2005年放送のNHKBSスペシャル、”そして日本は焦土となった~都市爆撃の真実~”の再放送ですが。これは前回紹介したカーチス・ルメイ「その1」の続編になっていて、日本各地への爆撃が実際に、どのような判断の経緯で行われたのかを追ったドキュメントです。
「その1」とセットにして読む事で、日本人の怒りは絶頂に達するかと。教科書に載せてもいいと思える程の完成度です。
以下、「NHKアーカイブス戦後70年」のウエブから抜粋です。多少、主観と修正入ります。
計画された大量殺戮
”最悪の都市爆撃とされた、日本の66都市を襲った大空襲。米軍は倫理的葛藤を抱えたままの空爆に踏み切った”
最初の入りが実にいいです。もうこの時点で読み入ってしまいます。
アメリカ・アラバマ州のマクスウェル空軍基地には一世紀に及ぶ機密資料が保管されてる。この対日爆撃作戦文書には、市民58万人が標的とされた、後のアメリカの戦いの基準と記されていた。もうこの時点で戦争の領域を超えてます。
日本の都市の航空写真には爆撃目標エリアが示され、B29による5万発の焼夷弾が投下された。資料によると、都市の特徴を捉えて市民もろとも焼きつくすよう攻撃されている。明らかなる計画的大量殺戮ですが、アメリカもよくぞこの資料を公開したもんですね。
米軍の新たな資料の公開とと共に、米軍の空爆へのやり場のない思いが広がる。1945年8月の富山空襲では2時間で3000人近くの市民が犠牲になった。 富山の爆撃目標エリアは住宅密集地に設定され、軍事工場はエリア外だったのにだ。
一般市民が初めて爆撃に遭った第2次世界大戦。その真相を明らかにしようとする動きが欧州で起きている。約3万人の市民が犠牲となった英米軍のドレスデン空襲は、ドイツの敗北が決定的になった後で行われ、被害が予想以上に拡大した。
当時、チャーチルが英空軍にあてた文書によると、”ドイツ市民の士気をくじく為に”と事実上の無差別攻撃を記していた。ナチスの加害責任の下に埋もれてきた市民の被害。ヤッパリここにおいてもチャーチルなんですね。原爆投下も無差別攻撃も起点は憎きチャーチルなんです。
①何故、無差別爆撃は無くならないのか?
市民を戦争に巻き込んではならないという考えは、第2次世界大戦前から存在した。多くの国際規約が結ばれてきたオランダのハーグで1922年、イギリスなど6カ国は空戦法規を締結、市民への爆撃を禁止するとしたが。
1930年代後半、ナチスドイツはゲルニカ爆撃で、日本は中国都市への爆撃で、そのルールを破った。両国とも無差別爆撃ではないと否定したが、ルーズベルト大統領のシカゴ演説など各国から非難された。
しかし、第2次世界大戦末期には、アメリカが人類史上最悪の都市爆撃に踏み切る事になる。
②日本への焦土作戦はどのように計画されたのか。
ウェレル博士は”日本への爆撃は無差別だった。故に戦争は当初の予定より悪い方向へ向かってしまうものと反省すべきだった”と話す。
日本焦土作戦の出発点は、1944年9月、アメリカ国防総省で行われた会議だった。戦闘を短期化するなどの案が出され、同年夏に占領したサイパンなどに飛行場を建設、11月には新型長距離爆撃機B29を使い、日本へ直接攻撃されることが決まった。
日本の消耗を早める為、6大都市を焼き払う無差別の絨毯爆撃が有効とされたが。国家理念に反すると、空軍は否定的だった。
ヨーロッパ戦争の主役であるイギリス空軍とドイツ軍は、ともに精密爆撃を行っていたが。ドイツの誤爆をきっかけに絨毯爆撃の応酬が始まった。お陰で、犠牲者の多くは市民となった。
イギリスはアメリカにも絨毯爆撃をするよう要請したが、応じなかった。しかし、膠着する太平洋戦線で、日本人の士気をくじく目的で実行する事が現実味を帯びてきた。議論は続いたが、絨毯爆撃と精密爆撃が併記されたまま攻撃開始の日を迎えた。
「その1」で書いた様に、飛行機製作工場を狙った爆撃は失敗し、精密攻撃には限界があると判断した。B29の大量生産や新型焼夷弾の開発など、絨毯爆撃を後押しする要素が多くなり、一気にその考えが広まった。
