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南半球で発見!「ティラノサウルス」 ジュラ紀には世界に分布か?

2010年04月01日 | 古生物
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 肉食恐竜で最も有名な恐竜は?
 最も有名な恐竜は、そう「ティラノサウルス」である。しかし、世界では20体ほどしか発見されていない。その中で全身が見つかったのはわずかに 3体である。1996年には日本でも福井県で歯が発見されている。

 ティラノサウルスは約6,550万年前の中生代白亜紀末期まで生きていた恐竜。現在知られている限りで史上最大級の肉食恐竜の一つに数えられる。 恐竜時代の最末期を生きたが、中生代を終わらせた大絶滅によって最期を迎えている。主に北アメリカ大陸に化石が多数発見されている。

 1892年、アメリカの古生物学者エドワード・ドリンカー・コープが最初にティラノサウルスの脊椎の一部を発見した。2つ目の化石は1900年にワイオミング州でバーナム・ブラウンによって発見された。3つ目の化石も1902年にブラウンによってモンタナ州で発見された。当初この3つは別の名前がついていたが同じ恐竜であることが分かり、オズボーンによりティラノサウルス・レックスとされた。

 その後発見された、ティラノサウルスのなかまはすべて北半球であり、南半球にはいないものと思われていた。白亜紀には、北のローラシア大陸と南のゴンドワナ大陸が分かれていたので、ティラノサウルスは北のローラシアでのみ、進化したものと思われていた。

 ところが、今回、オーストラリアの南部でティラノサウルスのなかまが発見された。このことは、ローラシア大陸とゴンドワナ大陸が分裂する前のジュラ紀中期(1億8,000万年前頃)には、すでにティラノサウルスの祖先は南半球に達していたことになる。

 南半球初「ティラノサウルス類」発見
 オーストラリア南部の白亜紀前期(約1億1200万年前)の地層から、肉食恐竜ティラノサウルス類の新種恐竜の化石が見つかった。英国などのチームが、26日の科学誌サイエンスに発表した。南半球からティラノサウルス類の化石が発見されたのは初めてで、最大級の肉食恐竜の仲間が世界中に分布していた可能性が高まった。

 見つかった化石は、骨盤の一部を構成する恥骨(長さ約30センチ)。骨の特徴から、ティラノサウルスの仲間と結論付けた。全長は約3メートルと小型だったとみられる。

 白亜紀の地球は、現在の北半球の大陸が集まったローラシア大陸、南半球のゴンドワナ大陸という二つの超大陸に分かれていた。ティラノサウルス類の化石は、ジュラ紀後期(約1億6100万~1億4500万年前)以降の北米、アジア、ヨーロッパという北半球の地層でだけ見つかっていた。チームは「進化の初期に南半球に到達していたのではないか」と分析する。

 真鍋真・国立科学博物館研究主幹は「今後、南半球で頭や脚の化石などが見つかり、全身像が明らかになることを期待したい」と話す。(毎日新聞 ‎2010年3月25日)

 ティラノサウルス、についてはさまざまな謎が残されている。そのいくつかを紹介しよう。

 恐竜から鳥類が進化したのか?
 2007年4月、ノースカロライナ州立大学などの研究チームは、ティラノサウルスの骨のタンパク質を分析した結果、遺伝子的にニワトリに近いという結果を得たと発表した。

 2009年、ハトに寄生するトリコモナスの古代菌種が、ティラノサウルスの命を奪っていた可能性があると発表れたされた。 この研究結果はシカゴ・フィールド自然史博物館のティラノサウルス「スー」の化石のあごの骨にあいた穴から判明した。

 鳥類がトリコモナスに感染した場合、クチバシや消化管の炎症によって餌を飲み込むことや呼吸が困難になることが報告されているが、「スー」の場合も同じような症状で餓死した可能性を研究チームは示唆している。

 またこの感染症の痕跡が同じティラノサウルス科のアルバートサウルスとダスプレトサウルスの化石からも発見されており、トリコモナスによる感染症がかなり昔から存在していたと考えられるとともに、鳥類が恐竜から進化したという可能性をさらに強める証拠となった。

 姿勢はゴジラ型か、バランス型か?
 ティラノサウルスの姿勢は、当初はいわゆる「ゴジラ型」(カンガルーが2足で立ち上がったときの形)と考えられていたが、生体力学的研究の結果、尻尾を地面に付けず、体をほぼ水平に延ばした姿勢であったとされるようになった。尻尾は体重の支えとはならないが、体のバランスをとるための重要な役割(姿勢制御や動作制御)を担ったと推測されている。

 体毛・羽毛はあったのか?
 ティラノサウルスが鳥類のような恒温動物であったか、一般的な爬虫類と同じく変温動物であったかについて、決定的な結論は出ていない(恐竜#恒温動物説も参照)。ただし、彼らは羽毛恐竜として知られるコエルロサウルス類の一種で、鳥類とも比較的近縁であることから恒温動物であったとの見方も有力になっている。

 羽毛があったか否かについては1990年代中頃から議論の的となっている。ティラノサウルス上科の原始的な種(ディロング)に羽毛の痕跡が発見されていることから、最近では、少なくとも幼体には羽毛が生えていたのではないかと考えられるようになってきている(この説では、体の大きさで体温を保てるようになる成体は羽毛を持たない)。

 走行速度は時速何kmか?
 ティラノサウルスの足跡化石ティラノサウルスの歩行・走行速度については未だ論争中である。その最大の原因は、彼らの速さを示す足跡化石が見つかっていないことにある。足跡化石そのものは発見されてはいるが、歩幅がわからないのである。加えて、走るのには不利な巨体を持ちながら、足の速い恐竜の特徴であるアークトメタターサルを併せ持っていることが挙げられる。

 なお、ティラノサウルスのアークトメタターサルを研究し、その論文の執筆を行ったエリック・スニベリー(Eric Snively)とアンソニー・ラッセル(Anthony P. Russell)は、ティラノサウルスがアークトメタターサルを持たない大型獣脚類と比べて遥かに機敏であることを立証しないが、ほのめかしていると。このような事情があるため、下は18km/hから上は70km/hまで実に様々な走行速度説が提示されている。(出典:Wikipedia)

 

ティラノサウルス
小田 隆,真鍋 真
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