うぇるなび

yoga ayurveda インド哲学 心を豊かにする生活

カイヴァルヤ

2010-03-28 | Yoga
パタンジャリのYogaスートラの最後は、こう締めくくってあります。

第4章34節 最終節 

PURUSHARTHASUNYANAM GUNANAM PRATIPRASAVAH KAIVALYAM SVARUPA PRATISHTHA VA CHITISAKTER ITI.

意訳すると、プルシャに仕えるという目的がなくなった3つのグナ(トリグナ)は、プラクリティに還入し、独存の境地(カイヴァルヤ)が現れる。これは、純然たる意識が自らの純粋な本性の内に安住することである。

今から2000年近く前にまとめられたYogaスートラの最後は、このように締めくくられています。

プルシャ、グナ、プラクリティはサンキヤ哲学のことば。
カイバルヤは解脱の意。
ほとんどの人がチンプンカンプンな内容だと思います。

僕も言葉の中だけでしか理解出来ていません。

しかし、Yogaの最終目的が、依存でなく、独存にあることは間違いありません。
そして、心の動揺が全く起きなくなり、とても幸福な気持ちに安住出来る事が想像出来ます。

一般の人でも出来るYogaの奥義は、『依存しない』『自立した人生』を歩む努力を、絶え間なくする事ではないかと思います。
そうすることで、無上の幸福感が得られるはずです。
もちろん、なかなか出来る事ではないのかも知れませんが・・・

こんなYOGAスートラの講義でよかったら、4月11日に体験セッションをしますので、お越し下さいませ。

yamabech@MAYURA

最後の一厘(りん)

2010-03-25 | ひとりごと
最後の一厘とは、99%のところまで来ても、あと1%で何が起こるか分からないと言うこと。
なにごとも、最後まで手を緩めてはいけない。

しかし、言い方を変えると、最後の一厘に甘露のように美味しいものが待っている。
と、経験上思う。

完璧を求めるのは辛い時も多いけど、何ものにも替え難い素晴らしい一瞬を味わえる事が出来ると思います。

最後まで、あきらめなかった人だけが味わえる感覚。

自分の思っているゴールより、さらに、ちょっと先にゴールを設定すると良いかも。

yamabech@MAYURA

2010-03-25 | Yoga
時間があるときは『時間はあるが、金が欲しい。』と嘆き、

忙しくお金も入って来るときは『時間が欲しい』とつぶやく。

金も時間もない時は、『貧乏ヒマなし』と言う。

時間もお金もある大富豪は全世界の2%くらいですか?

人間は、どうしたら幸せだと満足するのでしょうか?

それは、ヒマラヤに昔からいるYOGA行者は知っていたようだし、ブッダも知っていた。

しかし、これらの哲学が生まれてニ千年以上経った今も、Yogaがこんなにメジャーになり、仏教徒の多い日本でも、多くの人が、満足な幸福を探し求めて旅しています。

何千年経っても、人の欲求を制御することがどれだけ難しいか証明しているようなものではないでしょうか?

yamabech@MAYURA

アーユルヴェーダの石鹸の成分は・・・

2010-03-17 | LOHAS
最近、とある石鹸の成分を調べています。

インドで買って来て、自分も気に入ったし、お土産を渡した人たちにも評判だったので、輸入しようと企てたわけ。
いちお、許認可は持っているので、成分の中に、使用禁止成分が入ってないか調べ、問題がなければメーカーと商談となるわけですが・・・
日本は世界で最も厳しいと言われる成分規制があるのが不安要素。

そこで、メーカーから全成分を送ってもらい、調べてみた。
早速、最初に調べた製品から、使用禁止成分の、あるタール色素が配合されていた。
残念、没。

2個目の、一番欲しいアイテムは現在調査中。

まだ途中だけど、医薬品に指定されている成分に入っている気配が。。。
気配と書いたのは、ハーブを混ぜ合わせた成分なので、詳細に調べないときちんとは分からない。

勢いで輸入する事も可能だけど、『回収騒ぎ』になるのは、明々白々。

そんな商品ですが、ネットで検索したら、既に違法に輸入され流通しておりました。

この商品、いかにも自然系に見えるんですが、成分は安い量販品と同じ。
石油系の成分が入っているのに、無農薬、マクロビ、天然系・・・が好きそうなユーザーが集まるショップで売られていたのはちょっと面白い。ショップ側は成分を調べないのでしょうね。

さて、僕がいつも気にしている、生分解性。下水に流してどのくらい分解するかと言う指標。
これは、研究機関に依頼して調べる他ないが、経験的に、この成分だと僕が求める数値には届かないと思う。

ちなみに、うちで扱っている商品は90%台後半ばかり。

成分的にも、環境的にも輸入出来ない可能性が濃厚です。
以前、『ヘナ』を調べた事がありますが、これも、天然100%と言いながら、合成成分が入っていた事もありました。

