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「ビッグバン」と「ハッブル宇宙望遠鏡」から宇宙の始まりに挑む

2010年04月16日 | 宇宙
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 宇宙の始まり
 2010年4月11日放送のNHK「ハッブル宇宙望遠鏡 宇宙の始まりに挑む」を見た。修理が終わり、史上最高の能力を持つ望遠鏡で、どこまで宇宙の謎に迫れるかを紹介した番組である。

 宇宙はどのように始まったのか?20世紀、人類は、宇宙が137億年前のビッグバンという大爆発で始まったことを知った。しかしその後、どのようにして現在のような星や銀河のあふれる世界となったのかは、まったくの謎であった...。

 今年1月NASAは『最も遠い宇宙の果ての撮影に成功した』と発表した。この撮影を行ったのが、高度600kmの大気圏外に浮かぶハッブル宇宙望遠鏡。そこには“131億光年”離れた天体が写っている。この天体の光は、131億年前に発せられ、宇宙空間を旅した末に地球に届いたもの、つまり131億年前の過去の姿だ。即ち、誕生まもない太古の宇宙の姿そのものであり、ここに宇宙の始まりの謎を解く重大な手がかりが隠されていた。

 今回、謎と驚異に満ちた宇宙へといざなう“プレゼンター”は劇団ひとり。コメディアンであり、俳優であり、そして作家でもある彼自身じつは大の宇宙好きでもある。その魅力あふれる一人芝居とウイットに富んだ語り口は、時にユーモラスに時にシリアスに未知の世界へ見るものをみちびく。最先端科学が解き明かした宇宙の創世の頃の深遠な物語を、ハッブル宇宙望遠鏡の美しい宇宙映像の数々とともに描いた。(NHKスペシャルHP)

 「ハッブル宇宙望遠鏡」とは?
 ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope、HST)とは地上約600km上空の軌道上を周回する宇宙望遠鏡である。長さ13.1メートル、重さ11トンの筒型で、内側に反射望遠鏡を収めている。主鏡の直径2.4メートルのいわば宇宙の天文台である。大気や天候による影響を受けないため、地上からでは困難な高い精度での天体観測が可能。

  1990年4月24日スペースシャトル「ディスカバリー(STS-31)」で打ち上げられた。しかし、打ち上げ直後の調整で天体の光を集める鏡の端が設計より、わずか0.002mm平たく歪んでいることが発覚。この誤差により分解能は予定の5%になってしまった(ただし5%でも地上の望遠鏡より遥かに高い分解能を有していた)。

 この歪みは、主鏡を製造したパーキンエルマー社(現レイセオン・ダンバリー社)の工場において鏡面の歪みを検出するヌル補正装置が正しく取り付けられていないことが原因だった。この問題を修正するために、焦点に入ってくる15%の光を最大限に利用するソフトが開発された。これで性能は58%まで回復。これ以上の修復は直接宇宙へ行き、ハッブルを修理するしかなかった。

 最終的に修理が完了したのは、2009年5月であった。ハッブルは「今までで最高の性能」(NASA)になり、少なくとも2014年まで寿命が延びることになった。4ヶ月間のテスト期間を経て活動を再開することになった。

 2009年7月24日には、本格稼動前であるが、木星への天体衝突跡が発見された衝突の跡を新しく取り付けられたWFC3で撮影、画像を初公開した。その後数々の観測成果をあげている。2010年1月には近赤外線で撮影した宇宙の史上最古の銀河を発表した。その年齢は約131億歳であった。

 ビッグバンから宇宙の始まりに挑む
 2001年東京大学の吉田直紀準教授は、137億年前のビッグバンから宇宙の始まりの謎を解く研究を行っていた。彼の武器はコンピュータの計算機である。

 ビッグバンの後、暗黒の闇が何億年か続いたとき、宇宙に存在したのは水素とヘリウムと暗黒物質の3種類。これらの物質から、最初にできたのは何だろうか?彼は物質を表す、あらゆる方程式を使ってコンピュータに計算させた。コンピュータがその計算を終えたのが7年後の2008年の7月のことであった。

 計算の結果、宇宙に最初にできた天体は、銀河でもブラックホールでもなく、ただ1つの恒星であった。この天体は太陽の100万倍、青白から白い光を放つ巨大な恒星で「ファーストスター」と名づけられた。1つの天体ができると、宇宙のあちこちで、次々とファーストスターが誕生したという。

 この結果は2008年8月1日のサイエンスに掲載された。

 ハッブルから宇宙の始まりに挑む
 カルフォルニア大のガース・イリングワース教授はハッブル宇宙望遠鏡で宇宙の始まりの謎に挑んでいる。2010年1月、新しくなったハッブル宇宙望遠鏡で、ろ座の一角にあるウルトラディープフィールドと呼ばれる場所を12日間撮影し続けた。何もない暗闇の空間に1万を超える天体が浮かび上がった。

 宇宙は膨張しているので、遠くの天体ほど猛スピードで遠ざかっている。そのため遠い天体ほど赤く見える性質がある。この性質を利用して、131億光年の天体が分かる“フィルター”をつくって20個以上の天体を発見した。

 これらの天体は生まれたばかりの銀河で、もとの色に戻すと、どれも「ファーストスター」と同じ、青白い光を放っていた。大きさは銀河系の1/20、ファーストスターの誕生後何世代か後の星々の集まりであった。

 宇宙の始まりにあったとされる「ファーストスター」。最新科学技術は、その誕生直後まで観測できるところまで迫った。2013年に打ち上げられる、次のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡では、ファーストスターそのものを発見できるのではないかと期待されている。 


参考HP Wikipedia「ハッブル宇宙望遠鏡」・NHK「
ハッブル宇宙望遠鏡 宇宙の始まりに挑む」 

ハッブル宇宙望遠鏡―150億光年のかなたへ
エレイン スコット
筑摩書房

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