③市民の命を奪う行為に大義はあったのか。
当時、空軍少将であったヘイウッド•ハンセルは、絨毯爆撃に傾く空軍に意見書を提出したが、正論を邪魔と考える者が軍で昇進していった。そして名古屋へ絨毯爆撃をするように指示が下った。
(軍医を父に持つ)ハンセルはすぐに反対したが。(放浪者の父を持つ)ルメイには、中国の日本人街もろとも焼夷弾で焼き払ったという情報が伝わり、その効果を証明した。
これに反発したハンセルは精密爆撃を行ったが失敗、翌年1月に解任され、後任はルメイとなる。
”自身の責任で攻撃を具体化せよ”という指示が下った。英米軍でのドレスデン空襲では大規模な絨毯爆撃が行われ、メディアはそれを非難したが。アメリカ政府は軍事目標のみと説明し、日本の都市の密集地域を焼きつくす計画を進めた。
1945年3月9日、日本焦土作戦が開始され、10日間連続で東京などを300機の大編隊が襲った。6大都市を潰せば降伏すると考えたアメリカ軍だったが。日本は徹底抗戦の構えを崩さなかった為、ルメイは”軍事施設を持たない他の都市も潰す”考えを持つようになったが、そこには疎開先なども含まれていた。
ドイツの絨毯爆撃の分析では、戦争終結に影響を持たないと報告されたが、既に膨れ上がったシステムを修正する事はなかった。8月、広島・長崎に原子爆弾を投下、6日後に戦争は終わった。
④都市への爆撃は無差別殺戮だったのか?
この事が、戦後問われる事はなかった。アメリカは戦争の早期集結につながったとしてきたが、疑問の声が上がっている。
空爆に参加したナッシュは、”その罪を背負い、赦しを求め、それは過去と向き合う事だ”と話した。空からの攻撃は、空軍将校たちが予想した様に、その後の戦争の主役となった。
市民の犠牲に対して、軍事目的だったとの釈明が繰り返されてきたが。
今あらためて、都市爆撃への正当性を問う声が世界中からあがっている。世界は戦争から何を学んだのか?60年前の戦争は今も日本だけでなく、世界に問いかける。
戦争体験者が高齢になっていく中、戦争を知らない人の”学ぼうとする姿勢が戦争への抑止力になる”と、作家の早乙女氏は話す。全く私めと同感です。
つまり、学ぶ事を忘れた時、国民は暴走する。
学ぶ事こそが戦争の抑止力になる
これ程の模範解答が何処にあろうか。これこそが、日本を丸焦げにしたカーチス•ルメイの無能と野望の真実であり、日本への無差別爆撃の真相でもある。
私は常に学ぶ事の大切さをブログの中で、口酸っぱく(でもないか)語ってるつもりである。
勿論、学ぶ事が苦手な人もいる。本を読んでも何も感じない人もいる。情報の奴隷となり、無知のまま人生を終える人もいる。
戦争を知るという事は、戦争から学ぶ事であり、戦争を学ぶとは、戦争という得体の知れぬモノから自明な解を探し出し、戦争の中核となる危険因子を導き出す事にある。”戦争はいけません”は希望であって答えではない。
戦争という闇の部分に光を当て、凝り固まった危険因子を探り出し、無数に散らばる様々な危険因子群を一つ一つ解明する必要があろうか。
気が遠くなる程の作業ではあろうが。それをやらない限り、戦争は必ず起きる。
戦争のない平和な社会というのは、誰もが描きうる幻想に過ぎない。幻想の先に戦争が待ってるとは露知らずにだ。
トルーマンもカーチス・ルメイも牟田口も、ヒトラーもスターリンもチャーチルも、それぞれに固有な危険因子群の一つに過ぎない。
そういった危険因子群を生み出す仕組みを解明しない限りは、戦争は何時の世も、非合法な大量殺戮をもたらす、凶悪で最悪の”世紀の祭典”であり続けるのだ。
因みに、このカーチスルメイは勲一等旭日大綬章を佐藤栄作から授与されている。こういった大量殺戮鬼に送るべき賞ではないのは明らかなのだが(追記)。
歴史をさかのぼり、罪を与えるのも政府の役目なんですかね。
ルメイは勲一等旭日大綬章を佐藤栄作から授与されているそうだが勲一等旭日大綬章は現政権下で剥奪するべきだ!