日本は、不景気だし、made in japan、地産地消、雇用創出・・・。やはり、国産にこだわろうかな。

yamabech@MAYURA

礼儀

2010-03-16 | ひとりごと
このところ、メールでの問合せに唖然とすることが多々あります。
AYURVEDAやYOGA関係の質問、求人の問合せなど、沢山のお問い合わせを頂くのですが、名前すら名乗らない人、営業にもならない質問etc.
それでも、メールに気づかない以外は、ちゃんと返信はしております。

しかし、本来の業務以外の質問にお答えしても、お礼のメールがないことが増えて来ています。
忙しい中、貴重な時間を使って返信したのに。。。


中国由来の思想に『儒教』と言うものがあります。
紀元前の中国の思想家 孔子 が始祖とされる。

その中心となる教えに、五常(仁、義、礼、智、信)の徳を積み、五倫(父子、君臣、夫婦、長幼、朋友)関係を良好に維持すると言うものがあります。

仁:人を思いやること
義:利益にとらわれず、すべきことをする。
礼:仁を行動として表すこと。
智:学問に励むこと。
信:誠実、約束を守ること

この思想が隆盛した紀元前500年頃(この時代から以降、インドではブッダ、中東ではイエスが活躍している)、実力主義の社会となり、社会の混乱が続いたと言われていて、その中から、儒教の思想は生まれたのかも知れません。

2000年経った現在、あからさまな利益追求の世の中になり、社会は徐々に混乱の度が増して来ているように思えます。
せめて、相手を敬い、感謝し、『礼』をつくすことを忘れないようにしたいものです。

yamabech@MAYURA

Q:心臓の鼓動は脳から指示しているか?

2010-03-15 | ヘルスケア



心臓のリズムは洞結節と言う場所でつくられます。
そこから、刺激伝導系の房室結節に伝わり、心臓の筋肉が収縮し、全身に血液が送られるのです。

脳からの神経伝達とは異なる、独自の伝達機構で心臓は動いています。

洞結節、房室結節は偶然にも1906年に発表され、後者を発見したのは日本人『田原 淳』博士。
元九州大学教授で、この場所は、別名『田原結節』とも言われます。
心臓が、自律神経系に支配されずに動いていると分かったのは、約100年前と言うことになります。

しかし、今から2500年位前の『カタ・ウパニシャッド』には次のような記述があります。

4-6『タパス※(=火)に先立って生じたもの、水より先に生じたもの、心臓内の洞窟に入り、そこに住まいするのが真我である・・・以下、略』※tapasは苦行と訳す事も多いが、ここでは、次の水にひっかけて、元々の意味である『火』と訳しました。

ここで言う、火と水は、インド哲学で良く出て来る5元素の中の2つのことを差しますが、言い替えると、消化や循環器が動き出す前から、真我と言われるものは、心臓内に存在し始めると言っているようにも解釈出来ます。
(詳しい説明は、機会があれば講義でお話しましょう。)

古代の哲学(=自然科学)と現代科学をつきあわせてゆくと、興味深いことがいろいろ出て来ますよ。

yamabech@MAYURA


還暦は60歳+1

2010-03-12 | インド

還暦=60才とは、干支(十二支と陰陽五行の組合せ)が一巡した事を意味し、すべての干支を無事終えひととおりの人生経験をし、新たなスタートを迎える歳とされています。

人生50年と言われた戦前くらいまでの日本では。(昭和22年の平均寿命は、男性50.06才、女性53.96才 厚生労働省調べ)、60歳は充分長生きしていることになり、もはや長老でしたが、今では年金ももらえない、現役世代にカウントされていまうので、別の意味で新たなスタートを切らねばなりません。

さて、この還暦。正しくは、いや、戦前までは61歳を指していました。
昔の日本は、年齢を『数え』年で数えていましたので、満60歳から1年増えてしまうのですね。
つまり、数えの61歳が還暦となるのです。

これは、受胎し、心臓が鼓動し始めてから、生命をカウントし始めるので、母親の胎内にいる10か月間前後も人生に含まれると考えるからです。そう、人生のスタートは、精子と卵子の結合の時点から始まるのです。

今では、肺呼吸を始めたときから人生をカウントしますが、それ以前に1年近い母に苦労をかけた(お産の時は命がけですから、苦労という軽い表現ではすまないと思います。)、忘れ去られた人生があるのを、歳をとるほどに、忘れてはいけないと思うのです。

yamabech@MAYURA


アトピー性皮膚炎について

2010-03-09 | ヘルスケア
先日、乳幼児のアトピー性皮膚炎について相談がありました。
生後5ヶ月の赤ちゃんが、アトピー性皮膚炎になったそうで、いくつかの病院と、相当数の民間療法を探ったあげく、ずべて腑に落ちず、僕に連絡してくれたそうです。
赤ちゃんが、肌を掻くもんだから血まで出ているそうで、そこまでしてようやく思い出してくれたらしい。(笑)

