が拡散する際に共通して見られる特徴です”(同医師)
SNSやネットの世界では、”世の中に隠されたウソを暴く”などと声高に主張する人で溢れかえっている。勿論、言論の自由もあるし、それで不安が取り除かれるのなら悪い事でもない。
ただ、それが単なるデマや陰謀論の場合、”いいね”をして拡散する前に、冷静に根拠のレベルや”正しい統計の見方”というものを考慮すべき時代になってるのかもしれない。
以上、DIAMOND Onlineからでした。
最後に
「屈辱の数学史」でも書いたが、統計は正しく見ないと大恥をかく。そんな私もタイトルだけで、フォロワーと言うだけで、中身を確認する事もなく”イイね”を押す悪い癖がある。
”イイね”ほど露骨に反響するメッセージはない。手っ取り早くトップブロガーになる為にはイイねを沢山押し、それ以上のイイねをもらう事である。
私は数学の記事をよく書くが、できるだけ専門書やPDFの論説などを優先し参照する。勿論、(公理系でしっかりとガードされてる)数学の場合、いい加減なサイトは殆どないから、デマや陰謀説が入る余地も殆どない。
だが、医療業界では十人十色というか玉石混交である。専門用語で嘘をばら撒かれたら、その専門用語に弱い大衆は何を信じていいかわからない。コロナ渦の時も、TVに登場する専門家の知能を疑った程である。
我ら大衆がテマや陰謀説に振り回されるのも当然でもある。
だが、大衆にとって統計は判断を確定する大きな指標、いや助けとなる。
しかし、統計は慎重に判断しないと解釈を間違うし、マスコミはその間違いに気がつかないでバカを繰り返す。統計調査では”平均的な人”は存在しないし、人間とは平均を知るのが無意味なほど個人差の大きい存在である。
つまり、統計は物語の一部又は表面を見せてるだけで、答えのない事の方が多い。故に、統計にも補正が必要であり、統計を見る時には慎重にである。
こうした補正システムは数学から生まれたものであり、統計を数学が支える事で精度や信用性を高める事が可能になる。
その数学だってミスをするし、勿論人もミスをする。同じ様に、統計も(見方次第では)平気でウソをつく。
故に、大衆がテマや陰謀説に振り回されても当然とも言える。だったら、そうしたデマや陰謀説が出ない様なネット上のシステムが作れないのか?少なくとも、根拠に乏しい賛同やイイね、陳腐な同情を煽るエコチェンバーやインチキなインフルエンサー収束する事は不可能じゃない筈だ。
でもその前に、統計を正しく見る洞察力を鍛えたいものだ。
実際に身体に良いと実感した事は殆どないですよね。
あくまで嗜好品で、それでいて体に悪くなければラッキーだという立場です。
タバコに関しては、殺虫剤の成分を吸ってる訳だから、どう言い訳しようが身体に良い訳がない。
運良く私はタバコが吸えない体質ですが、晩酌がどうも辞められないんですよ。
辞めた所で殆ど何も変わらない。よく睡眠の質が変わったという人がいますが、私はお酒のお陰でよく眠れる。
若い時はヘビードリンカーだったんですが、健診では1度も引っ掛かった事がないし、今でも健康年齢は実年齢より10歳ほど若い。
勿論、酒の量はかなり減りましたが・・・
最初、コーヒーはタバコと同罪の様なイメージがあり
毎日ガブガブとは飲んでいなかった
ソレが今では1日3杯前後は飲んでいる
タバコは小さい頃から百害あって一利なしと思い続け
ソレは今も変わらずである
🦅の親父はヘビースモーカーだったが、95歳まで長生き出来た
そのオヤジも自分と同じ様な煙草好きの弟が肺がんで先に死んだのを機に
60代でキッパリとタバコから縁を切った
ソンなオヤジだったが、父の飲み続けていたタバコの副流煙被害を
🦅は相当受けていると思われる
受動喫煙で鼻炎や自律神経異常などが発症したと考えられない事もない
長年に渡る父親からの喫煙によるDV被害を受けていたのかも知れない
タバコに対する嫌悪感は、小さい頃からのそうした父に対する
母親からの叱責が大きく関わっている様にも思える
家族の前で父がタバコを吸い始め出すと、ソンな父に母は必ず否定的言葉を浴びせ掛けていた
そうした事で、タバコのみ≒父親人間失格とさえすり込まれて来た
悪党紛いの煙草に比べ、真逆で正義の味方の様に扱われているコーヒーなのだが
果たして鑑定や如何に…