まさにこれに尽きますね。
でも日本人にとってはこれほど疫病神的な反日一族もないです。
コメントどうもです。
アメリカのポチとなった岸信介
大量殺人鬼ルメイに
十字勲章を送った佐藤栄作
安倍晋三とともに反日の血流は争えない
ネットが世界中に蔓延してる時代ですから、何処からか漏れるんでしょうね。昔だったら信じられない事ですが。
そういう意味では日本の政治家も情報公開をもっとオープンにしてほしいです。
大義は大量殺戮に変わり
一般市民を対象にした
無差別爆撃に変貌する
「戦争反対は解ではなく希望だ」
今の日本人にこの意味がわかってる奴は
一体どれだけいるんだろうか
もう書いてて嫌になるね。戦争で一番の英雄は犠牲になった人達でしょうに。そして一番気に掛けなきゃいけないのは、犠牲になった一般人達です。
大量殺戮者がヒーローなんて、子供でも呆れますね。
もう一度戦争裁判を戦争に参加しなかった第三者の国主導で行うべきです。東京裁判なんてイカサマもいいとこです。結局、戦争自体がイカサマなんですね。
何故、世界中でそして敗戦国の日本で真の意味での戦争犯罪者が称賛されるのか?全く理解できません。日本もアメリカも信用出来ないですね。
国家も名誉も全ては虚構という事ですかね。やはり我らサピエンスは消滅すべき生き物ですかね。
軍の首脳部ってそういった攻撃的な破壊型が多かったような気がします。
無差別攻撃も原爆投下もチャーチルが起点となった事を思うと、悪の独裁者全てがチャーチルに見えますな。
戦争反対は希望であって、解ではない。我ながらいい言葉ですね。
ではバイバイ。
でも、ハンセルは惜しかったよね。父が軍医だからかな、無差別空爆には反対だったけど、低空での精密攻撃には限界があったっていうことね。
そこで、ヒッピー上がりルメイが成り上がったのね。転んだサンのいう攻撃のDNAが全てを支配したのね。
学ぶことは戦争の抑止力になるもいいけど、戦争がは希望であって解ではないって、こんなこと転んだサンにしかいえないね。
座蒲団10枚。ではバイバイ。
最近のこの時期は、どうしても戦争ドキュメントがメインになりますね。第二次世界大戦では、加害者でもあり、被害者でもある日本。
私も書いてて、少し滅入るというか、ブルーになりますね。昨日も2つ立て続けに、戦争モノを立てたんですが。流石に疲れます。
戦争について、書きたい事、書かねばならぬ事は沢山あるんですが。心が持たないというか、気が遠くなりそうで。全く厭なもんですね。
何でもそうですが、度が過ぎると大義すら犯罪に変わる。原爆も無差別空爆も、全く必要のない無責任な大量殺人ですよ。勿論、日本人も酷いことしたんですが、アメリカはそれとは比較にならない程、最悪で最大の殺戮に手を染めたんです。
何だかやりきれなくなる。でも目を背けてはダメなんですね。