話しを聞いてみると・・・

・ネットで調べたり、自然化粧品の店員に言われて、ステロイドは副作用が怖いから使いたくないから、医者の処方を断った。
・マクロビ教室や自然食品のおばちゃんから聞いて、アレルギーになりそうな、動物性タンパク、大豆タンパクなどに加え、糖分も摂らせず、農薬が怖いので果物も食べさせていない。
・水道水の塩素が怖くて、木柞酢が良いと聞いたのでお風呂に入れた。
・お風呂ではオリーブ石鹸を使用した。

そうです。

そうこうしているうちに、症状が悪化していったそうで、とにかく、病院の勧めとおりにステロイドを使用し、食事も普通に戻してみて、問題があれば、また連絡してもらうようにしました。
身体を洗う石鹸や、木柞酢も止めて、それらの代用品をお勧めしました。

子供の皮膚は再生が早いので、かゆみが軽減されて、良く眠れるようになれば、治癒力も高まるものです。
そして、栄養をちゃんと摂らないと、治るものも治らない。(明らかにアレルゲンが特定されている場合は別)

アトピーに関しては、様々な民間療法がありますし、ドクターもいろいろな治療法を勧めるので、当事者が混乱するのは当然と言えば当然。
しかし、身体の事や、病気の事を専門に勉強し、様々な病気を治療しているドクターが、民間の業者より病気について詳しいのは当たり前の話しで、まずは病院できちんとした診断を受けるべきとは僕の意見。
その後、納得しなかったらセカンドオピニオンをすれば良いし、それでも腑に落ちなければ自己責任で治せば良い、と思います。

しかし、『その間、子供は辛いままだと言う事を忘れてはいけない・・・』
と、ある有名な皮膚科のドクターも言っていました。


yamabech@MAYURA

「心身科学と心身医学」 ~こころのケアの現場から~

2010-03-04 | Yoga
タイトルのよみうりFBS文化センターの講座に行ってまいりました。
今日は、九州大学病院 久保千春病院長の講義。
心療内科がご専門なだけに、心と身体の関係をロジカルに講義して下さいました。

講義中思っていたのは、YOGAスートラに書かれている事を、言葉を替えて、医学的に言われているような感じでした。

2000年前と現代。人の心はあまり進化していないのかも?

しかし、カウンセリングのテクニックは、学ぶべき点が多々ありますね。。。

yamabech@MAYURA

言葉の持つ真意をさぐる

2010-03-01 | Yoga

道具を使い、食べ物を調理して食べるようになってから、人間はより繊細な言葉によるコミュニケーションをするようになったとは、先日のブログに書きました。
しかし、最近、その言葉が退化しているように思えるのです。
ボキャブラリー(語彙)が少なく、相手の言葉を論理的に考え、その真意をくみ取れない人を多く見受けられます。

2000年近く前に編纂された、YOGA哲学では、このように言っています。


SABDARTHA PRATYAYANAM ITARETARADHYASAT SAMKARAS TAT PRAVIBHAGA SAMYAMAT SARVA BHUTA RUTA JNANAM. YOGA Sutora's 3-17

意訳すると・・・

言葉はその音と、その言葉が意味する目的と、その言葉が意味する内容とが、重なり合って混乱した状態になっている。

その言葉について、熟考するならば、耳に入る言葉の音、その意味、そして目的(真意)が理解出来る。
これが出来ると、どのような生き物の声も理解出来るようになる。(注)

母親に『○○買って来てよ?』と言われたとき、

『単にめんどくさいのか?』、それとも給料前だし『お金出せと言ってるの?』など、相手の表情や前後の状況、過去の記憶から推察して色々考える事があると思います。

ひょっとしたら、母親が娘に買い物に行かせる事で、コンビニで働いている素敵な男性との縁を結ばせようとしている。。。そんなこともあるかも知れません。

このように言葉の裏には、様々な情報が隠れているわけで、それをキャッチ出来ると、コミュニケーションがすごく楽になります。その反対に、なかなか理解できない人は、人間関係が難しくなるようです。

これは、子供の頃から、親、学校の先生や友人たちとの会話等から育まれる能力と思うのですが、不得手な人は、大人になってからでもちょっと難しい議論を避けることなく、感情的になることなく、根気強く話し合いをする練習を続けることで克服できることでもあります。

(注)一般の人に分かり易く意訳したので、サンスクリット語の直訳とは、多少違いがあるのでご了承下さい。)

yamabech@MAYURA